2025年2月

2025年2月23日 (日)

対局の翌日に行われた第29回北陸ジュニア棋王戦の模様を両対局者や関係棋士が見学しました。今年からはコナミグループが協賛し、コナミグループ杯となっています。

Img_6118 会場の様子。

Img_6098 藤井棋王。
「私もこどもの頃には、こういった大会によく参加をしていたのですが、大会というのは、自分の実力を試す場であると同時に、将棋を通して仲間と出会える場所でもあると感じています。今日はみなさんが普段の練習の成果を存分に発揮されるとともに、一日を通してさまざまな形で交流を深めていただければと思っています」

Img_6101 増田八段。
「将棋は楽しむことが一番なので、ワクワクしたり、楽しむ気持ちを持って一日を過ごしてもらえたらいいなと思っています。今日は途中で負けて悔しい思いをする方もいるんじゃないかなと思います。昨日は私が藤井さんに負けて悔しい思いをしたんですけど。悔しい気持ちは人を成長させると思うので。今日、負けてショックかもしれないけど、また次の機会に挑戦してもらいたいなと思います。よい成績を残した方は自信を持って、これから強くなって欲しいなと思います」

大会の様子を関係棋士が見学しました。

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Img_6133谷川浩司十七世名人。

Img_6142 青野照市九段。

Img_6157_2 村山慈明八段。

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(八雲)

2025年2月22日 (土)

Img_5980 終局直後の対局室は熱戦の余韻が残っていた。

Img_5978 インタビューを受ける藤井棋王。

【藤井棋王の談話】
―― 本局は角換わり模様の出だしから角道を止めて雁木に構えられました。この序盤の分かれはいかがでしたか。
「△9四歩(20手目)から△9五歩(28手目)と端を突き越して見たのですが。ただ、▲5六歩(29手目)から▲5五歩と動かれてみると、端に掛けた2手がちょっと甘い手になってしまっている可能性もあるのかなと感じていました」

―― 午後に入って、端攻めから△9七歩(60手目)と垂らされました。あの辺りは、どう見ていましたか。
「△6五歩(54手目)に▲4六飛と走られる手を少し軽視していて。そこで何を指すかちょっとわからなくて。△9六歩(58手目)から△9七歩は、いかにもそのタイミングで何かやってこられてしまいそうで、ちょっとまずいような感じはしたんですけど。▲4六飛(55手目)のときに、具体的にどういう指し方がいいのかわからなかったです」

―― 終盤戦に入ってかなり熱戦だったのですが。どのような感想をお持ちですか。
「時間がなくなってからは、どうなっているかわからなかったのですが。▲4七金(107手目)と寄る手を許してしまったので。あの辺りは、負けになる順があってもおかしくないかなと思いながら指していました」

―― 一局全体を通していかがでしたか。
「盤面全体で戦いが起こって、どう判断するか非常に難しい将棋でした。中盤でバランスの取り方がわからなくなってしまったところがあったので。その辺り、中盤は何かもうちょっと違う指し方もあったのかなという気はしています」

―― これで2連勝ということで、次局に向けての抱負をお願いします。
「スコアは意識せずに、精一杯頑張りたいと思います」

Img_5992 同じく増田八段。

【増田八段の談話】
―― 午前中の序盤戦はどう見て指されていましたか。
「雁木模様の展開になったので、千日手模様になってしまうのは避けたかったので、中央から動いてはいったのですけど。端の位を取られてしまったので、その辺りとのバランスがよくわかってはいませんでした」

―― 中盤の戦いはどのように見ていましたか。
「▲4六飛(55手目)から▲5七角(63手目)と飛車角を使う展開になって。4筋方面からうまく攻めていければ、いい感じになるかなと思ったのですけど。なかなかうまくいかないなと思いつつ。中盤はよくわからなかったですね」

―― 終盤は反撃に転じられて、かなり追い込んだように見えましたが。
「▲4七金(107手目)と寄った手が、遊んでいた飛車を通して感触がいいと思ったのですけど。△7三馬と引かれて、そのあとも手は進んだのですが、明快な決め手がわからなかったので。そんなによくなってなかったのか、自分が手を逃がしているのかはわからないですけど。うまくいけた、という感じはしなかったですね」

