2025年2月

2025年2月 2日 (日)

1997年11月4日生まれの27歳、東京都昭島市出身。森下卓九段門下。2014年、四段。2024年、八段。棋士番号は297。タイトル戦登場は1回。棋戦優勝は2回。
四段昇段後、第5期加古川青流戦準優勝や、新人王戦2連覇など新人時代から実績を残しています。昨年3月には順位戦A級昇級とともに八段に昇段しました。初タイトル獲得に向けて五番勝負を戦います。
Img_6245
(武蔵)

2002年7月19日生まれの22歳、愛知県瀬戸市出身。杉本昌隆八段門下。2016年、四段。2021年、九段。棋士番号は307。タイトル戦登場は29回。獲得は竜王4期、名人2期、叡王3期、王位5期(永世王位)、王座2期、棋王2期、王将3期、棋聖5期(永世棋聖)の計26期。棋戦優勝は10回。
多くの最年少記録を更新し、将棋界に新たな旋風を巻き起こした若き天才として注目を集めます。棋王戦では前々期にタイトルを獲得し、前期は3勝0敗(1持将棋)で棋王初防衛を果たしました。今期は3連覇を目指して、防衛戦に臨みます。
Img_6240
(武蔵)

10時、午前のおやつが運ばれました。藤井棋王は塩けんぴと土佐の緑茶ゴールド。増田八段は棋王戦祝餅と土佐の緑茶ゴールド、ごっくん馬路村を頼みました。
20250202img_6303(塩けんぴは高知県の銘菓)
20250202img_6310(棋王戦祝餅は、はんごろしのもち米が使用され、小豆の風味を楽しめる)

(武蔵)

8時46分に増田八段が入室し、2分後の48分に藤井棋王が姿を見せました。
Img_6222

Img_6230

Img_6260_2(上座側の歩を5枚取って、歩が多く出ると棋王、と金が多く出れば挑戦者が先手を得る)

Img_6265

Img_6269(白布に歩が4枚、と金が1枚散った)

(武蔵)

振り駒の結果、歩が4枚出て藤井棋王の先手に決まりました。このあと、第2、4局は増田八段、第3局は藤井棋王の先手になり、第5局が指される場合は改めて振り駒で先後が決まります。
20250202img_6282(先手の藤井棋王)
20250202img_6285(増田八段の挑戦者としての初手は△8四歩だった)
20250202img_6292(大勢の関係者が出だしを見守った)

(武蔵)

棋王戦五番勝負の持ち時間は、ストップウォッチ方式の各4時間です。
一日のスケジュールは以下のとおり。

9:00  対局開始
10:00  午前のおやつ
12:00  昼食休憩
13:00  対局再開、現地大盤解説会開始
15:00  午後のおやつ
??:??  終局

(武蔵)

2025年2月 1日 (土)

明日の対局はABEMAで動画中継されます。

【ABEMA】
・8時30分から23時まで
・出演者:阿久津主税八段、宮嶋健太四段、竹部さゆり女流四段、脇田菜々子女流初段https://abema.tv/channels/shogi/slots/CYn6SMcCEVfFcB


以上で本日の中継ブログの更新を終了します。
対局は明日9時に始まります。まずは振り駒で、どちらが先手番を引くのか。そして、戦型はどうなるのか。ご期待ください。

(武蔵)

