2017年2月 4日 (土)

Dsc_4177(対局者が抱負を述べた後は、抽選会が行われた。景品は棋士の色紙に加えて、焼津市の名産品。棋士の色紙は、直接手渡された)

Dsc_4178(焼津港は日本有数の水揚げ実績を持つ。マグロやカツオを使った加工品が土産物として人気だ)

Dsc_4179_2

(「Shogi de Chocolat(将棋デ ショコラ)」は、将棋の駒を精巧にチョコレートで再現したもの)

Dsc_4229

Dsc_4233

Dsc_4236

Dsc_4244_2

(紋蛇)

Dsc_4189_2

(開催地代表・歓迎挨拶 下山晃司・焼津市副市長)

「本来は市長があいさつするべきところですが、焼津市と姉妹都市を提携しているオーストラリアのホバート市との提携40周年で出張しています。大変悔しがっておりました。
焼津市の自慢を3つ紹介いたします。1つは水産都市で水揚げ量日本一ということです。3つ目は平成27年度全国2位、平成28年の1月から12月に50億円の寄付をいただいた、ふるさと納税です。産業が豊かだからこそだと思います。
2つ目に戻って、これは青野九段を生み出した地であるということです。私事になりますが、前夜祭にお招きくださり、49年前のことを思い出しました。焼津中学校1年のときでした。朝礼で校長先生が「焼津の生徒が将棋の世界に挑戦するんだよ。みんなで応援しよう」とおっしゃって、そのときに朝礼台にいたのが青野少年だったのです。青野九段からは初対面ですが、私としては49年ぶりの再会ということで、このような機会を設けてくださったことを感謝しております。
明日の大盤解説会の前におもてなしブースを設けて水産物やふるさと納税の紹介させていただきます」

Dsc_4208(対局への抱負 渡辺棋王)

「2月に入って棋王戦が始まります。五番勝負は短期決戦で、あっという間に終わります。明日の第1局から集中して戦いたいと思います。
千田六段が挑戦者ということで、年齢が10歳も離れています。年齢の離れた年下の挑戦者は初めてで、自分も年を取ったなと感じました。私がタイトル戦に初めて出てから10年以上たち、どれくらい出られるか考えるようになりました。1年でも長く出られるようにと思っています。今回が若手と戦う第一歩になります。
焼津に来るのは初めてです。温泉があり、海産物がおいしいとあって、対局に打ってつけです。英気を養って対局に臨みたいと思います。先ほど、北海道や京都からもファンがこられているという話がありました。皆さんに満足いただけるような将棋を指さねばと気を引き締めています」

Dsc_4212 (対局への抱負 千田六段)

「私は焼津市が初めてでして、温泉があって、食べ物がおいしく、景色がいいとうかがって楽しみにしていました。数時間前にホテルの自室から駿河湾や富士山の眺望を見て、自然の雄大さを感じて心が落ち着きました。いまは緊張していますが、すばらしいところで対局できることをうれしく思います。
今回が初めてのタイ トル戦になります。今回のシリーズでは過去の自分を超えるを目標にし、進取の気風を大切にして対局に臨みたいと思います」

Dsc_4228

(撮影=紋蛇、書き起こし=銀杏)

18時から焼津グランドホテルで前夜祭が行われました。 

Dsc_4129(主催者挨拶 大石剛・静岡新聞社代表取締役社長)

「渡辺棋王にとっては永世棋王になるかどうかの五番勝負。千田六段は22歳とフレッシュな挑戦者で、渡辺棋王にどのように立ち向かっていくか。勝負の行方が気になる第1局です。
明日の大盤解説会には、北は北海道、西は京都まで300人以上の応募がありました。ありがとうございます。
棋譜中継にも多くのアクセスがあるだろうと期待していますし、新聞には観戦記が載っていて、皆様も楽しみにしていると思います。インターネットや日々の新聞を通して、五番勝負も皆さんに楽しんでいただきたいと思っています」

Dsc_4138(主催者挨拶 青野照市・日本将棋連盟専務理事)

