2022年2月
北陸ジュニア棋王戦(1)
両対局者と関係棋士は対局の翌日に北國新聞会館で開催される北陸ジュニア棋王戦に臨席しました。
【主催者挨拶】
清水隆行・北國新聞社事業部長。
「優勝を目指すのはもちろん、仲間たちと将棋を指せる楽しみを感じていただければ嬉しいです」
加藤弘行・金沢市教育委員会教育次長。
「将棋を通して身につけた大局観や発想力を生かすことができる大人になってほしいと思います(野口宏・金沢市教育長のメッセージ代読)」
【棋士からの激励】
渡辺明棋王。
「周りにいる大人の方たちが頑張って将棋を指せる場を用意してくれました。みんなも大人になったときに、そのことを思い出せいてくれたらと思います」
永瀬拓矢王座。
「今日は勝つ人もいれば負ける人もいると思いますが、楽しんで将棋を継続してくれたらと思います」
感想戦の様子
大盤解説会場へ
終局直後
――序盤の▲6六歩(25手目)が工夫の手に見えましたが。
「そうですね。6五の位を取って、それを主張にするぐらいまでは予定でやってたんですけど」
――△6四歩(58手目)に▲4四歩と取り込みましたが、検討では▲6四同歩も出ていました。
「そうですね。そこは手が広くてちょっとわからなかったです。どう指しても一局だとは思ったのですが」
――▲9七角(69手目)と角をぶつけたあたりはいかがでしたか。
「あんまり成算はなかったのですが、ちょっと代案もなかったので。ぶつけていってどうなるか、という感じでやっていました」
――▲4六角(73手目)と据えたあたりは。
「すぐには負けない形になったかとは思いましたが、攻めもいまいちなので。息長く指そうかなと」
――▲2九飛(79手目)のところは。
「強襲される手がなければと。▲4八玉(81手目)まで回ればそれなりかなと思っていたんですけど」
――優勢を意識されたのはどのあたりでしょうか。
「▲5五銀(91手目)~▲4五桂と跳ねていったあたりで、調子はいいかなと思っていました」
――これで2連勝となりました。3局目に向けて一言お願いします。
「また2週間ほど空くので。普段通りに準備して迎えたいと思います」
【永瀬王座の談話】
――△4二銀と引いて、先手の攻めを誘った感じに見えましたが、あの辺りはどう見ていましたか。
「仕方ない、少し自信がないのかなと思いました」
――角交換になって、△4二歩(72手目)と受けました。△4六歩と攻める手も検討されていたのですが、いかがでしたか。
「比較はして本譜を選んだのですが、ちょっと判断が難しいのかなと思いました」
――△4一玉(80手目)のところは、攻める手も考えましたか。
「そうですね。△8七角は考えたのですが、▲同金△同飛車成▲4八金でわからなかったので。ただ、本譜の△4一玉▲4八玉で(先手玉が)安定してしまったので、△8七角を選ぶべきだったかもしれません。ちょっとそこは判断が難しくてわからなかったです」
――全体を通していかがでしたか。
「▲6六歩(25手目)に△6四歩とかを考えなければいけなかったかもしれないです。ちょっと本譜は6五の歩を負担にするのは難しいとは思ったので。先手に主張のある展開になったしまったのかなとは思います」
――第3局に向けて一言お願いします。
「精一杯準備をして頑張ります」
(八雲)
渡辺棋王が連勝
この局面で永瀬王座が投了し、渡辺棋王の勝ちとなりました。終局時刻は18時29分。消費時間は、▲渡辺明3時間38分、△永瀬3時間57分。勝った渡辺棋王はスコアを2勝0敗としました。第3局は3月6日(日)に新潟県新潟市「新潟グランドホテル」で行われます。
(生姜)