2025年3月
昼食休憩
新潟対局の歴史を読む
新潟日報社は棋王戦が第50期を迎えた節目に『棋王戦50期記念 にいがた将棋物語』を出版しました。新潟は第4期に初めて五番勝負の舞台になり、今期は44回目の開催です。本書では新潟で行われてきた棋王戦の歴史を紹介しているほか、永世棋王の資格を持つ渡辺明九段の特別インタビュー、舞台裏や将棋界にまつわるコラムを掲載。昨日3月1日はちょうど発売日を迎え、打ち合わせの席では両対局者も興味深そうに目を通していました。
【「棋王戦50期記念 にいがた将棋物語」新潟日報ブックレット⑥ | 新潟日報オンラインショップ】
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午前のおやつ
挑戦者の研究手
観戦記情報
対局開始
見どころ紹介
両対局者の退場後、棋士と女流棋士が明日の見どころについて語りました。伊藤明日香女流初段は大盤解説会のパソコン操作役です。
森内九段は「増田八段は、最初に習った先生が自分と同じでして、兄弟弟子のようなところもあります。子供の頃から才能がありました。明日は増田八段の戦いぶりに注目しています」、飯島八段は「増田八段とは、森下先生のご紹介で研究会をしていたことがあります。彼が奨励会の級位者の頃でした。一流棋士になられて、タイトル挑戦は当然の摂理です。明日は頑張ってほしい。名局を期待しています」、森下九段は「棋王戦を盛り上げてもらうためにも増田には頑張ってもらいたい。藤井さんは(25日に叡王戦本戦で敗れて)八冠復帰の道が一時的に閉ざされてしまいましたが、その思いも明日はぶつけてくるのではないかと思います」と、厳しい状況の挑戦者への激励が目立ちました。
開催地の新潟に関しても、森内九段と森下九段は棋王戦の対局者として訪れたことがあり、飯島八段は親族が新潟出身と縁があります。伊藤明女流初段は「新潟には仕事で何度も来ています。食事と日本酒がおいしくて大好きな場所です」、武富女流初段は「私は初めての新潟です。ずっと訪れたい場所でした」と話していました。
お楽しみ抽選会ではさまざまな景品が用意され、地元新潟出身の駒師、大竹竹風師の手による盛上駒が登場すると会場が沸きました。最後は新潟日報社の石山真・常務取締役CMOが「棋王戦の50期のうち新潟対局は44回を数える。明日は熱戦を期待したい」とあいさつして中締めとなり、前夜祭は盛況のうちに閉幕しました。
(大竹竹風師が手掛ける駒はタイトル戦だけでなく、普段の公式戦でも使われている)
(中締め……新潟日報社 石山真 常務取締役CMO)
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対局者決意表明
両対局者は直筆色紙の抽選を行い、花束を受け取って記念撮影。決意表明では藤井棋王が「過去2年は信越本線の『しらゆき』で来ていたのですが、今年は新幹線で来ました。信越本線とは対照的に、新幹線は険しい山中を抜けていく感じがあって、あらためていろいろな景色があるのだなと感じました。明日は皆さまの期待に応えられるような熱戦にできるよう、全力を尽くしたいと思います」、増田八段が「先ほど師匠の話にもあった通り、私は2連敗と苦戦中でして昨日は憂鬱な気分だったのですが、今日は新潟の方々に温かく迎えていただき、この前夜祭でもたくさんのファンの方々に声援をいただきまして、いまはやる気に満ちています。今回の棋王戦はファンの方々の声援がすごく力になっています。明日は後手番で厳しい状況ではありますが、しっかりと作戦を用意して、いい将棋、熱戦をお届けしたいと思います」と語りました。正念場となる対局の前ですが、晴れ晴れとした表情が印象的でした。
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前夜祭開幕
18時30分から前夜祭が始まりました。新潟日報社の佐藤明・代表取締役社長は「能登半島地震から復興を目指すなかの棋王戦開催に元気をいただけた」とあいさつ。日本将棋連盟の常務理事であり、増田八段の師匠でもある森下卓九段は「苦戦中の弟子に頑張ってほしい、というのが正直なところ。熱戦、名局を期待している」と弟子の奮起を期待。日本将棋連盟新潟県支部連合会の奥州光治会長は「最高峰の将棋をじかに見られるのは、地方の人間には貴重な経験になる」と話して乾杯の音頭を取り、歓談に移りました。
(主催者あいさつ……新潟日報社 佐藤明 代表取締役社長)
(主催者あいさつ……日本将棋連盟常務理事 森下卓九段)
(乾杯……日本将棋連盟新潟県支部連合会 奥州光治 会長)
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