2024年2月

2024年2月23日 (金)

Dsc_1125(船江六段・久保九段・室田女流二段による展望)

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久保九段「伊藤さんは数日前に先手番で角換わりを指されていたので、明日も角換わりになるのかなと思います。持将棋にはならないでしょう。(番勝負としては)熱戦が続いていくのではないかと思います」

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船江六段「伊藤さんは先手番で角換わりと相掛かりを指されます。対藤井戦の先手番では、すべて相掛かりを指しているので、私は相掛かりを予想します」

Dsc_1149(最後は扇子や直筆色紙が当たる抽選会が行われ、閉会となった)

(紋蛇、書き起こし=牛蒡)

Dsc_1046(乾杯のあいさつ 三土正司・共同通信社社長

「皆さまのご協力で第2局を開催することができました。大変感謝しております。先般、藤沢里菜女流本因坊の就位式で、岩手日報の社長が『震災が起きて、最初はどうやって暮らそうかと精いっぱいだった。しかし少したつと、囲碁や将棋といったものが心の支えになった』と、心にしみるあいさつをされていました。明日の対局が皆さまの心の糧になればと思っています」

Dsc_1056(藤井棋王)

Dsc_1064(伊藤七段と船江六段

Dsc_1067(羽生九段)

Dsc_1070(久保九段)

Dsc_1075(室田女流二段)

(紋蛇、書き起こし=牛蒡)

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(主催者あいさつ 砂塚隆広・北國新聞社代表取締役社長)

「石川能登で1月1日に震度7の大きな地震があり、甚大な被害が出ました。棋王戦では毎年、珠洲市の塩井一仁さんに盤と駒を提供していただいているのですが、その塩井さんも被災され、ご自宅が倒壊して奥様が亡くなられました。私も打ちひしがれるような思いでした。今回の棋王戦で使われる盤駒は、塩井さんが倒壊したご自宅で発見された物です。明日の熱い戦いは、被災地の皆さまに元気を送ることになると思います」

Dsc_1018(主催者あいさつ 羽生善治・日本将棋連盟会長)

「能登半島地震で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。また現在も復興に尽力されている方々には心より敬意を表します。第1局は持将棋という、異例のスタートになりました。このシリーズに懸ける二人の気迫、情熱、研究をひしひしと感じました。先ほど砂塚社長からお話しがありましたように、今回は特別な盤駒を提供していただきました。本当にありがたいと思っております。今年一年の将棋界を占うような大熱戦が展開されるのではないかと思います」

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(歓迎のあいさつ 新保博之・金沢市副市長)

「棋王戦第2局が金沢で行われることを喜ばしく思っています。金沢も地震の被災地ですが、人的被害はありませんでした。能登の復興と日常を取り戻せるように我々も支援していきたいと思っています。今回の棋王戦は全国的に注目度が高く、子どもたちも期待しています。明後日は『北陸ジュニア棋王戦』という大会もございます。将来棋士を目指す子どもたちには貴重な機会になると思います。明日はぜひ熱い戦いを繰り広げていただいて、将棋史に残る対局にしていただければと思います」

Dsc_1031(能登半島地震の被災者に向けて、羽生・日本将棋連盟会長から棋士会が集めた義援金が北國新聞社に寄付された)

Dsc_1041(特別協賛コナミグループ<東尾公彦・社長=右>からは、1000万円が寄付された)


(紋蛇、書き起こし=牛蒡)

前夜祭「金沢対局の集い」は、18時30分より「金沢ニューグランドホテル」で行われました。

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Dsc_1002(藤井棋王)

Dsc_1005(伊藤七段)

※『前夜祭(1)~(5)』の記事は、2月24日に追加したものです。

(紋蛇)

20240223_17(藤井棋王)

20240223_20(伊藤七段)

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(2組の駒を盤に並べて、感触を確かめる)

20240223_24(藤井棋王から伊藤七段に「どうですか」を声をかける。塩井さんから「清定書はまだタイトル戦で使われてない」と事前に説明されたこともあり、伊藤七段が「清定書」を提案して、藤井棋王も了承した)

(紋蛇)

対局検分は昨日の17時30分ごろに行われました。

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(塩井一仁・日本将棋連盟石川県支部連合会理事・関西駒の会の会員)

