渡辺棋王
「みなさま、改めまして、こんばんは。本日はこのような盛大な前夜祭を催していただき、また多数の皆様に参加いただきまして、ありがとうございます。
この棋王戦は昨年2回目の挑戦だったのですが、タイトルを取ることができました。昨年の新潟対局は第3局でしたが、途中で私のほうに結構良い手が出まして、2勝目を挙げて棋王位獲得の大きな原動力になりました。
もともと両親が上越市の出身ということもあり、新潟には縁がありました。その後も新潟では数多く対局させていただきまして、はじめてタイトルを取ったのもここ新潟でしたので、個人的には非常に縁起のよい場所だと思っています。明日も縁起のよさを生かして、なんとか頑張りたいと思っています。
今回ははじめての防衛戦になります。1回で無くなってしまうと、そもそも自分が棋王をとったことを忘れられてしまいそうなので、2回3回と実績を重ねていきたいと思います。
明日は日曜日ということもありまして、多くのお客様にご来場いただけるのではと思います。今週は王将戦第3局を指しまして、そこで負けてここに来ているのですが、早い時間に終らせてしまったのでお客様には不評だったかもしれません。ですので明日は、結果はともかくとして満足していただける将棋を指したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします」
三浦九段
「みなさん、こんばんは。実は私の父も佐渡の出身でして……ええと、みなさん、こんばんは。
すみません、言おうとしていたことを渡辺さんに先に言われてしまいまして、渡辺さんは上越市ということで。はい。
ちなみにですね、去年は棋聖戦で立会いをしまして、そのときの対局者が渡辺さんでした。そういった渡辺さんとタイトル戦を戦えるというのがうれしいです。棋聖戦といえば、私が棋聖のタイトルを獲得したのが、ここ新潟でした。非常に思い出深い場所です。
新潟の印象としては、まず食べ物がおいしい。あと美人が多い……あ、いまのは忘れてください。明日はよい将棋を指したいと思っています。新潟日報さまをはじめ、皆様にはお世話になります。よろしくお願いいたします」
(書き起こし・烏)
(吟)