「地元出身棋士として、連盟棋士としてあいさついたします。5年前も焼津で棋王戦が開催されましたが、そのときの前夜祭は関係者のみでした。このようにファンの方も交えての開催は初めてです。地元出身として感激です。
お詫びをしなければならないのは、本来は会長の谷川があいさつするところですが、会長を辞任し、任期は残っているのですが心痛と体の具合が悪く、入院しているので私があいさついたしております。昨年から騒がせてご迷惑をかけておりますが、『聖の青春』や『3月のライオン』の映画やアニメ、加藤一二三九段や藤井聡太四段の活躍と、いろんな話題を振りまいています。皆さんの期待に沿うようないいニュースを出していきたいと思っています。
静岡新聞には長いこと主催していただき、ありがとうございます。今回は静岡新聞75周年、静岡放送65周年を記念しての対局開催になります。
焼津市教育委員会には、プロの将棋や所作を見ていただきたいということで、指導対局や棋士の対局を見ていただくこと非常にいいことだと思います。
今回の対局には、いろいろなところから協力していただきました。焼津商工会議所には地元の商品や産物を、前夜祭や大盤解説会で9割の人が当たるほど協力してくださいました。
渡辺棋王は5連覇が懸かっています。竜王も持って、棋界の第一人者です。千田六段は22歳で初挑戦。今期の棋王戦は千田六段のほかにも20代の棋士が多く勝ち上がっていて、期待をもたれる状況になってきました。どちらが勝つか注目していただけたらと思います」

Dsc_4150(関係者各位のご紹介)

Dsc_4154(乾杯挨拶 鈴木洋一郎・静岡中島屋ホテルチェーン代表取締役)

(撮影=紋蛇、書き起こし=銀杏)

17時10分ごろから対局検分が行われました。
対局検分は盤と駒の使い心地や部屋の温度、明るさを確認すること。対局に支障があると判断された場合は、立会人や関係者と相談しながら調整されます。
今回は特に問題はなく、検分は5分ほどで終了しました。

Dsc_4065

Dsc_4073

Dsc_4079

Dsc_4087

Dsc_4091

(紋蛇)

渡辺棋王は東京駅から新幹線のこだまで静岡駅に向かいました。関西の千田六段は静岡駅で合流し、一行はそこからバスに乗り換えています。焼津グランドホテルに到着したのは、16時30分ごろです。

Dsc_4040_3

Dsc_4042

Dsc_4048

Dsc_4052

Dsc_4058(車内からは富士山がきれいに見えた)

Dsc_4060

(紋蛇)

渡辺明棋王に千田翔太六段が挑戦する、第42期棋王戦五番勝負が開幕します。第1局は静岡県焼津市「焼津グランドホテル」で、2月5日(日)9時開始。持ち時間は各4時間。第1局の先後は振り駒で決定されます。本局は初手合いです。

立会人は青野照市九段、記録係は佐々木大地四段(深浦康市九段門下)が務めます。現地大盤解説会の解説は森下卓九段、聞き手は飯野愛女流1級です。

渡辺棋王は、今期も防衛すれば連続5期の規定により、永世棋王の資格を得ます。2008年に獲得した永世竜王に続く、2つ目の永世称号がかかったシリーズです。
千田六段はタイトル戦初登場。コンピューター将棋を積極的に活用していることで知られ、昨年は叡王戦、NHK杯戦、上州YAMADAチャレンジ杯で準優勝する活躍を見せました。22歳の若武者は、タイトル戦でどのような戦いを披露してくれるでしょうか。

本局の中継は、棋譜・コメントを銀杏、中継ブログを紋蛇が担当します。よろしくお願いいたします。

【ニコニコ生放送】
本局のニコニコ生放送でも生中継されます。解説は飯島栄治七段、聞き手は高浜愛子女流2級です。

【大盤解説会】
現地と関西将棋会館で行われます。
現地大盤解説会は事前応募制で、申し込みはすでに締め切られています。関西将棋会館では、淡路仁茂九段と今泉健司四段が解説します。時間は17時30分~終局まで。詳しくは日本将棋連盟HPを参照してください。

(紋蛇)