(日本将棋連盟会長 谷川浩司九段の挨拶)
「こちらに来る途中に思い出したのですが、昭和61年ですからずいぶんと昔の話になりますね。初めて棋王位を獲得したのが、ここ新潟でした。
新潟日報さまにはそれ以前から、30年以上にわたりまして五番勝負のうちの一局を開催していただいております。改めまして厚く御礼申し上げます。また協賛、ご協力をいただいた皆様にも、あわせてお礼を申し上げます。
今回の五番勝負は、渡辺棋王と三浦九段という初めての顔合わせになりました。渡辺棋王は棋王と王将の二冠ということで、1月から王将戦七番勝負で羽生三冠の挑戦を受けています。現在は2勝1敗ということで、ここからはダブルタイトル戦ということになります。1月は対局が多かったようですけれども、ハードスケジュールのなかでも調子を上げていくのではないかと思っております。
三浦九段は今年度のトータルの成績では、ご本人は満足いっていないかもしれません。そのなかでも昨年は九段に昇段しまして、挑戦者決定二番勝負でも若い永瀬拓矢六段を相手に難しい将棋を勝ち切ったということは、大きな自信になったのではないでしょうか。
明日は9時から対局が始まります。持ち時間が4時間ということで、午前中からスピーディな展開になるかもしれません。新潟日報紙をはじめ、ネット中継やニコニコ生放送などで多くの方に見ていただければと思います。また明日は大盤解説会もあり、私も午前中に少しだけ顔を出す予定です。
棋王戦開催にあたりまして、お世話になった方々に改めて御礼申し上げます。ありがとうございました」
(書き起こし・烏)