2018年3月20日 (火)
終局直後
【永瀬七段の談話】
――終盤、大変な攻防になりましたが、どう感じていましたか。
「最初は少しやれているかなと思ったのですが、最終盤はかなり悪くなってしまった気がしました。どこかに大きな問題があった気がします」
――敗戦を覚悟したような局面もあったのでしょうか。
「形勢的にはかなり厳しいと思ったのですが、持ち時間があまりなかったので、そこまで考える余裕がなかったです」
――再び優勢になったと感じたのはどのあたりでしょうか。
「最終手の▲2九香に応対がなければ、勝ちになっているのではないかと思いました。
――これで2勝2敗となって、最終局を残すのみとなりました。次の対局に向けていかがですか。
「もう1局指せるということで、一生懸命頑張りたいと思います」
【渡辺棋王の談話】
――終盤は逆転したのではないか、という控室の評判でしたが、ご自身ではどう感じていましたか。
「そうですね、何か逆転したんじゃないかなと。ちょっとビックリしたんですけど」
――その将棋が再逆転したのは、どのあたりでしたか。
「角を7四に出られる筋(151手目)に気づいてなくて。その前に△7六歩(140手目)~△7七銀と寄せにいったのが、ちょっとまずかったかもしれないです」
――中盤は厳しかったように見えましたが、ご自身ではいかがですか。
「いや、もう全然ダメで。途中はひどすぎたと思います」
――最終局に向けていかがですか。
「今日はちょっと終盤に悔いが残る指し方をしてしまったので……。次は悔いの残らない将棋を指したいと思います」
(八雲)
永瀬七段が勝ってフルセットに
棋王戦五番勝負第4局は永瀬七段が勝ちました。終局時刻は19時31分。消費時間は▲永瀬3時間58分、△渡辺3時間59分。二転三転の大熱戦を制したのは永瀬七段。シリーズ成績をタイに戻し、五番勝負は2期連続のフルセットにもつれ込みました。第5局は3月30日(金)、東京・将棋会館で行われます。
(文)
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決めに出る
永瀬七段は△8六歩のたたきに、31分考えて▲6五飛と寄りました。控室では▲8六同銀でも先手十分と見ていましたが、より早い勝ちを目指して決めに出たようです。