―― 一局全体を通していかがでしたか。
「全体としては、長手数でしたし、勝負どころもあったかなと思うんですけど。やっぱり勝てなかったというところは、まだ力不足かなと感じました」

―― 苦しい星勘定になりましたが、次局に向けての意気込みを聞かせてください。
「次がすぐ一週間後にありますので。後手番ですけど、また何か作戦を用意して臨みたいと思っています」

(八雲)

投了図

第50期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第2局は、140手で藤井棋王が勝ちました。終局時刻は19時37分。消費時間は▲増田八段3時間59分、△藤井棋王3時間58分。

この結果、五番勝負は藤井棋王の2連勝。次戦の第3局は3月2日(日)、新潟県新潟市「新潟グランドホテル」で行われます。

(夏芽)

20250222107図の局面で時刻は19時を回りました。
依然として藤井棋王がリードを保っていると見られていますが、その差はさほど広がっていません。藤井棋王の背中が見える位置で、増田八段が必死に食らいついて粘っています。藤井棋王が振りきるのか、増田八段が追い付くのか。勝負はまだわかりません。

(八雲)

2025022276図の局面で時刻は18時を回りました。消費時間は▲増田3時間36分、△藤井3時間41分。
増田八段が角交換から攻めに出たところで打たれた△5七歩が鋭い反撃です。▲5七同金は△6五桂がぴったり。といって、この歩を取れないようでは利かされです。藤井棋王が少しずつリードを広げているようです。増田八段は踏ん張りどころです。

Img_5920 やや劣勢と見られている増田八段。踏み留まれるか。

(八雲)

2025022260図は16時半頃の局面。消費時間は▲増田2時間42分、△藤井3時間14分。
ここまで相手の動きに対応してきた藤井棋王ですが、先手の▲6五歩を見て、△9六歩▲同歩△9七歩と自分から積極的に動いていきました。図で▲9七同香は△9八歩がうるさい攻め。また、放っておくと△9六香で端を突破されます。先手としても攻め合いに出るしかなさそうで、一気に局面が激しくなりそうです。

Img_5934 藤井棋王が積極的な動きを見せた。

(八雲)

15時を回り、対局者のおやつが運ばれました。注文は増田八段が「フルーツ盛り合わせ」、「イチゴタルト」、「ホットコーヒー」。藤井棋王が「フルーツ盛り合わせ」、「能登塩プリン」、「アップルジュース」。

20250222img_5969 増田八段の注文。

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20250222img_5967 藤井棋王の注文。

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(八雲)

2025022243図は14時過ぎの局面。ここまでの消費時間は▲増田1時間56分、△藤井1時間44分。
▲5五歩に△同銀は▲7四歩△同飛と1歩を補充して▲5六歩で銀を捕獲して先手よしです。そのため後手は4三か6三に銀を引くと予想されます。どちらに引くかは難しいところのようです。ただ、後手は序盤に△9五歩と突き越した主張があるので、じっくりした戦いは臨むところ。逆に先手は、銀を追ったあとに、どのように攻めを組み立てるかが問われます。

Img_5949 現地では大盤解説会が始まっている。

Img_5957 村山八段は、先手がもっと激しく動く順も考えられたと解説していた。

(八雲)

金沢市民の台所と呼ばれる近江町市場を見学しました。

Img_20250222104202601 午後から大盤解説を担当する、村山八段、貞升女流二段、伊藤明女流初段。
午前中のわずかな空き時間を使っての駆け足見学だ。

Img_20250222104412265 海鮮の抱負な品揃えを見学。すると当然食べたくなる。

Img_20250222105040449_1 ということで、海鮮丼のお店へ。

Img_20250222105558834_2 まずはカニ汁で温まった。

Img_20250222110132315_2看板メニューの海鮮丼。

Img_20250222110111311 カニ丼。

Img_20250222110122776 海鮮以外も。能登牛の炙り丼。

Img_20250222110404091 握り寿司も食べました。

(八雲)