2014年2月22日 (土)

20140222b

渡辺棋王の指した△7二玉(図)が珍しい手で、実戦例が少ない。数だけで言えば代えて△9九馬が圧倒的に多いところだ。山崎八段は「渡辺棋王が過去の手を拾い上げた」と話す。これまで主流にならなかったことにはそれなりの理由があるのだろうが、渡辺棋王はその先を見通しているのだろうか。対局室では三浦九段が頬に手を当て、じっとうつむいている。その姿は、過去の変化を思い出そうとしているようにも見える。

Img_4286

Img_4287

(文)

金沢は16世紀、本願寺が布教の拠点として「金沢御堂」を置いたことに始まる。江戸時代には100万石を超える加賀藩の城下町として栄えた。当時は江戸、大坂、京都に次ぐ大都市だったと言われている。第二次大戦中も戦災に遭わなかったことから、市街には歴史的な町並みが残っている。

Img_4193

Img_3948

(文)

20140222a

後手番を持つ渡辺棋王の作戦は、意表のゴキゲン中飛車。今週行われた王将戦七番勝負第4局でも採用したが、羽生善治三冠に敗れている。対して三浦九段は、超急戦と呼ばれる変化に誘導。これに渡辺棋王が△5六歩(図)と応じて、いきなり戦いに突入した。序盤、中盤を飛ばしていきなり終盤に飛び込む、数ある戦型の中でも苛烈を極める形だ。しばらくの間「振り飛車有利」とされていた形だが、最近は居飛車に有力な手が出て流れが変わっている。最前線の戦いに注目だ。
棋王戦の金沢対局では、2011年に行われた第2局、▲渡辺明竜王-△久保利明棋王戦(肩書きは当時)でも超急戦が登場している。本局がこの形になったのも何かの縁なのかもしれない。

(文)

今朝の金沢は曇り。外に出ると雪がはらはらと舞っていた。予報は晴れとの見込みだ。

■対局スケジュール
9:00 対局開始
10:00 午前のおやつ
12:00~13:00 昼食休憩
15:00 午後のおやつ

Img_4199

(文)

対局当日は現地で大盤解説会が行われます。対局中の盤面や対局室の模様をスクリーンでリアルタイム観戦できるほか、次の一手クイズのプレゼント抽選もありますので、ぜひ足をお運びください。

■日時:2月22日(土)13時30分~
■会場:北國会館10階ホール
 ※対局場の「北國新聞会館」とは別の建物になりますのでご注意ください。
■解説者:山崎隆之八段
■聞き手:井道千尋女流初段
■参加費:2,000円(コーヒー付き)

両対局者が中座したのち、立会人と解説の棋士に明日の見どころをインタビュー。若松七段は「皆さんの期待通りの熱戦になると思います」、山崎八段は「相居飛車、角換わりになるのではと思います」、井道女流初段は「私は振り飛車党なので対抗形が見たいです」とそれぞれ語った。

Img_4179

Img_4189

Img_4192

(文)