両対局者の降壇後、関係者は明日の対局の見どころや戦型予想について語りました。
見どころ解説が終わったあと、お楽しみ抽選会が行われ、前夜祭はお開きとなりました。
Img_6164(立会人の森けい二九段)
「増田八段はあまり矢倉を指さない人ですけど、確か藤井棋王に勝った一局は矢倉でしたね。だから、やるかもしれない。明日は記録係が振り駒をして先後を決めるので、その振り駒の結果次第かもしれません。先ほどの意気込みで、『藤井棋王の角換わりになかなか勝てない』といっていたから、それは避けたほうがいいですね。相手の得意戦法を避けて『居飛車党だけと振り飛車やってやるよ』という手もありますよ」
Img_6185(解説の佐藤天九段)
「挑戦者側の立場を思い返すと、1勝するまではなかなか気持ちが落ち着かないかもしれません。ただ、ひとつ勝てば自分は落ち着いたところがありました。ですので、まずはいい内容で1勝できたら、風が吹いてくるのではないでしょうか。増田八段の将棋は中盤の組み立てがうまいです。『詰将棋は意味がない』という発言が過去にありましたけど、彼の将棋のつくりとして、終盤の詰む詰まないという局面よりも前に、勝負を決めたいタイプだと感じています。ですが、藤井棋王はやっぱり中盤戦も非常に強いです。増田八段としてはそこを乗り越えられるかどうか。まずは、いつもどおりのスタンスを変えずに自分の戦い方にして、正面から挑むのではないかなと思っています」
Img_6198(大盤解説会ゲスト棋士の黒田五段)
「順当に予想するなら相居飛車ですが、増田八段の振り飛車を見てみたいという気持ちがあります。おふたりが順位戦で対戦された一局(2018年、第77期順位戦C級1組▲増田-△藤井戦、後手勝ち)は、増田八段が中飛車を採用されました。そのときのイメージで、 もしかしたら増田八段が変化球を投げるんじゃないかなと個人的には思っています」
Img_6210(解説会の聞き手を務める島井咲緒里女流二段)
「増田八段の『矢倉は終わった』という発言も有名ですけど、わたしとしては逆に矢倉を見たいなと思います。まずは振り駒で先後がどちらになるか、それから戦型がどうなるかに注目です」
Img_6202(記録係を務める清水三段)
「増田先生は意気込みで『先手がほしい』といっておられたので、ちょっとプレッシャーがかかっています。本命は角換わりかなと思います。ただ、わたしは振り飛車党なので振り飛車を見てみたいです」

Img_6163
(武蔵)

抽選会のあと、対局者は一問一答形式で意気込みを話し、花束を受け取って会場をあとにしました。
Img_6060(藤井棋王)
――列車の旅は?
藤井 土讃線の特急「南風」に乗って、ダイナミックな車窓の景色と振り子式の車体の傾斜を満喫しながら来きました。
――初の高知で楽しみにしている点は?
藤井 対局がメインですが、土讃線に乗って1つの目的はかないました。高知の食を楽しむことができたら。
――明日に向けての意気込みを
藤井 明日から開幕するので、身の引き締まる思いがあります。増田八段とのタイトル戦は初ですが、非常に強い方ですので、しっかり集中して対局に臨みたいと思います。
――ハードスケジュールの中での健康管理法は?
藤井 しっかり睡眠を取ること、感染症が多いので、手をしっかり洗うなど気をつけています。


Img_6077(増田挑戦者)
――いまの気持ちは?
増田 大勢の方に集まっていただいてうれしいと同時にとても緊張しています。
――タイトル初挑戦の意気込みを
増田 タイトル戦は子どもの頃から夢にまで見ていた舞台ですので、こうして立つことができてとても感激しています。難しい将棋になると思いますが、自分の持てる力を出して頑張りたいです。
――気持ちを落ち着かせる方法は?
増田 スピーチがいちばん緊張しているので、ここを乗り切れれば明日もうまくやれるのではないかと思っています。
――対局で意識することは?
増田 藤井さん得意戦法の角換わりがいちばんの敵で、後手番になるとどうしても受けざるをえないので、明日は先手になることを願っています。

Img_6083(藤井棋王に花束を贈ったのは、磯脇颯さん)
Img_6092(増田八段に贈呈したのは、舛本花夏さん)
Img_6120(対局者を挟んで記念撮影)

(武蔵)

乾杯のあと、抽選会が行われました。対局者が番号札を引き、当選された方に色紙を手渡しました。
Img_5994(三土 正司・株式会社共同通信社社長が乾杯の発声を務めた)
「高知県といえば進取の気性と豪放磊落な方々が多い。明日は高知の地に根ざした進取の気性で新しい地平を開くような将棋を指してほしい」

Img_6003

Img_6031

Img_6024

Img_6045
(武蔵)