2025年2月22日 (土)

終局直後の様子

Img_5980 終局直後の対局室は熱戦の余韻が残っていた。

Img_5978 インタビューを受ける藤井棋王。

【藤井棋王の談話】
―― 本局は角換わり模様の出だしから角道を止めて雁木に構えられました。この序盤の分かれはいかがでしたか。
「△9四歩(20手目)から△9五歩(28手目)と端を突き越して見たのですが。ただ、▲5六歩(29手目)から▲5五歩と動かれてみると、端に掛けた2手がちょっと甘い手になってしまっている可能性もあるのかなと感じていました」

―― 午後に入って、端攻めから△9七歩(60手目)と垂らされました。あの辺りは、どう見ていましたか。
「△6五歩(54手目)に▲4六飛と走られる手を少し軽視していて。そこで何を指すかちょっとわからなくて。△9六歩(58手目)から△9七歩は、いかにもそのタイミングで何かやってこられてしまいそうで、ちょっとまずいような感じはしたんですけど。▲4六飛(55手目)のときに、具体的にどういう指し方がいいのかわからなかったです」

―― 終盤戦に入ってかなり熱戦だったのですが。どのような感想をお持ちですか。
「時間がなくなってからは、どうなっているかわからなかったのですが。▲4七金(107手目)と寄る手を許してしまったので。あの辺りは、負けになる順があってもおかしくないかなと思いながら指していました」

―― 一局全体を通していかがでしたか。
「盤面全体で戦いが起こって、どう判断するか非常に難しい将棋でした。中盤でバランスの取り方がわからなくなってしまったところがあったので。その辺り、中盤は何かもうちょっと違う指し方もあったのかなという気はしています」

―― これで2連勝ということで、次局に向けての抱負をお願いします。
「スコアは意識せずに、精一杯頑張りたいと思います」

Img_5992 同じく増田八段。

【増田八段の談話】
―― 午前中の序盤戦はどう見て指されていましたか。
「雁木模様の展開になったので、千日手模様になってしまうのは避けたかったので、中央から動いてはいったのですけど。端の位を取られてしまったので、その辺りとのバランスがよくわかってはいませんでした」

―― 中盤の戦いはどのように見ていましたか。
「▲4六飛(55手目)から▲5七角(63手目)と飛車角を使う展開になって。4筋方面からうまく攻めていければ、いい感じになるかなと思ったのですけど。なかなかうまくいかないなと思いつつ。中盤はよくわからなかったですね」

―― 終盤は反撃に転じられて、かなり追い込んだように見えましたが。
「▲4七金(107手目)と寄った手が、遊んでいた飛車を通して感触がいいと思ったのですけど。△7三馬と引かれて、そのあとも手は進んだのですが、明快な決め手がわからなかったので。そんなによくなってなかったのか、自分が手を逃がしているのかはわからないですけど。うまくいけた、という感じはしなかったですね」

―― 一局全体を通していかがでしたか。
「全体としては、長手数でしたし、勝負どころもあったかなと思うんですけど。やっぱり勝てなかったというところは、まだ力不足かなと感じました」

―― 苦しい星勘定になりましたが、次局に向けての意気込みを聞かせてください。
「次がすぐ一週間後にありますので。後手番ですけど、また何か作戦を用意して臨みたいと思っています」

(八雲)