広瀬七段のゴキゲン中飛車で始まった本局は郷田九段が超速▲3七銀で対抗し、相穴熊へ。
1図は序盤戦ですが、角の転換があまりさえなかったようで「作戦負けだった」と郷田九段は振り返りました。
2図では、郷田九段は自信がなかったようですが、▲8四歩が勝負手。以下△2八歩成▲8三歩成△4九飛▲8四歩△7七角成▲同銀△7九飛成▲8七飛△9四銀▲8二と△同金▲8三桂△同銀▲同歩成△同金▲同飛成△7二金(参考図)で先手大変のようですが、▲8三歩成を手抜くなど後手も指しにくい手順でした。「この瞬間しかなかった。本譜は攻め合いにならなかった」と郷田九段は反省。
本譜は△2七歩に▲同飛と取りましたが、飛車が受けに利かなくなりました。そして、次の△5六馬が絶好な位置。大駒の働きに差がついて形勢は後手にはっきり傾きました。(銀杏)
2011年12月26日 (月)
本局の棋譜
感想戦(郷田九段)
感想戦(広瀬七段)
終局直後
広瀬七段勝利。挑戦権の行方は挑戦者決定戦第2局に
久保利明棋王への挑戦を目指す第37期棋王戦挑戦者決定戦第1局は18時16分、110手で広瀬七段の勝ちとなりました。消費時間は郷田3時間49分、広瀬2時間42分。
敗者戦優勝者の広瀬七段が勝ったことで、挑戦権の行方は挑戦者第2局に持ち込まれました。第2局は1月6日(金)に行われます。
広瀬七段勝勢
△7八銀が着手されると「手つきは読み切っていますね」と山崎七段。馬は取られても金を取るのが大きい。穴熊特有の感覚だ。挑戦者決定戦第2局が行われる気配が濃厚である。
(吟)
後手優勢
後手がうまく食いついたとの評判。控室は後手優勢の雰囲気が漂っている。「強いですね。まだまだかと思っていたのですが」と山崎七段。
(吟)