2023年12月

2023年12月26日 (火)

藤井聡太棋王と伊藤匠七段の五番勝負日程は以下の通りです。

第1局 2月4日(日)富山県魚津市「新川文化ホール」
第2局 2月24日(土)石川県金沢市「北國新聞会館」
第3局 3月3日(日)新潟県新潟市「新潟グランドホテル」
第4局 3月17日(日)栃木県日光市「日光きぬ川スパホテル三日月」
第5局 3月26日(火)東京都渋谷区「東郷神社」

(琵琶)

感想戦終了後に記者会見が行われました。

Dsc_8805(会見に臨む伊藤七段)

Dsc_8766(多くの報道陣が伊藤七段のコメントをレコーダーに記録する)

Dsc_8878(満面の笑みを浮かべる伊藤七段)

Dsc_8940(遠くを見つめる伊藤七段。いざ五番勝負へ)

【挑戦権を獲得した伊藤七段への代表質問】

――棋王初挑戦を決めた今のお気持ちは。

伊藤 今期の棋王戦は1敗した時点で挑戦が厳しい状況でした。挑戦できてうれしく思います。

――兄弟子の本田奎六段が初参加で挑戦者になりました。同門ですが、そのあたりはいかがですか。

伊藤 本田さんが初参加で挑戦されたときは非常に刺激になりましたし、やはり自分も今回そういった棋戦で挑戦できてうれしく思います。

――10月、11月と竜王戦七番勝負で戦った藤井棋王との対戦について。

伊藤 前回の竜王戦でも非常に力の差を感じましたし、やはり今回も非常に厳しい戦いになるかなと思っています。

――五番勝負に向けた抱負について。

伊藤 やはり今のままだと竜王戦のようなことになってしまうのかなと思うので、開幕までにしっかりと実力をつけて臨みたいと思います。

――今年は竜王戦、棋王戦の挑戦者になりました。1年を振り返っていかがでしたか。

伊藤 やはり今年の初めはタイトル戦に出るというのはなかなか縁がなく、そういった位置だったので、非常に充実した1年になったのかなと思います。

――五番勝負は第1局の富山を皮切りに、金沢、新潟、栃木と全国を巡ります。ファンに向けて豊富や意気込みをお願いします。

伊藤 棋王戦は北陸のほうで開催されるイメージがあって。自分自身もあまり行ったことがない場所で対局できるので非常に楽しみにしています。

――食事などはいかがですか。北陸はブリがおいしいですよ。

伊藤 そうですか。それは楽しみにしております(笑)。

(琵琶)

Dsc_8705(感想戦で笑みを浮かべる伊藤七段)

Dsc_8718(本局はチャンスらしいチャンスがなかった広瀬九段)

Dsc_8733(伊藤七段は2度目のタイトル挑戦となった)

Dsc_8721(感想戦で苦笑いを浮かべる広瀬九段)

Dsc_8750(感想戦の様子)

(琵琶)

Dsc_8592(藤井棋王への挑戦権を獲得した伊藤匠七段)

【伊藤七段の談話】

――中盤あたりは難しい将棋だったと思います。序盤、中盤あたりまでの形勢はどのように思われていましたか。

伊藤 相掛かりから手将棋模様で、構想力が問われる将棋かなと思っていました。

――▲5五銀(71手目)と踏み込んでいきましたが、どのあたりで優勢になったと感じましたか。

伊藤 △2三銀打(80手目)と打たせる形になって少し指しやすいのかなと思っていました。

――全体を振り返って。

伊藤 やはり中盤の構想の採り方が難しい将棋だったかなと思います。

――今期の棋王戦について振り返ってください。敗者復活戦に回ってからの挑戦権獲得になりました。

伊藤 苦しい将棋もかなり多かったので、挑戦という結果になって運がよかったのかなと思います。

――棋王初挑戦について、今のお気持ちは?

