2021年12月

2021年12月21日 (火)

渡辺明棋王と永瀬拓矢王座の五番勝負日程は以下の通りです。

第1局 2月6日(日)静岡県焼津市「焼津グランドホテル」
第2局 2月19日(土)石川県金沢市「北國新聞会館」
第3局 3月6日(日)新潟県新潟市「新潟グランドホテル」
第4局 3月20日(日)栃木県日光市「日光東照宮」
第5局 3月30日(水)東京都渋谷区「東郷神社」

以上で本局の中継を終了いたします。ご観戦ありがとうございました。

(玉響)

感想戦終了後、囲み取材が行われました。

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――改めまして、棋王戦2度目の挑戦が決まりました。いまのお気持ちは。
永瀬 挑戦権を獲得することができて、とてもよい結果になってよかったと思います。

――渡辺棋王の印象は。
永瀬 とても練られていて、番勝負で盤を挟むたびに勉強になるという印象です。

――前回の五番勝負から4年ほどたちました。それについては。
永瀬 前回のスコアは2-3ではあったんですが、かなり実力差がある内容と思いましたので、今回は少しでもその差を縮められるようにしたいなと思います。

――五番勝負では各地を転戦します。現地で大盤解説もありますが、将棋ファンに向けて一言お願いできますか。
永瀬 自分がタイトル戦に出て、大盤解説があるというのは久しぶりですので、皆様にお越しいただいて、よい将棋が指せればと思いますので、注目していただければ幸いです。

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A7304854(終局直後の様子)

A7304869_2【永瀬王座の談話】

――一局を振り返って。
永瀬 先手は(玉の)堅さが主張で、こちらは薄い形なので、かなり神経を使う将棋なのかなと思っていました。

――3筋の歩を交換されたあと△3四歩(58手目)と打たれた辺りは。
永瀬 先手の囲いが堅すぎるので、かなり気を使うところが多いのかなと思っていました。

――△5七銀(68手目)の辺りは。
永瀬 △7五歩と△5七銀でかなり迷ったんですけど、△5七銀が第一感だったので、そちらを指しました。

――勝ちになったと思われたところは。
永瀬 ▲4四歩(103手目)△同金としたあと、こちらの△7八金が厳しければ勝ちになっているんじゃないかと思いました。

――今期の棋王戦をここまで振り返って。
永瀬 一局、一局、とても大変だったんですけど、その中で自分なりの課題を克服でれきばと思いながら指していました。

――第43期以来の棋王戦挑戦となります。いまのお気持ちは。
永瀬 挑戦者になることができてよかったと思います。そのとき(第43期の渡辺明棋王との五番勝負)はかなり実力差があるというふうに感じましたので、少しでも差を縮められるよう頑張っていきたいと思います。

A7304880【郷田九段の談話】

――一局を振り返って。
郷田 序盤はあまり経験のない形で、対応がうまくできなかったですね。

――今期の棋王戦を振り返って。
郷田 苦しい将棋ばっかりで。快勝譜もありましたが、最後がいちばん内容が悪くて。まあ仕方ないですね。

(玉響)

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永瀬王座が郷田九段に勝ち、棋王挑戦を決めました。終局時刻は18時57分。消費時間は▲郷田九段3時間49分、△永瀬王座3時間39分。主導権を掌握した永瀬王座が郷田九段の穴熊を一刀両断。4期ぶり2度目の挑戦になります。

(文)

20211221_67控室に日本将棋連盟会長の佐藤康光九段が訪れました。図では△7五歩が佐藤康九段の第一感でしたが、永瀬王座の指し手は△5七銀でした。次は△6六銀成と、△4六歩~△4七歩成の狙いがあります。

A7304850(継ぎ盤では永瀬王座側を持って検討中)

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(玉響)


15時30分頃、鳩森八幡神社を散策しました。

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A7304828(12月30日に斎行される年越の大祓ために、茅の輪が用意されていた)

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A7304832(ご神木の大銀杏は、今月17日夜に発生した強風の影響で、ほとんど葉が散ってしまった)

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(玉響)

20211221_53図は7七にいた銀を8八に引いた局面。△8五歩▲同歩に△同桂が銀取りにならないよう、早逃げした意味ですが、△8六飛が生じるので浮かびづらいところでもありました。図からは△8六飛▲8七歩△8一飛が予想される進行ですが、そこで先手の手が広そうです。郷田九段の組み立てに注目されます。

A7304807(郷田九段は金銀すべてを守りに運用した)

(玉響)

20211221_4613時10分、△8六歩と後手が先攻しました。現局面で▲8六同銀なら△6五歩が4四角の利きを生かした突き出しになります。▲7九銀~▲8八銀上と穴熊のハッチを閉められてからでは▲8六同銀と取り返されてしまうので、▲8六同歩を強要させたかったと推測されます。

(玉響)