2013年3月10日 (日)

戦型予想など

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谷川「講演会では、前半はプロは何手読むかや将棋に向き合うには何が必要かなど将棋について話しました。後半は私自身も阪神大震災にあいまして、柏崎市は新潟県中越沖地震から5年になりますし、東日本大震災から明後日で2年となります。私の経験を踏まえながらお話ししました。復興支援扇子に『頑張り過ぎないで下さい』と書きました。どうしても『頑張ってください』と声をかけたくなるのですが、被災された皆さんは毎日毎日頑張っていらっしゃるので、復興までは長い時間かかりますから少しずつ歩んでいこうという気持ちで、『頑張り過ぎないで下さい』と声をかけた方がいいのではないかとお話ししました」

本田「講演会で質問コーナーがあったそうですが」

谷川「最初に市長に手を挙げていただきまして、「対局でとんでもない失敗をしたことはありますか」と質問されました。他には電王戦や渡辺竜王と私の将棋に共通点があるのではないかなどの質問をされました」

本田「1勝1敗で迎える第3局ですが、これまでの対局を見ていかがですか」

谷川「第1局は相掛かりになりまして、郷田棋王の特徴は格調の高さ、本格的な将棋ですが、郷田さんらしさが出た将棋だと思います。第2局は横歩取りで意外な展開になりました。郷田さんにもチャンスがあったが、つかみきれずに渡辺さんの価値。郷田さんは第2局の出来にかなり不満を持っていると思うので立て直してくるでしょう」

本田「戦型はどのようになりますか」

谷川「ゴキゲン中飛車になればいいのですが、そうはならないと思います。羽生さんや佐藤康光さんの将棋は予想しにくいですが、今回のお二人は居飛車党ですので、▲2六歩に渡辺さんが△8四歩なら相掛かり、△3四歩なら横歩取りになると思います」

青野「私は2年前に渉外担当の理事として柏崎対局に来ました。新潟日報さんが毎年棋王戦を開催してくださり、柏崎でできないだろうか、というお話しをいただきまして、将棋連盟と新潟日報が相談して、非常に素晴らしい対局ができたと思います。タイトル戦は新聞社と自治体、支部連合会、企業のスポンサー、ファンの皆さま、本当にさまざまな方にかかわってくださって、素晴らしい対局が行われている。タイトル戦のお手本ではないかと思います。これからも続けていただければと思います」

本田「今日は東京組対局者と一緒に移動されましたが」

青野「リラックスしている感じでした。緊張という感じではありませんでした。渡辺さんは漫画を読んでいましたよ」

本田「私は郷田さんの隣でしたが、話をした後は、携帯電話を触っていました。明日の対局はどのようになりますか」

青野「世代の対決ということもあります。渡辺さんが三冠になるのか、郷田さんが意地を見せるのか。シリーズの行方がどうなるかは、将棋界がどうなるかを占うことにもなると思います。
戦型はこないだ先手で勝ったので後手でも勝って見せると。そういうことをやってくるのではないかと思います」

近藤「柏崎対局ありがとうございます。大盤解説会にも来てくださり、ぜひご来館いただければと思います。明日は谷川会長や青野九段は居飛車の予想です。会長からは心配されているようですが、居飛車でしょうけどそんなに気にしないで話していきたいですね」

本田「谷川会長と青野九段も大盤解説会に顔を出していただけるそうです」

近藤「私は乱戦になってほしいなと思います。後手の渡辺さんが勢いで何が何だか分からないような戦法。最近はそうはならないのですが、あまり前例の少ない将棋になってほしいなと思います。いまはネット時代で実戦例がここまで同じというのは振り飛車党には分からないんですよね」

本田「明日は振り飛車党からの視点から解説をお願いしたいと思います」

近藤「明日は中飛車はなくても、矢倉中飛車はあるかもしれません!」

本田「明日は近藤先生と二人で解説します。たくさんの方にお越しいただければと思います」

(写真・烏、文章起こし・銀杏)