渡辺竜王は△3三歩(図)と受けて先手の攻めを催促した。銀損の先手は手を止めることはできない。ただ、ここで単に▲4二桂成は△同飛で△4七飛成を狙われて困りそう。どうやって後手陣に迫るかが問題だ。有力なのは▲7一角。これを入れてから▲4二桂成と取れば、今度は△同飛とは取れない(▲5三角成がある)。想定される変化の一例は▲7一角△7二飛▲4二桂成△同金▲5三角成△同金▲4五桂。先手は銀損から角損になりさらに駒損になるが、局面の焦点は先手の攻めが続くかどうかにある。攻めが続けば駒損はあまり問題ではなくなる。先手の玉は堅いので、攻めが続く形になれば優勢になるだろう。
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2012年12月26日 (水)