2020年2月 1日 (土)

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本田五段が新工夫を披露しました。5三の銀を4二に引いたのがそれで、渡辺棋王は足を崩して手を止めました。

Dsc_5537(控室のモニタより、△4二銀右が指された直後の対局室)

Dsc_5536(控室では継ぎ盤で検討されている)

Dsc_5534(「銀引きは珍しいなぁ」と淡路九段。現役時代は粘り強い棋風から「不倒流」と呼ばれ、ある講座には「長手数の美学」のキャッチコピーがついた)

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(紋蛇)

10時、対局室におやつが運ばれました。渡辺棋王はフルーツ盛り合わせとホットコーヒー、本田五段はフルーツ盛り合わせとレアチーズケーキ、ホットコーヒーを注文しています。

Dsc_5540(渡辺棋王はフルーツ盛り合わせとホットコーヒー)

Dsc_5547(本田五段フルーツ盛り合わせとホットコーヒーに、レアチーズケーキ)

(紋蛇)

おはようございます。対局のスケジュールは以下の通りです。

9:00       対局開始
10:00      おやつ
12:00~13:00  昼食休憩
15:00      おやつ

Dsc_5428(朝の対局室)

Dsc_5431(広森三段が駒を1枚1枚、丁寧に磨く)

(紋蛇)

本局は「ニコニコ生放送」と「AbemaTV」で動画中継されます。棋譜中継とあわせてお楽しみください。

<ニコニコ生放送>
【第45期棋王戦 五番勝負 第1局 渡辺明棋王 vs 本田奎五段】
https://live2.nicovideo.jp/watch/lv323868340
解説:屋敷伸之九段 聞き手:本田小百合女流三段
【プレミアム限定 評価値放送】
https://live2.nicovideo.jp/watch/lv323868365

<AbemaTV>
https://abema.tv/channels/shogi/slots/CthV2pcDhXLUDd
解説者:藤井猛九段、中村太地七段
聞き手:山口恵梨子女流二段、山根ことみ女流二段

(紋蛇)

Dsc_5392(対局者の中座後は、再び抽選会。最後に明日の見どころが話された)

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淡路 フレッシュな方が挑戦者になりまして。実は私も井上さんと一緒で、先ほど初めてお話をしました。

杉本 実は私も初めてでして。それぐらい彗星のように現れて挑戦をされました。

室田 私は2回目です。別のお仕事でご一緒させていただいたことがあります。

淡路 7連覇している渡辺棋王が強敵であることは間違いないですが、勝負というのはやってみないとわからないところがある。彼のあいさつは遠慮したところもありましたが、棋士は自分が勝つんだといった気持ちで盤の前に座るはず。初々しく若々しい棋士が棋界の最高峰である渡辺棋王に挑戦する。どういった戦いになるか、熱戦を期待しています。

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杉本 見どころが多いと思います。本田さんは明日、和服を着られると思いますが、どんな和服を着られるのか関心があります。検分のとき、本田さんはひょうひょうとしていたが、将棋盤を前にすると勝負師の顔になるのかなと思いました。明日は振り駒の勝負があります。熱戦は間違いないと思います。

室田 対局者なので、こちらからお話がしにくい状況でしたが、本田さんからお声がけをいただきました。「緊張しているの」みたいな感じで話しかけて、気さくでした。

杉本 渡辺棋王についてあらためてその強さをお話しするまでもありませんが、初めて私が渡辺さんと対戦したときのことが印象に残ります。技術もそうですが、人を見抜くのがすごく鋭いなと感じました。感想戦で「振り飛車党の人はこういうところで攻めてこないので、この手はやってこないと思いました」と言われてびっくりしたことがありました。今回も本田さんの将棋を徹底的に分析されてきたと思います。五番勝負としては第1局が大事かなと思います。本田さんは1局ごとに成長していくのではないでしょうか。

淡路 七番勝負と違って五番勝負では初戦がすごく大きな将棋になると見ています。

井上 明日は振り駒ですので、どちらが先手になるのかというのも大きいと思います。2人とも戦略家といいますか、対策をすごく立てているでしょう。序盤戦から非常に興味深いと思っております。

室田 本田さんは振り駒からすべて初めてのタイトル戦がどういう感じなのかなと。記録係でも行ったことがないとおっしゃっていました。こういう場が初めてで、あいさつも緊張すると言っていたのですが、ちゃんと笑いも取っていたので大丈夫なのかなと思いました。本当に楽しみです。

(書き起こし=琵琶、写真=紋蛇)

(紋蛇)

Dsc_5352(地元の少年、少女より花束贈呈。そのあと、司会者の質問に答えながら、明日の意気込みなどが語られた)

Dsc_5374_2 ――お互いの印象をお聞きします。
渡辺 本田さんとは明日が初めての対戦になります。人柄なども含めて知らないことが多いので、五番勝負を戦いながら知っていければと思います。

本田 渡辺棋王の棋譜を見まして、いろいろな戦型を広く深く研究されています。どこをうまく突けばいいかということを考えながら今日を迎えました。

――意気込みをお願いします。
渡辺 金沢では長年にわたって開催をしていただいて、大盤解説会にも大勢のお客様が詰めかけます。今年は新鋭の本田さんが挑戦者ということで、将棋ファンの方の関心も非常に高いとうかがっております。明日からの五番勝負がいい対局になるように頑張りたいと思います。

本田 明日からタイトルへの挑戦が始まりますが、自分の力がどれぐらい通用するのか、自分でもわからない状況です。棋王戦を通じて自分の力を測る絶好の機会だと思いますので、悔いの残らないように、タイトル戦の舞台にふさわしい将棋が指せればと思います。

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――石川県の印象はいかがですか?
渡辺 対局や観光を含めていろいろと来ています。実は能登半島も行ったことがありまして、北から南までひと通りは行ったことがあります。非常に好きな県です。今回はお寿司を食べて帰ろうと思っています。好きなネタですか? 金沢に来たら何を食べればいいんでしょうか?好きなネタは普通ですが、マグロです。

本田 石川県に来るのはプライベートも含めて初めてです。1局目が金沢ということで、いろいろな棋士の方に言うと、どの方も海鮮がとても美味しいという返答でした。とても楽しみです。

――渡辺棋王、タイトル8連覇への意気込みをお願いします。
渡辺 気づいたら7連覇で、今年は8連覇を目指すことになっていました。タイトルは長く持っていると愛着がわいてくるものでして。明日からいよいよ防衛戦が始まるなという感じで、少しずつ緊張感が高まっているところです。

――デビュー間もない本田五段ですが、初タイトル獲得への意気込みをお願いします。
本田 いろいろなインタビューでもお話したと思いますが、ここに立ってもまだ取れるとは思っていなくて。いい勝負ができればと思っています。

(書き起こし=琵琶、写真=紋蛇)

(紋蛇)