2023年2月

2023年2月 5日 (日)

Img_5525 終局直後の様子。

Img_5551 インタビューを受ける藤井聡竜王。

【藤井聡竜王の談話】
――▲2四歩(69手目)△同歩▲2五桂打と攻めました。(控室では)意表を突いたという声もありましたが、このあたりはいかがでしたか。
「手の広いところでちょっとわからなかったのですが。△6五歩と突かれて、次に△6四桂とか△6六歩とかで、こちらの玉がすぐに危険になってくる形なので。何か速い攻めを、▲2五桂打だと空振ってしまうリスクもあるのですが、速い攻めが必要な局面なのかなと思っていました」
――昼休明けに▲9二歩(75手目)と指されたところはいかがでしたか。
「▲3三歩△同桂に最初はそのまま攻めていく手を考えていたのですが、あまり成算が持てなかったで。ちょっと予定変更というところがありました」
――▲3五歩(83手目)△4三銀に▲2三歩と指されました。検討では▲2五角も上がっていたのですが、このあたりはいかがでしたか。
「(82手目で)飛車を6一に逃げられて見ると、なかなかよい攻め方がわからなかったです」
――そのあとペースを握られたように見えましたが、勝ちを意識されたのはどのあたりでしたか。
「最後のほうも入玉を見せられるような形になって、ずっとよくわからないまま指していました」
―― 一局を通していかがでしたか。
「盤面全体で戦いが起こって。どういう方針で指すのかが一局を通して難しかった気がします」
――長野市での初対局を勝利で飾りました。それについて感想をお願いします。
「よいスタートが切れたかなと思いますので、次局以降も精一杯頑張りたいと思います」
――次局は金沢対局ですが、それに向けて抱負もお願いいたします。
「第2局からは先後が決まった形になるので、しっかり準備できればと思います」

Img_5599 渡辺明棋王。

【渡辺明棋王の談話】
――午前中、速いペースで進みました。(66手目で)前例△7六歩だったところで△6五歩と変化されました。あのあたりはいかがでしたか。
「あのあたりは、予定でやっていたんですけど」
――想定と違ってきたのはどのあたりでしょうか。
「昼休(74手目)を過ぎたあたりからですかね」
――▲9二歩(75手目)に1時間以上、長考されていましたが、あのあたりはいかがでしたか。
「2筋の桂がぶつかったままというのが結構珍しい形だったので、やっぱり長考になりましたね」
――そこでの形勢はどう見ていましたか。
「進んでみるとちょっと苦しいのかなというか。選べる手はそんなに多くないかなと思っていたのですけど」
―― 一局を通していかがでしたか。
「ちょっと勝負どころがどこだったのかよくわからないままになってしまったので。たぶんあったとしたら、凄く狭い範囲のところに勝負どころがあったかなという気がするんですけど。そこがちょっと、さっと過ぎてしまったような感じの将棋になってしまった感じはありました」
――10年振りの長野対局を終えられて感想はいかがでしょうか。
「長野市をはじめ、地元の方に凄く大歓迎していただいたので、非常にありがたい中で指すことができたかなと思います」
――第2局、金沢に向けて抱負をお願いします。
「2週間ほど空くので、仕切り直していきたいと思います」

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※両者の談話はのちほど更新します。
(八雲)

20230205a125手で挑戦者の藤井聡竜王が勝ちました。終局時刻は19時1分。消費時間は▲藤井3時間50分、△渡辺3時間57分。藤井竜王が初戦を制して好スタートを切りました。第2局は2月18日(土)に石川県金沢市「北國新聞会館」で行われます。

(琵琶)

20230205104図は18時25分頃の局面。
「これはわかりやすくなりました。▲4二金から▲4三金でやさしい勝ちだと思います。これだけ難解な将棋を最後はやさしく勝つというのが強さの証ですね」(青野九段)

Img_5422_2藤井竜王が勝利に近づいている。

(八雲)

2023020599_2図は17時40分頃の局面。
藤井聡竜王は△8五桂の反撃を逆用する形で▲8六金~▲7五金と守備の金を繰り出しました。この金が▲6四桂などの挟撃の拠点となっており絶好と見られています。「これはちょっと後手が苦しくなりましたか」と控室の青野九段。藤井聡竜王が確実に差を広げたようです。

Img_5461 藤井聡竜王が相手の手をうまく逆用して優位を広げた。

(八雲)

2023020587_2図は17時過ぎの局面。
藤井聡竜王の85手目▲2三歩に渡辺明棋王は△8五桂と反撃。そこで藤井聡竜王は手抜いて▲2四香と駒を足して2筋の突破を確実なものにしました。この攻め合いは先手のほうが有利と見られており、控室では先手が少しずつリードし始めたと見られています。ここまでの消費時間は▲藤井3時間20分、△渡辺3時間0分。消費時間の差も少し詰まってきました。

Img_5481 やや形勢を損ねたと見られている渡辺明棋王。ここから盛り返せるか。

(八雲)

2023020582図は15時40分過ぎの局面。ここまでの消費時間は▲藤井2時間29分、△渡辺2時間21分。
控室では手番を握って調子よく攻めている先手が好調と見られています。ただ、具体的な差はまだついていません。先手が持ち駒の桂香を使ってうまく攻めを続けられるかどうかが今後の焦点のようです。

Img_5432 藤井聡竜王が好調に攻めて主導権を握っている。

(八雲)

15時、対局者の控室におやつが運ばれました。注文は渡辺棋王が「ほうじ茶ティラミス」、「信州リンゴジュース」、「アイスコーヒー」、藤井竜王は飲み物のみで「信州リンゴジュース」、「アイスティー(ダージリン)」。

Img_5523 渡辺明棋王の注文。

Img_5520 藤井聡竜王の注文は飲みもののみだった。

(八雲)

13時から現地大盤解説会が始まっています(チケットは前売り制で完売済)。

Img_5512_2巨大モニターを使った解説会。会場は多くのファンで埋まっている。

Img_5503 行方九段。

Img_5507 長沢女流四段は長野県松本市出身で在住している。

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(八雲)