「佐藤九段が作戦勝ちからうまく戦機をつかんだと思ったのですが、ずっと難しかったのかもしれません。途中からは佐藤九段の攻め、久保棋王の受け、という展開になりましたが、78手目の△2七角から△8四歩と突いて馬冠を構築した構想が絶妙だったとおもいます。あの手筋は初めて見ました。終盤、佐藤九段も食いつきましたが、やはり馬の守備力が大きく少し足りませんでした。決着局も本局のような熱戦を期待します」(村山五段)
「仕掛けた直後ぐらいは佐藤九段に不満なしと見ていましたが、その後目立った悪手もなく負けてしまったという感じがしました。この独特の大局観が今の久保棋王の強さだと思います。振り飛車党には参考にしたい手筋も多くでましたし、久保棋王にとっては会心譜だったのではないでしょうか。これでまたもやフルセットということで、本局以上の熱戦を期待しています」(広瀬五段)
2010年3月19日 (金)