久保棋王 防衛インタビュー
感想戦終了後、改めて久保棋王にインタビューが行われました。
--今日の将棋は、負けと観念した時間が長かったのでしょうか
久保「最後は時間もないですし、負けだろうなぁと思ってやっていました」
--感想戦に出ていた、▲5一角(99手目▲8二角に代えて)は読んでいましたか。
久保「▲5一角の王手は見えますが、△6二桂と受けたあとの▲5三歩は見えてない。必至で、受けがないですね」
--控え室では逆転と言われていました。
久保「自分でもびっくりしました。最後は負けと思っていました。△7六玉がぴったりでした」
--今年の2月と3月を振り返ってください。
久保「大変でしたが、なんとか乗り越えられてよかったです」
--今週、王将戦で豊島将之六段を相手に防衛したことはいい影響を与えましたか。
久保「区切りにはなりましたが、1局1局の対局自体は集中して指すだけですから」
--いつも言われている「楽しんで指す」ということはできましたか。
久保「いい意味でプレッシャーもなく指せたと思います」
--今年は棋王戦も王将戦も防衛戦でした。挑戦と防衛戦の違いはありましたか。
久保「大変ですが、その中で結果を残せたのはよかった。将棋盤に向かってしまえば挑戦者でもタイトルホルダーでも気持ちは変わりません。普段通りやれたと思います」
--久保棋王は毎年新しい気持ち、言葉を持って指しています。今年は?
久保「今年はなかったですが、今に集中するということを意識した。目の前の将棋をがんぼろうという意識が強かったです」
--先週大きな地震がありました。
久保「現状でも大変な皆さんが多い中、複雑な気持ちはありました。でも精一杯やるしかないと思いました」
--渡辺竜王の強さ、凄みは何でしょう。
久保「私より実績が上なので、私がコメントするのも……。強いのは前からわかっていることですし」
--王将戦も含めて年下とのタイトルマッチが続きました。
久保「相手と戦おうとするといろんな人と戦う必要がありますが、自分との戦いにしてしまえば相手は関係ない。相手が誰ということは気にしなかったです」
--同じ週に2つのタイトルを防衛するのは珍しいと思うのですが。
久保「どっちも逆の目なら続いていたので、よかったと思います」
--来年度の抱負を
久保「自分のテーマを決めて、来年に向かっていきたいです」
(翔)
終局後インタビュー、感想戦
久保利明棋王の談話
「勝ちを意識したのは最後の最後です。△7六玉(106手目)あたりまで気づいていませんでした。序盤は▲5七銀と引けないと思っていたのに引かれてしまい(41手目)、苦しくしました。△5三飛(54手目)はこれ以外に受けがないと思いました。この将棋も負けだと思っていたし、(この五番勝負は)大変な将棋が多かったです」
渡辺明竜王の談話
「(106手目△7六玉では)△8六玉しか読んでおらず、それで勝ちだと思っていました。△7六玉を指されて、少し考えてダメだということがわかりました。(41手目▲5七銀は素晴らしい構想では?)しかし攻め急いで飛車交換になったので(63手目)、失敗したかなと思っていました。ただ終盤は勝ちだと思って指していました」
(翔)
大盤解説会
大盤解説会場へ
終局直後
久保棋王、3連覇達成!
第36期棋王戦五番勝負第4局は、19時8分、118手までで久保棋王の勝ちとなりました。消費時間は▲渡辺3時間59分、△久保3時間58分。この結果、五番勝負は久保棋王の3勝1敗となり、久保棋王の防衛。3連覇を達成しました。
(翔)