大盤解説会場へ
終局直後
――今日の将棋を振り返って印象は。
「中盤以降、少し指せそうかなと思っていたのですが、決める順がよくわからなくて。ちょっと変だったかなと」
――作戦は相掛かりに決めていましたか。
「そうですね。他にはないかなと思っていました」
――タイトル戦の初勝利となりましたが。
「ストレート負けにならなくて、ほっとしています」
――次の第3局に向けての抱負をお願いします。
「後手番なので……しっかり準備して臨みたいと思います」
苦しくなってから粘りが足りなかったか、と渡辺棋王。
【渡辺棋王の談話】
――今日は相掛かりを受けて立ちました。
「そうですね。作戦は予定でしたが、そのあとはすぐに手将棋模様になったので」
――中盤は、後手にとって厳しい局面が多かったという評判でした。
「昼食休憩までは一局かなと思っていたのですが、昼休明けから数手指したところは全然ダメになってしまって。そのあたりの数手がひどかったと思います」
――先手の自陣角(53手目▲6六角)と打たれたあたりはいかがでしたか。
「そうですね。▲5七角と引かれて、△8七歩と打たされて、▲6九玉とされたあたりは、ちょっと模様が悪いなと思いました。ただ、そのあともうちょっとましな手があったんじゃないかと思います。本譜は▲6六歩(67手目)と突かれたところで、大差になってしまいました」
――終盤は接近したと言われた局面もありましたが。
「ずいぶん前に全然ダメになったと思っていたので。そこまで接近もしていなかったのではないかと思っています」
――1勝1敗となって、第3局に向けていかがですか。
「今日の将棋はあまりチャンスがなかったので。気を取り直して、残りの3局に向かいたいと思います」
(八雲)
第2局は本田奎五段が制す
第2局は本田五段が制して五番勝負のスコアを1勝1敗としました。終局時刻は17時40分。消費時間は、▲本田3時間42分、△渡辺3時間16分。第3局は3月1日(日)に新潟県新潟市「新潟グランドホテル」で行われます。
(玉響)
決まるかどうか
本田五段の手が止まる
図は16時30分頃の局面。
先手は一気に勝負を決めにいく勢いで踏み込みましたが、図の局面で本田五段が手を止めています。何か誤算があったのかもしれません。
現局面について、控室で検討していた山根女流二段に話を聞きました。
「▲6五銀△同銀▲6四歩△5四金に▲5七桂と打ち、△4六飛に▲6五飛と走って決めにいきたいのですが、以下△4八飛成▲6三歩成△5一玉で、後手玉が意外につかまらないようです。この▲6五飛が決め手にならないというのが誤算だったのかもしれません。ただ、▲6五銀△同銀▲6四歩△5四金まで決めてから▲4七歩と受けておけば、まだ先手がいいのではないでしょうか」(山根女流二段)
将棋まつりの会場では長谷部四段のサイン会が行われている。地元期待の若手棋士ということで、今日一番の行列ができていた。
(八雲)