2023年2月
終局直後
インタビューを受ける藤井聡竜王。
【藤井聡竜王の談話】
――▲2四歩(69手目)△同歩▲2五桂打と攻めました。(控室では)意表を突いたという声もありましたが、このあたりはいかがでしたか。
「手の広いところでちょっとわからなかったのですが。△6五歩と突かれて、次に△6四桂とか△6六歩とかで、こちらの玉がすぐに危険になってくる形なので。何か速い攻めを、▲2五桂打だと空振ってしまうリスクもあるのですが、速い攻めが必要な局面なのかなと思っていました」
――昼休明けに▲9二歩(75手目)と指されたところはいかがでしたか。
「▲3三歩△同桂に最初はそのまま攻めていく手を考えていたのですが、あまり成算が持てなかったで。ちょっと予定変更というところがありました」
――▲3五歩(83手目)△4三銀に▲2三歩と指されました。検討では▲2五角も上がっていたのですが、このあたりはいかがでしたか。
「(82手目で)飛車を6一に逃げられて見ると、なかなかよい攻め方がわからなかったです」
――そのあとペースを握られたように見えましたが、勝ちを意識されたのはどのあたりでしたか。
「最後のほうも入玉を見せられるような形になって、ずっとよくわからないまま指していました」
―― 一局を通していかがでしたか。
「盤面全体で戦いが起こって。どういう方針で指すのかが一局を通して難しかった気がします」
――長野市での初対局を勝利で飾りました。それについて感想をお願いします。
「よいスタートが切れたかなと思いますので、次局以降も精一杯頑張りたいと思います」
――次局は金沢対局ですが、それに向けて抱負もお願いいたします。
「第2局からは先後が決まった形になるので、しっかり準備できればと思います」
渡辺明棋王。
【渡辺明棋王の談話】
――午前中、速いペースで進みました。(66手目で)前例△7六歩だったところで△6五歩と変化されました。あのあたりはいかがでしたか。
「あのあたりは、予定でやっていたんですけど」
――想定と違ってきたのはどのあたりでしょうか。
「昼休(74手目)を過ぎたあたりからですかね」
――▲9二歩(75手目)に1時間以上、長考されていましたが、あのあたりはいかがでしたか。
「2筋の桂がぶつかったままというのが結構珍しい形だったので、やっぱり長考になりましたね」
――そこでの形勢はどう見ていましたか。
「進んでみるとちょっと苦しいのかなというか。選べる手はそんなに多くないかなと思っていたのですけど」
―― 一局を通していかがでしたか。
「ちょっと勝負どころがどこだったのかよくわからないままになってしまったので。たぶんあったとしたら、凄く狭い範囲のところに勝負どころがあったかなという気がするんですけど。そこがちょっと、さっと過ぎてしまったような感じの将棋になってしまった感じはありました」
――10年振りの長野対局を終えられて感想はいかがでしょうか。
「長野市をはじめ、地元の方に凄く大歓迎していただいたので、非常にありがたい中で指すことができたかなと思います」
――第2局、金沢に向けて抱負をお願いします。
「2週間ほど空くので、仕切り直していきたいと思います」
※両者の談話はのちほど更新します。
(八雲)
藤井竜王が先勝
125手で挑戦者の藤井聡竜王が勝ちました。終局時刻は19時1分。消費時間は▲藤井3時間50分、△渡辺3時間57分。藤井竜王が初戦を制して好スタートを切りました。第2局は2月18日(土)に石川県金沢市「北國新聞会館」で行われます。
(琵琶)