塩井さんは、2009年より棋王戦の金沢対局に盤駒を提供しています。1月1日の能登半島地震で被災し、自宅のあった珠洲市は甚大な被害を受けました。塩井さん自身も自宅が全壊し、妻・紀美子さんを亡くしています。火葬が終わるまでは何も考えられず、がれきの中から残ったと駒4組をどうにか取り出せても「今年は金沢対局の華やかな場に参加させていただくのはやめようか」と思ったそうです。しかし、塩井さんが将棋に熱中していたことを紀美子さんが応援してくれたことを思い出し、今年も盤駒を提供していただきました。

【藤井八冠防衛戦に被災の駒 毎年提供・珠洲の塩井さん 自宅全壊、がれき下に発見〈1.1大震災〉】
https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/1313198

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(故・平田雅峰<ひらたがほう>作の駒で錦旗書)

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(同じく故・平田雅峰作で、清定書)

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(左が錦旗書、右が清定書。見比べると、字体の違いがよくわかる)

※『対局検分(1)~(3)』の記事は、ネット回線の都合により、すべて2月24日に追記したものです。

(紋蛇)

前夜祭で行われた、対局者のインタビューです。

Q.相手の印象。

藤井「序中盤の研究が非常に深い。指しやすさを形勢のリードに結びつけるセンスのよさを感じます」

伊藤「八冠を持たれていて、とてつもなく将棋が強い。読みが深くて精度が非常に高いという印象です」

Q.金沢の印象と、地震で被災された方々にエールを。

藤井「金沢を訪れるのは、昨年の棋王戦と王将戦、家族旅行で一度来たことがあり、それも合わせると今回が4回目になります。伝統的な街並みが残っていて、海鮮に代表されるように食事もとてもおいしいと思っていますので、そちらも楽しみにしています。能登半島地震で被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。現在でも大変な状況の中で生活を余儀なくされている方も多くいらっしゃると思います。一日も早く復興して、また日常が戻ってくることを祈っています。被災地の方をはじめ、多くの方に楽しんでいただけるような将棋にできるように、自分自身全力を尽くしたいと思っています」

伊藤「地震で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復興を心よりお祈りいたします。多くの方のご協力があって、こうして第2局を開催していただけて心からうれしく思っています。金沢にはプライベートも含めて初めて訪れたのですが、歴史的な風情のある街という印象です。特に兼六園は非常に美しいところだなと、写真などを見て思っていまして、一度訪れてみたいと思っています」

Q.明日に向けて。

藤井「第1局は持将棋になって0勝0敗でこの対局を迎えるという、私にとっても初めての状況になりました。第2局なんですけど、気持ちとしては第1局に近いような、そういう不思議な感じもします。明日からまた新たな戦いが始まるという気持ちで、一局一局を頑張っていきたいと思っています」

伊藤「第1局は勝敗つかずということで、今回の対局が開幕局のような気持ちで臨みたいと思っています。明日は先手番になるわけですけど、自分は先手でも後手でも藤井棋王にまだ勝てていないという現状がありますので、タイトル奪取というよりも、まずは1勝を挙げられるように頑張りたいと思います」

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Dsc_1110(挑戦者が隣にいる状況で司会者から「棋王防衛に向けて」と質問を振られ、思わず笑っていた)

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Dsc_1117(「タイトル奪取に向けて」の質問に対し、伊藤七段は落ち着いた口調で「まずは1勝を挙げられるように頑張りたいと思います」と答えた)

※本日の更新は以上です。ネット環境の都合上、対局検分や前夜祭の詳細は明日に掲載します。ご了承ください。

(紋蛇、書き起こし=牛蒡)

藤井聡太棋王に伊藤匠七段が挑戦する、第49期棋王戦コナミグループ杯五番勝負。開幕局は持将棋の引き分けでした。第2局は2月24日(土)、石川県金沢市「北國新聞会館」で行われます。
第2局の先手番は伊藤七段です。持ち時間は各4時間。対局開始は9時、昼食休憩は12時から13時。立会人は久保利明九段、記録係は松下洸平初段(森安正幸七段門下)、現地大盤解説会の解説は船江恒平六段、聞き手は室田伊緒女流二段が務めます。
本局の中継は、棋譜コメントを牛蒡、ブログを紋蛇が担当します。よろしくお願いします。

【主催:北國新聞社】
https://www.hokkoku.co.jp/

【主催:共同通信社】
https://www.kyodo.co.jp/

【特別協賛:コナミグループ】
https://www.konami.com/ja/

【協賛:Calorie Mate】
https://www.otsuka.co.jp/cmt/

Dsc_0800(金沢駅の象徴、鼓門<つづみもん>)

Dsc_0805(北陸新幹線は、金沢-敦賀間が3月16日に開業する)

(紋蛇)