西尾明五段「佐藤九段の圧勝だと思います。優勢ながらも嫌味の残る局面で、△8四角、△6一飛や△5一銀など強い受けで、全く崩れませんでした。」
藤倉勇樹四段「序盤から久保棋王の意欲的な指し回しが目立ちました。中盤の▲7七桂のあたりは先手も十分かと思ってましたが、実際は難解だったかもしれませんね。▲6三成桂と△8四角の攻防がとても見ごたえありました。さすがトッププロという手順でしたね。△6一飛から△5一銀もすごい順でしたね。」
(烏)
西尾明五段「佐藤九段の圧勝だと思います。優勢ながらも嫌味の残る局面で、△8四角、△6一飛や△5一銀など強い受けで、全く崩れませんでした。」
藤倉勇樹四段「序盤から久保棋王の意欲的な指し回しが目立ちました。中盤の▲7七桂のあたりは先手も十分かと思ってましたが、実際は難解だったかもしれませんね。▲6三成桂と△8四角の攻防がとても見ごたえありました。さすがトッププロという手順でしたね。△6一飛から△5一銀もすごい順でしたね。」
(烏)
「そっち? これは誰も予想してないよ!」
島九段が驚きの声をあげる。そして「そっぽへ行くねぇ」とポツリ。青野九段らと検討を行うが、はっきりした結論は出ない様子。
いっぽう解説会場では、新潟県アマチュア名人戦を12連覇中の早川俊さん、新潟市制作企画部の鴨井理紗さんが壇上に上がり、飯島六段と大盤解説を行っていた。早川さん、鴨井さんは新潟大学将棋部のOB・OGなのだそうだ。
図から本譜は△5一飛。「これだけはない手」と解説していた飯島六段、しばし絶句。図から△5一飛に▲6二飛成△同角▲同成桂となれば5一の飛車が取れるのだが、実はそうなってもまだ後手の駒得(桂香)。飯島六段は「やっぱり居飛車がいいように思えてきました」と感想を述べた。
本譜は図から△5一飛▲同飛成△同金▲7一飛と進行。佐藤九段は長考に沈む。午後5時すぎ、佐藤九段の持ち時間は30分を切った。
(文)
図は久保棋王が7八にいた飛車を浮いた局面。チャット解説では、図から△6二銀▲6一飛△5一金▲6二飛成△同金▲7一飛成の展開は後手も相当怖いとの見解。佐藤九段の考慮が続いていたが、モニタに次の手を指す姿が映った。
佐藤九段の指し手は△6四角。いわゆる「八方にらみ」の好位置だ。「▲9五飛と逃げてるようでは△6二銀で完封されそうなので」とは西尾五段の見解。本譜も図から飛車を逃げずに▲7三桂成△7五角▲6三成桂!と進行。金を取らずに▲6三成桂は驚きの一手。
「▲6三成桂は気づきにくい手です」(西尾五段)
「▲6三成桂ですか!一生かかっても指せなそうな手です」(藤倉四段)
と、チャット解説の二人も驚きを隠せない。
「△6四角を消し、次の▲6二飛△4二飛▲5二銀を狙っています」(西尾五段)
「部分的には△6二歩打ちたいですが、▲8五飛が痛いですね」(藤倉四段)
「後手が少し余してそうな気がしますが、後手陣の手の入れ方が難しい」(西尾五段)
この勝負、現在の局面は大きな難所を迎えているようだ。
(文)