2019年12月27日 (金)

86△5四歩が冷静な好手です。▲4四角は△3三銀▲7一角成に△6五歩で香が使えますし、▲5四同角成は△4三金打から厚く受ければ、先手の大駒をいじめることができます。

△5四歩の局面で、佐々木五段の残り時間は30分。盤上だけでなく残り時間も切迫しています。

Dsc_4316(対局再開後の佐々木五段。現在は厳しい情勢だが、持ち前の粘り強さを発揮できるか)

(紋蛇)

72△6一香が好手との評判です。▲5五銀とかわすと△8七馬▲8三歩△同飛▲8四歩に△7七馬が銀取りで、8筋を守りきれません。

Dsc_4353(16時20分過ぎの控室で検討するのは田村康介七段、勝又清和六段、瀬川六段。先手が困ったのではいわれている)

(紋蛇)

57▲1七桂に、本田四段は△9五歩から襲いかかりました。

62△8九銀が強手で、▲8八金△9八銀成▲同金△9五香と銀香交換ながら、端を突破しようとしています。

71本田四段は馬も端に集中させますが、▲5八玉が受け流す方針で簡単ではありません。しばらくねじり合いが続きそうです。

Dsc_4349(15時50分ごろの控室)

Dsc_4350(青野照市九段が継ぎ盤を見守る)

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Dsc_4332(御神木の大銀杏はすっかり葉を落とした)

Dsc_4328(ハトがイチョウの上を歩く)

Dsc_4340(鳩森神社では、大祓の茅輪くぐりの準備が整えられていた)

Dsc_4336(将棋堂は、新年の祈願祭で御扉が開かれる)

Dsc_4344(国立競技場は3年に渡る立て替え工事を終えた。来年の東京オリンピック・パラリンピックで使用される予定)

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46_2△4四歩の局面で昼食休憩に入り、佐々木五段は昼食休憩を挟む56分の考慮で▲2六飛としました。

47▲2六飛は▲3七桂で生じる桂頭のキズをカバーしながら、後手に手を渡した意味でしょうか。本田四段は△6六歩▲同歩△3八角と動いています。

50

以下▲4八金△7四角成▲7七桂△4二金右と進んでいます。

54後手は馬を作り、ポイントを挙げました。先手は▲7七桂と活用し、場合によっては▲6八玉から9筋での端攻めを受け流そうとしています。最終手の△4二金右は渋い手で、馬を自陣に引きやすくして守りやすくし、また△5二馬~△4三馬~△7六馬と攻める含みを作っています。
方針は後手のほうが分かりやすく、先手はどうやってスキを作らずにまとめるか、腕が問われています。

Dsc_4248_2(朝の本田四段。現在は馬を作り、リードを奪いにいった)


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12月28日発売予定の『将棋世界』2020年2月号が、控室に届けられました。巻頭カラーには第45期棋王戦挑戦者決定二番勝負第1局・佐々木大地五段-本田奎四段戦だけではなく、第32期竜王戦七番勝負第5局、新春インタビューの藤井聡太七段「17歳の『研鑽』王将リーグを語る」、女流名人戦挑戦者・谷口由紀女流二段インタビューなど、盛りだくさんな内容です。

Dsc_4322(付録は森信雄七段の『逃れ将棋』。王手を正確に逃げきれるかを読む問題だ)

Dsc_4325(今期の棋王戦挑戦者決定二番勝負の記事は、巻頭カラー)


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