2019年3月
両対局者が大盤解説会場へ
終局直後の様子
【広瀬竜王のコメント】
――難しい相居飛車になったと思いますが、作戦的にはいかがでしたか。
「飛車先交換の得が生きればと思っていました。本譜は攻めを呼び込む形になって、途中から相手の玉が堅いので丁寧な指し方が要求されました」
――優勢を意識されたのはどのあたりですか。
「▲3三桂成(83手目)と角を取って指せると思いましたが、▲7四飛(89手目)が変な手で。飛車を無理矢理取りに来られる順を軽視していて。実戦的には大変な将棋になってしまった気がしました」
――最後はいかがですか。
「王手竜取りで勝ちかなと思っていましたので」
――本局で1勝返して、第4局に向けての意気込みを聞かせてください。
「まずはひとつ勝ってホッとしているところです。第4局はすぐに行われますのでコンディションを整えて頑張りたいと思います」
【渡辺明棋王のコメント】
――途中で飛車と銀の交換になりましたが、形勢はいかがでしょうか。
「攻めるしかない展開になってしまったので、ちょっと作戦負けかなと。まずいかなと思いました」
――中盤で△5五歩(98手目)▲4七銀と進みましたが、いかがでしたか。
「ちょっと駒が足りない気がしていましたけど。飛車1枚ではなかなか攻めがないので、ちょっと足りない形勢かなと」
――控室では△5五歩と突かずに△4八飛と打ったほうがよかったのではないかという声もありましたが。
「その手も考えましたが、受けられて足りないかなと。確かにそのほうがアヤがあったかもしれませんね」
――序盤の作戦負けがずっと響いたという感じでしょうか。
「結果的には。別れがあまり自信がなかったので。本譜のような攻め合いで1手足りていないと思っていました」
――1週間後の第4局に向けていかがでしょうか。
「今日は細かいミスも多かったので、次は気をつけて指せればと思います」
(琵琶)
広瀬竜王が初勝利
図の局面で渡辺明棋王が投了しました。終局時刻は18時27分。消費時間は、▲広瀬3時間37分、△渡辺明3時間50分。
広瀬竜王が初勝利を挙げ、シリーズ成績を1勝2敗としました。第4局は3月17日(日)に栃木県宇都宮市「宇都宮グランドホテル」で行われます。
(紋蛇)
先手が優勢に
17時30分頃の控室
棋王が飛車を取りにいく
ホテル周辺を散策
互いの主張が激突
15時45分、局面は激しい展開に進んでいます。1図の△6六歩に対して広瀬竜王は▲6六同金と歩を取りました。控室では危険ではといった声も聞かれていましたが、▲6六同金は後手の攻めが成立しないといった意思表示とも取られています。▲6六同金以下、△8七銀▲同金△同歩成△8六歩▲7八玉△8五金▲4五桂△7五金▲3三桂成△同金寄▲7五金△6六角(2図)と進みました。互いの主張がぶつかり合って、局面はさらに激しさを増しています。肝心の形勢は難しいと見られています。
(琵琶)
午後のおやつ
15時、対局室におやつが運ばれました。渡辺明棋王がガトーフレーズ、アイスコーヒー。広瀬竜王がジョエル・ロブションのロールケーキ、ホットコーヒーを注文しました。ガトーフレーズは新潟グランドホテル特製のスイーツで、4月30日まで期間限定で販売しています。
(広瀬竜王が注文したジョエル・ロブションのロールケーキ、ホットコーヒー。午前中に渡辺明棋王が注文したスイーツだ)
木村一基九段と近藤正和六段が試食しました。新潟日報のツイッター
https://twitter.com/nippo_event?lang=ja
にも記事が掲載されています。
(琵琶)