感想戦
大盤解説会場へ
終局直後
【渡辺明棋王インタビュー】
―― 難しい将棋だったと思いますが、振り返られていかがでしたか
「激しい将棋だったので、いろいろずっと怖い変化があって大変な将棋だったと思います」
―― 優勢を意識されたのはどのあたりの局面でしょうか
「飛車を取ったところ(51手)はちょっといいかと思ったんですが……、何か思い違いだったようで、あんまり局面が良くないので……ちょっとわからないですね。飛車を取った後、もっとうまいまとめ方があったかどうか」
―― 最後の▲7九金が非常にいい手ではないかと評判でしたが
「金引きは、あの局面になれば狙っていました。まあ、わからないですけど、それで勝ちのような気がしました」
―― 今シリーズを振り返っていただくといかがでしたか
「1局目が大熱戦だったので、それを拾えたのが大きかったかなと」
―― その後は自分の将棋が指せた感じでしょうか
「今日の将棋はまだちょっとわかりませんが――、結果は出せたので満足しています」
【三浦弘行九段インタビュー】
―― 大変残念な結果になりましたが
「そうですね……ちょっと力不足だったなと思います」
―― 今日の将棋はいかがでしたか
「昼食休憩のあたりは、何かあればと思っていたのですが、あまり思わしくない変化も多く見えたので。調べてみないとちょっとわかりませんが、もしかすると苦しかったのかも――、第一感が甘かったのかもしれませんね」
(八雲)
渡辺棋王3連勝で棋王初防衛
渡辺明棋王に三浦弘行九段が挑戦する第39期棋王戦五番勝負第3局は18時4分、85手で渡辺棋王の勝ちとなりました。消費時間は▲渡辺3時間21分、△三浦3時間59分。この結果、渡辺棋王は3連勝で棋王初防衛を果たしました。
消費時間は▲渡辺3時間21分、△三浦3時間59分。
絶妙手で先手勝勢に
「図の▲7九金が絶妙の決め手。これが渡辺さんの読み筋だったんですね。強い」と青野九段。以下△7九馬と取るよりありませんが、その瞬間後手玉は▲8三歩△9二玉▲8一竜△同玉▲8二銀以下の詰みがあります。
渡辺棋王の初防衛が近づいています。
(八雲)
決めにいく
先手リード
16時20分過ぎ、図の局面で渡辺棋王は43分の長考で▲1六角と打ちました。
控室では当初▲4四桂△同歩▲1六角と、より激しい順が検討されていましたが、△3四歩▲同飛△6四歩(参考1図)のアクロバティックな受けが発見され、先手大変とされました。
参考1図以下▲4四飛の空き王手には△6三玉で耐えています。そこで次に検討されていたのが渡辺棋王の指した▲1六角。次に▲4四桂と打つ狙いで、今度は△3四歩▲同飛△6四歩にも▲同飛と取って▲4四桂の狙いが残ります。検討陣は難解ながら先手良しと見ています。後のない三浦九段に起死回生の策はあるのでしょうか。