挑戦者決定は第2局に
クライマックス
後手、攻め合いに
図は146手目の局面。準決勝の手数はすでに超えており、年末を飾るにふさわしい大熱戦となりました。
△9五桂から△8七桂成と後手が攻め合いに出ています。相入玉の将棋にするつもりはないのでしょう。後手が決めにいっているようにも見えますが、検討陣は△8七桂成を疑問視していて、まだまだ難しいとの見解。先手は寄せに向かう筋のほかに入玉を目指す筋もあり、先が見えないとのことです。形勢判断は後手有望に振れた局面もありましたが、現在は優劣不明となっています。
(若葉)
出口の見えない終盤戦
駒がぶつかり、局面がほぐれてきました。盤面は終盤戦に差しかかろうとしています。
継ぎ盤の焦点は後手玉が寄るかどうか。入玉がちらつくなか、佐藤(天)八段は駒を捨てて寄せに出ています。結論はまだ出ていませんが、後手玉を寄せる手段はまだ見つかっていません。
(若葉)
激戦
時刻は間もなく20時を迎えます。
先手が▲5三歩、▲6四歩と2枚の垂れ歩を設置している間に、後手は△1四玉から△2三玉と別の垂れ歩を取り除きました。控室では、▲5三歩を入れずに▲6四歩と垂らす変化が検討されていました。その変化と比べると▲5三歩と△2三玉の交換が入っている計算になります。本譜は△2三玉の形がしっかりしており、先手持ちの局面から難局になったのではないかといわれています。△2三玉で3四の金にヒモがついたことが大きく、含みとしてあった▲6一角の飛金両取りの筋が消えています。残り時間が少なくなっている中で、局面は優劣不明の激戦となりました。
<消費時間>
▲佐藤(天) 3時間53分
△佐藤(康) 3時間58分
(若葉)
先手桂得
残り時間が少なくなり、指し手のペースが上がってきました。△3三角の局面で佐藤(天)八段の持ち時間は残り18分。対する佐藤(康)九段は残り2分です。
先手は桂を取りきり、駒得の成果を挙げました。控室では金銀をぶつける展開になれば、自然に先手が有利になるだろうと見られています。▲5五歩△同銀右▲6四歩△1四歩▲6三歩成△同銀▲5六金△5四銀▲5五金△同銀▲2二銀のような変化が一例です。
(若葉)
後手の猛攻、先手のしのぎ
図は19時過ぎの局面。
後手が猛然と先手陣に襲いかかっています。対する先手は駒を渡さない方針。後手の攻めを余しにいっています。
図の▲1六飛が工夫の一手。控室では島朗九段が挙げていた好手です。▲2六飛が自然ですが、違いは飛車を追われにくいこと。仮に△1四歩なら▲8五歩△1五歩▲2六飛△3四金▲7七角が考えられる変化で、飛車を追われている間に目障りな桂を取り払うことができます。▲7七角の局面からは「長期戦ですね」と鈴木八段。まだまだ先の長い将棋になりそうですが、桂得の先手に分のある将棋のようです。
<消費時間>
▲佐藤(天) 3時間38分
△佐藤(康) 3時間54分
(控室に姿を見せた島九段。検討に加わる)
(若葉)
後手も前に
「戦いましたね」(鈴木八段)
「棋風ですかね」(永瀬六段)
控室の検討では後手がしのぐ展開になっていましたが、佐藤(康)九段は反撃に打って出ました。△6五歩から△8五桂(図)と駒を前に進めます。△8五桂の一手で飛角の利きが通り、攻め駒が先手陣に直射する形となりました。
しかし、そこは先手も待ち受けるところ。駒が手に入れば▲2三歩と▲3四歩の拠点が生きます。後手に攻めさせ、その反動を利用して後手玉を仕留める方針ではないかと控室では見られています。
(若葉)