感想戦(2)
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感想戦(1)
(左は観戦記担当の鈴木宏彦氏)
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大盤解説会場へ
郷田棋王 「▲5二角(65手目)に期待していたのですが、△9四桂と打たれてしまって。▲9八銀と打つのでは苦しいと思いました。駒の働きが悪すぎるので……。今日はあまりいいところがなかったので、第4局は巻き返せるように指したいと思います」。
渡辺竜王「▲5二角(65手目)に銀を逃げていると▲6三角成から▲7四馬で勝てない将棋になってしまいます。なので△9四桂と打って勝負しました。△4三銀(70手目)のところですぐに攻めていくと、攻めが切れてしまうかなと。△2四歩(78手目)の局面は、具体的な手段は難しかったですが、少し良くなったかと思いました。今日の将棋は、わからないところもありましたが、まずまず指せたかなと思います。第4局は2週間後ですが、引き続き棋王戦に注目してください」。
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終局直後
渡辺竜王「△8七飛成と竜を作って攻めが切れなくなったので、勝ちになったかと思いました」
郷田棋王「銀得でも自信がありませんでした。(9八銀の)形が悪いので……」
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渡辺竜王勝利
郷田真隆棋王に渡辺明竜王が挑戦する第38期棋王戦五番勝負第3局は、17時56分、110手で渡辺竜王の勝ちとなりました。消費時間は郷田3時間57分、渡辺3時間6分。この結果、渡辺竜王が2勝1敗となり、棋王奪取に王手をかけました。郷田棋王はカド番です。第4局は3月24日(日)に宇都宮市「宇都宮グランドホテル」で行われます。
後手勝勢
「△6五歩と突かれて、どう応じても粘れそうにないです」(青野九段)
郷田棋王は時間も切迫しており、かなり苦しい状況のようです。
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つらい手
△8七飛成と成り込んだ局面は、「はっきり後手よしでしょう。▲7八金と受けるくらいですが、△8八角と打ち込まれて支えきれません。以下▲同金は△6七竜、▲6九玉は△6六角成、▲6八玉は△8二竜で収拾がつきません」(青野九段)
実戦は△7七金打(下図)と桂の利きに打って辛抱しましたが、これでは先手がつらいという評判です。
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間違いなく言えるのは
「やはり▲2七桂の構想がよくなかったようです。間違いなく言えるのは、現局面が後手優勢であるということです。△7九金から飛車を成り込む手、△5六歩と取り込む手、他には△8八歩▲同玉△7九角という筋もあります」(青野九段)
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先手優勢の評判だったが……
先手銀得で優勢の評判だったが、ここから▲3五歩△同歩▲2七桂△3六歩▲同飛△3四歩▲3八飛と進んで下図。
この手順は、上の図で▲2七桂と打った勘定になる。次の▲3五歩は手抜かれてしまうため甘く、桂がややぼけている印象。青野九段は「△8七歩成▲同銀△8六歩▲9八銀△8七角からどんどん行ってどうですか。この瞬間は後手玉は非常に味がよく、むしろ先手相当に勝ちにくいですよ」
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