2019年3月17日 (日)

86図は16時半過ぎの局面。△8五歩の合わせに渡辺棋王が時間を使っています。
控室では、青野九段と、来訪した片上大輔七段が終盤の変化を検討しています。図から▲8五同歩に△同飛▲8六歩△6五飛▲2四桂△同歩▲5六銀△7九角▲同飛△同銀不成▲同玉△6八歩成▲同銀△8九飛(下図)が、後手がうまくいく可能性のある一例として示されました。ただ、この変化は後手に都合よく進めたもの。実際の形勢は、後手がやや苦しいと見られています。

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Img_3141 控室の検討の様子。

Img_3135 庭園はだいぶ日が傾き、ヤシオツツジの花が夕日に照らされていた。

(八雲)

82図は15時半頃の局面。広瀬竜王は△5四桂▲5五銀と先手陣の銀の連結を崩してから△6八銀と露骨に放り込みました。対して、先手も▲3四歩と取り込んで攻め合いに出る展開が予想されています。いよいよ戦いが激化してきました。

Img_3117 大盤解説はつるの剛士さんが最後の出演中。△5四桂~△6八銀は、控室の検討でつるのさんが示していた手ということで、大喜びだった。

Img_3114 解説会場隣のサイン会場では郷田九段が揮毫していた。

(八雲)

15時を回り対局者におやつが運ばれました。渡辺棋王は飲み物のみでカフェラテとオレンジジュース、広瀬竜王はケーキセット(マンゴーパッションとブレンドコーヒー)です。

Img_3111 カフェラテとオレンジジュース。

Img_3106 マンゴーパッションとブレンドコーヒー。

(八雲)

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図は14時20分頃の局面。互いに中央で駒をさばきあって、角銀桂歩と持ち駒を豊富に蓄えたところです。互いに受けに回る展開は考えづらく、ここから激しい攻め合いになることが予想されています。

Img_3049 勝てば防衛が決まる渡辺棋王。形勢をどう見ているか。

Img_3058 最終局決戦を目指す広瀬竜王は踏ん張りどころだ。

(八雲)

Img_2992 対局場の宇都宮グランドホテルは、2016年に株式会社宇都宮グランホテルとして新たに運営を開始。同時に客室、レストラン、ロビー・テラスを全面改装して、近代的でモダンなホテルに生まれ変わっている。

Img_2995 グランドテラスは庭からの陽光を浴びる気持ちのいいカフェレストランだ。

Img_2958 自慢の庭は鎌倉時代の宇都宮城主、藤原宗円氏にゆかりのある地として始まったという。その後、明治時代に陸軍大将・鮫島重雄男爵が別邸を建て、そのときに作られた庭園が現在のホテルの庭園の基礎となっているそうだ。その由緒ある地に、1954年に秩父宮妃殿下に宿泊していただく宿として総檜作りの割烹旅館「陽南荘」が建てられ、71年にはさらに発展させて宇都宮グランドホテルが開業された。

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(八雲)

Img_3027対局再開にはつるの剛士さんも立ち会った。

Img_3037 再開を待つ渡辺棋王。

Img_3063 広瀬竜王も着座してすぐに盤上没我の表情を見せた。

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Img_3068 再開が告げられると渡辺棋王はすぐに▲2四歩。

Img_3082 広瀬竜王は扇子を手にして考え始めた。

(八雲)