2021年2月
北陸ジュニア棋王戦(3)
「皆さんが将棋を楽しく指すために多くの方々が頑張ってくださって、こうして大会が開催されることになりました。北國新聞社さま、石川県支部連合会さま、そしてここに連れてきてくれた、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、そういった方々に感謝の気持ちを持ってほしいなと思います。そして、いつか自分が大人になり、ふとしたときにそういう気持ちを思い出し、今度は自分が子どもたちにいいことしてあげようと思ってくれたらうれしいです。
将棋はいろんなことを少しずつ覚えて強くなります。コツコツと続けていくことが大事です。ほかの習い事や学校の勉強も同じですね。勉強も頑張ってください。お父さん、お母さんのいうことをよく聞いてください。そして、いちばん大事なことですが、元気に楽しく過ごしてください。いまはコロナがあって、友達と遊んだり思いっきり運動したり、いろいろなことができない状況ですけども、今日は将棋を楽しくいっぱい指せます。練習の成果を発揮して頑張ってください」
「こんなに参加者の多い大会を見させていただくのは久しぶりです。大会を準備・運営してくださる方々に、将棋棋士として感謝申し上げます。皆さまもこうして人とじかに盤を挟むのは久々ではないでしょうか。オンライン上での将棋とは違い、相手の真剣さや息遣いなど、実際に盤を挟むことで多くのことが伝わってきます。将棋はよく「対話」ともいわれるのですが、一手一手指していくことで相手の考えもわかってきます。そうしたことから相手を思いやる気持ちにもつながると思います。今日はぜひ一日楽しんで、精一杯将棋を指してください」
(書き起こし=牛蒡、写真=生姜)
(両対局者はしばらくの滞在時間に、子どもたちの将棋を見守った)
(生姜)
北陸ジュニア棋王戦(2)
「北陸ジュニア棋王戦は平成9年に始まり、今年で25回目を迎えました。毎年、棋王戦の関連行事として開催しています。小学生初心者、小学生、中学生、高校生の4部門があります。ぜひ頑張っていただきたいですし、将棋を通じて友好の輪を広げていただきたいと思います」
「今年も北陸3県(石川、富山、福井)の実力あるジュニア棋士が集まりました。北陸ナンバー1を目指し、熱戦が繰り広げられますことを楽しみにしています。日頃の研鑽の成果をいかんなく発揮されますとともに、将棋で身につけた大局感や発想力を、今後の人生に生かすことができる大人に成長していただきたいと思っております」
(教育長のメッセージを代読)
(書き起こし=牛蒡、写真=生姜)
(生姜)
北陸ジュニア棋王戦(1)
感想戦
終局直後
勝った渡辺明棋王の談話
ーー1筋からの攻めは用意の作戦でしたか。
渡辺 持ち駒が角銀歩歩の条件になれば逆襲できることは知っていて、予定でした。後手番なのでちょっと悪いくらいでもという感じで気楽にアヤをつけにいくイメージでやっていました。
ーー優勢を意識したのはどのあたりでしたか。
渡辺 △2八成香と寄ったあたりは怖いところもあったんですけど、△1八飛を打てて安心したところはありますかね。
ーーこれで1勝1敗のタイになりました。第3局に向けての抱負をお願いします。
渡辺 タイに戻すことができたので3月に残りの対局を一生懸命やれればと思います。
敗れた糸谷八段の談話
ーー端攻めについては。
糸谷 端を逆襲されるのをあまり考えてなくて、あれが成立してしまうと端を取った2手がマイナスになってしまっているので、ちょっとさえなかったですね。
ーー序盤から苦しい展開でしたか。
糸谷 ちょっとわからないですが、少なくとも先手番としては不満がある可能性も高いなと。
ーー中盤戦からは厳しい展開でしたか。
糸谷 ちょっと端をうまく処理し損ねたかもしれないですね。
ーー第3局に向けての抱負をお願いします。
糸谷 ちょうどタイですので切り替えて一戦一戦頑張っていこうと思います。
(生姜)
渡辺棋王が勝利
棋王戦第2局は渡辺棋王が勝ち、1勝1敗のタイに戻しました。終局時刻は17時6分。消費時間は、▲糸谷3時間26分、△渡辺3時間2分(持ち時間は各4時間)。第3局は3月7日(日)に新潟県新潟市「新潟グランドホテル」で行われます。
(牛蒡)