伊藤 1敗して挑戦は厳しいと思っていました。挑戦できてよかったと思います。

――竜王戦で戦ったばかりですが、藤井棋王との戦いについていかがでしょうか。

伊藤 1度、タイトル戦を経験して、またタイトル戦に出たいという思いがより強くなりました。今回、挑戦できてうれしく思います。

Dsc_8677(敗れた広瀬九段。第44期以来の挑戦はならなかった)

【広瀬九段の談話】

――本局を振り返って。ポイントはどのあたりでしたか。

広瀬 手将棋ですので、後手のほうが苦労が多い展開ではあったのですが……。比較的いい勝負なんじゃないかなと思っていたのですが、どうしても陣形が見慣れないところがあるので。どこかで方針を誤ったと思うのですが、それがどこだったか正直わかっていないです。

――今期の棋王戦を振り返って。

広瀬 途中で大逆転の将棋もあって。本来はあまりここまで勝ち上がる実力では今はないと思っていました。挑戦しそうなだけで上出来といいますか。挑戦者決定戦第1局を勝ちきれなかったことがすべてでしたね。

Dsc_8682(終局直後のインタビューが終わり、感想戦が始まる)

(琵琶)

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105手まで、伊藤七段が広瀬九段を下しました。終局時刻は19時10分。消費時間は▲伊藤3時間40分、△広瀬3時間51分。挑戦者決定二番勝負は伊藤七段が制して、藤井聡太棋王への挑戦権を得ました。五番勝負は2月4日(日)富山県魚津市「新川文化ホール」で開幕します。

(八雲)

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▲5六飛に対して△5五歩▲同飛△同金▲同角△4九飛▲8八玉△5三歩に▲6四角(図)と進みました。飛車取りと次の▲5四銀が厳しく、先手がリードを広げています。控室で検討する勝又七段は「先手勝勢」と話しています。後手には何らかの誤算があったのかもしれません。

(琵琶)

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▲6六角に対して広瀬九段は△4二玉(1図)と上がりました。以下▲2四歩△同歩△同飛△2三銀打▲2六飛△2四歩に▲5六飛(2図)と飛車を中央に転回したのです。銀を2筋に打たせて薄い中央に方向転換しました。以下、実戦は△5五歩に伊藤七段は▲同飛と強く応じ、△5五同金▲同角と進んでいます。先手の大駒が躍動しました。伊藤七段が好調です。

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(琵琶)

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▲5六銀に対して広瀬九段は△7五歩(1図)と反撃に転じました。相手の角頭を攻めていきます。▲7五同歩には△7六歩と打って▲8八角と引かせることで先手玉を狭くします。対して伊藤七段は▲4四歩と打ち、以下△3四銀▲5五銀△6五桂に▲5四銀と攻め合いに出ました。△7七桂成には▲6三銀成と金を取って後手玉に迫ることのようです。実戦は▲5四銀に△同金▲6六角(2図)と進んでいます。先手は次に▲4三銀の打ち込みや、▲6三銀△5三金に▲5六飛といった攻め筋が目につきます。控室では先手ペースと見られています。広瀬九段としては先手の攻めをどう跳ね返していくのか、踏ん張りどころです。

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Dsc_8196_2(守勢に陥って踏ん張りどころを迎えた広瀬九段)

(琵琶)

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時刻はまもなく18時を迎えます。局面は図まで進みました。先手の伊藤七段は▲5六銀と上がって、着々と攻撃態勢を築いています。これから激しい戦いになりそうです。

Dsc_8240(駒を並べる伊藤七段)

(琵琶)

20231226g勝又清和七段が控室を訪れました。継ぎ盤の前に座って、図から▲4五歩△同歩▲4四歩△3四銀に▲2四歩の順を検討しました。以下△2四同歩は▲同飛で、△2三銀には▲同飛成△同金▲4三歩成で先手の攻めが続くそうです。しかし、▲2四歩には先に△5四銀と角取りに引く手があってうまくいきません。先手は△3四銀に▲5六銀とぶつけて、△5四銀に▲7七角とします。次に▲5五銀と銀交換を目指す攻め筋があるようです。「後手を引くので気がつきにくい攻めですね」と勝又七段は感心していました。

Dsc_8563_2(筆者が継ぎ盤で検討する勝又七段の相手役をさせていただきました。こんな視点になっています)

(琵琶)