2013年2月 3日 (日)

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―― 郷田さん、中盤から非常に難しい戦いだったと思うのですが。

郷田 変化が多い将棋でよく分からないまま指していました。

―― ▲6七金右(69手目)と上がった辺りの形勢判断は?

郷田 他の手が浮かばなかったのでしょうがないかなと思っていました。

―― 優勢を意識されたのは?

郷田 ▲4五桂(107手目)ですね。最後まで分からないですが、駒を持てば詰む形になったので。

―― 好発進となりましたが第2局以降の抱負を。

郷田 1局1局指すだけです。

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―― 今日は中盤から苦しかったのですか。

渡辺 そうですね。中盤で長考(△9四飛・1時間22分の考慮)になったところで思わしい手がないので、まずいような気がしました。

―― ▲6七金右(69手目)は意表の手でしたか?

渡辺 ▲8三桂を先に打つかという話ですが、どちらもあるかなと思っていました。ただ本譜は▲9七歩(79手目)まで進んでみて、あまり思わしくなかったです。

―― 棋王戦は始まったばかりです。第2局目以降のお気持ちを。

渡辺 巻き返せるように頑張りたいと思います。

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(吟)

Kiou201302030101_125 郷田真隆棋王に渡辺明竜王が挑戦する第38期棋王戦五番勝負第1局は18時45分、125手で郷田棋王の勝ちとなりました。消費時間は郷田3時間44分、渡辺3時間59分。
第2局は2月23日(土)に石川県金沢市「北國新聞会館」で行われます。
(銀杏)

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▲8六銀を見て森下九段は「かなり先手が厚くなりましたね」と話す。森下九段のニュアンスから郷田棋王が勝勢に近い優勢のようだ。▲8六銀は端を緩和している。端から強襲されなければ怖いところはなくなる。

(吟)

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歩切れの先手が9筋で貴重な1歩を補充した。歩が手に入れば▲2四歩が厳しい。
「▲9六歩はいい味ですねぇ。こちら(後手側に座っている)を持って自信ないです。▲9六歩の局面は先手が厚く見えます」と森下九段。

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△8五桂の局面で大盤解説会場の木村八段は「俺は郷田だと言って▲6六金△同歩▲4五桂と打つと、以下△9七角成ですねぇ。△9七飛成は▲同桂とは取ってくれませんよ。△同角成で先手玉が詰んでしまいますから。△9七角成に▲同桂△同飛成▲7九玉△7七桂成▲同金△6七桂▲同銀△同歩成▲同金(変化図)で難解です。▲6七同金に△8七竜は▲3三桂成から金を輸入して▲7八金と埋めて複雑。△8五桂の局面はなんとなくですが先手が余してそうな気がするのですが」と解説。

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(時刻は18時近くなり、外はすっかり暗くなった)

(吟)