2014年2月22日 (土)

両対局者に花束が贈られたのち、インタビューが行われた。

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―― お互いの印象は?
渡辺 三浦さんの印象ですか? ははは、いま見ていたら(花束を贈呈してくれた)女の子と手をつないでいて、非常にかわいらしいところがあるんだなと(笑)。まあそれは冗談としまして。三浦さんの将棋は非常に終盤に定評があって、1局目も中盤の分かれは私のほうが少しよかったと思うんですけど、そこから追い上げられて最後は大熱戦になりました。明日も終盤戦で競り負けないように、頑張りたいと思います。
三浦 そうですね。1局目も戦わせていただいて、相変わらず強いんでイヤになっちゃいます。石川県出身の某棋士の言葉を借りれば「序盤、中盤、終盤、隙がない」ということですね、ハイ。

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―― 対局に向けての意気込みをお聞かせください。
渡辺 こちら(金沢)で対局させていただくのは3回目なのですが、過去2回はいずれも勝っていまして、非常に相性のよい土地だと思っています。この相性の良さを継続できるように、頑張りたいと思っています。金沢は非常に食べ物もおいしいですね。今日もすぐそこの市場に行ってきました。そこでカニを買ったんですけれども、威勢のいい接客に圧倒されまして、予定よりちょっと高いカニを買ってしまいました。なので私もですね、明日は威勢のいいおばちゃんのような将棋が指せるように、頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
三浦 渡辺さんは金沢に非常にいい印象を持っているとのことですので、明日は嫌な思い出を作って差し上げたいと思っています(笑)。いまはソチ五輪をやっていますので、金メダル級のよい棋譜を残したいと思います。
―― もう少し、金沢の印象をお願いします。
渡辺 今回は早めに現地入りしたのですが、結局は市場くらいしか行けていません。前回はかなり周辺の観光をしまして、このあたりは文化的なもの、食べ物も含めて見るところが多いです。来年は春に新幹線が通るということで、東京からも非常に来やすくなります。ということで、やはりこの相性の良さを継続させたいと思います(笑)。
三浦 私は石川県は確か2回目でして、前回はJT杯日本シリーズという棋戦で来ました。そのときに石川県というのは……1局目の新潟とかぶってしまうんですが、食べ物がおいしくて女性がきれいだなと。ハイ。JT杯にも前夜祭がありまして、各テーブルにJTレディの方がいらっしゃるんですけれども、やはりきれいな方がいまして、私のところに来てくれるかなぁと思っていたら、そのときの対局相手の青野照市先生のところに行ってしまいました。それで、翌日の対局に闘志を燃やした思い出があります(笑)。

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(最後に子供からの質問コーナー。「苦手な戦法はなんですか?」という鋭い質問に両対局者ともタジタジ)

(書き起こし=烏、写真=文)

前夜祭では棋士によるサイン色紙の抽選会が行われた。登壇した棋士は数枚の色紙のうち一枚について意味を説明し、抽選に移った。見事当選した参加者は思わず笑顔に。

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(井道女流初段の「知足勝不祥(たるをしりてふしょうにかつ)」。満足する気持ちがあれば災難も乗り越えられる)

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(山崎八段の「独往」。独自路線を貫く棋風そのままだ。「先輩からは『ひとりずまい』じゃないかとも言われます」と言って会場を沸かせる)

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(若松七段の「悠楽」。主宰する将棋教室も同じ名。「将棋を楽しみましょう」とにっこり)

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(青野九段の「道無古今(みちにここんなし)」。物事の極め方は今も昔も変わらない)

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(「かつみです」と三浦九段。もちろんジョークです。己を律する難しさに打ち勝つことで、タイトル挑戦も成った)

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(渡辺棋王の「一歩千金」。将棋に対する心得が込められた金言)

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(最後に記念扇子の抽選)

(文)

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■主催者挨拶
北國新聞社取締役 営業本部本部長 砂塚隆広様

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■主催者挨拶
日本将棋連盟専務理事 青野照市九段

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■乾杯
北陸放送営業推進本部事業担当局長 田谷陽司様

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2014年2月21日 (金)

検分を終えた関係者は、対局会場を出て近くの「北國会館」へ移動。大盤解説会場の10階へ着くと、設営が行われている最中だった。山崎八段と井道女流初段は明日の打ち合わせをする。その後ホテルへ移動した。このあとは19時から前夜祭が行われる。

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17時、対局場となる「北國新聞会館」で検分が行われた。盤駒は珠洲市議会事務局次長・塩井一仁様から提供されたもの。駒は熊澤良尊師作の菱湖書、平田雅峰師作の源兵衛清安書が用意された。対局者は互いに「どちらでも大丈夫」とのことで、立会人の若松七段が「ではタイトル保持者に決めていただいて……」と言って渡辺棋王が決めることになった。渡辺棋王は「カメラ映りはどうですかね?」と2組の駒を見比べ、源兵衛清安書のものを使うことが決まった。照明などの問題もなく、検分は数分で終了した。

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関係者は東京・羽田空港13:00発の飛行機で小松空港へ移動。対局者は一行とは別の移動手段で現地入りした。空路、長野県上空では見事な景色を見ることができた。

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渡辺明棋王に三浦弘行九段が挑戦する第39期棋王戦五番勝負は、渡辺棋王の先勝で第2局を迎える。渡辺棋王が連勝で防衛に王手をかけるか、三浦九段が勝ちスコアをタイにするか。第2局は2月22日(土)、石川県金沢市「北國新聞会館」で行われる。
本局の立会人は若松政和七段、記録係は藤田彰一三段(22歳、森安正幸七段門下)。現地大盤解説は山崎隆之八段、聞き手は井道千尋女流初段。ニコニコ生放送では高橋道雄九段と貞升南女流初段が解説を行う。インターネット中継は棋譜・コメント入力を烏記者が、ブログを文が担当する。

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