感想戦(1)
終局直後の様子
【羽生名人インタビュー】
――激闘でしたが、振り返っていかがでしたか。
「仕掛けていって難しい展開だとは思ったのですが、受けに回る展開になって苦しくなったと思いました。あとは少しずつ苦しかった印象です」
――勝ちを意識されたのはどのあたりでしたか。
「(179手目)2二に桂成ってもしかしたら、と思いました」
――7期振りの挑戦となります。
「そうですね。7年前のことはほとんど記憶がないので、新たな気持ちで臨めたらと思います」
【深浦九段インタビュー】
――残念な結果になりましたが、今日の将棋はいかがでしたか。
「うーん……そうですね。穴熊の玉を立て直して難しくなったかと思ったのですが、駒損なのでなかなか良さを感じる局面がなかったです」
(八雲)
挑戦者は羽生名人
185手の大熱戦を制したのは羽生名人。第40期棋王戦の挑戦者は羽生名人に決まった。終局は20時35分、消費時間は両者3時間59分。
(吟)
先手勝勢
入玉を目指した後手玉ですが、図の▲3七金が詰めろで捕まっているようです。控室は先手勝勢と結論を下しました。
(八雲)
170手超えの大熱戦
粘る深浦
図は19時45分頃の局面。残り時間は▲羽生4分、△深浦19分。
駒割りは先手の金得。しかし、後手も決め手を与えず粘っており形勢は難解。150手を超えるのはもう間違いなく、決着はまだ見えていません。
(八雲)
終わらない勝負
後手が△4三歩と受けた一瞬の隙を突いて、先手は▲7五桂△8二飛▲7一銀とロケットの根元を排除。さらに7一の銀を取らせている間に、香を拾ってロケットは影も形もなくなりそうです。
「これはもうやりなおしですね」
「終わらないよこれは」
「今日中に終わるかも怪しい」
と控室では驚きの声があがっています。最後の「今日中に……」は冗談ですが、寄りが戻って相当に終わらない勝負になっているのは間違いないようです。
(八雲)
四段ロケットが見られるか
図は18時50分頃の局面。後手は8筋に香を2本並べて、飛車を合わせて三段ロケットを設置しました。さらに4四の香を入手すれば、もう一段ロケットを並べることも可能です。
形勢は相変わらず後手持ちと言われていますが、先手も▲8八歩から場合によっては▲1九桂と受けに足すことができるため潰れてはおらず、決定的な差はついていない模様です。
(八雲)
後手ペース
図は18時30分頃の局面。残り時間は羽生名人が30分を切っており、深浦九段は50分を切ったところです。
局面は先手の攻めが一瞬止まった隙を突いて、後手が猛然と反撃。控室の形勢判断は優劣不明を通り越して「後手ペース」に変わりました。深浦九段らしい、粘り強い指し回しからの反撃が実りつつあります。
(八雲)