2010年2月

2010年2月 5日 (金)

上海といえば、中国の中でも新興著しい国際都市です。新しい建築物が建設ラッシュである一方、洋風の趣のある建物もあり、それらが夜になるとライトアップされ、非常に幻想的な雰囲気を醸し出して綺麗です。多くの観光客が、この夜景を見ようと訪れるのも頷けます。Dsc_0163 Dsc_0174
写真は、租時代に華やかな文化で栄えた外灘というエリアで、黄浦江沿いに、欧風の歴史的建造物が並びます。また、その対岸は、4日の昼にも訪れた浦東エリアで、そのに並ぶ高層建造物も華やかにライトアップされ、昼間とは全く異なる様相です。
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午後1時から昼休後再開となります。約10分くらい前に、佐藤九段が席につき、しばらく、棋譜を見ていました。定刻から4~5分遅れて、久保棋王が戻りました。久保棋王は、席につくと、記録の中村太地四段に「今まで、どれくらい(持ち時間を)使ってますか?」と訊ね、間もなく、再開後の手▲3九金を指しました。佐藤九段も時間をおかずに△同角成を着手。その後、数手がバタバタと進んで、午前中とはうって変わり、進行が早くなってきています。
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Zumen01 ▲6八銀に久保棋王は、57分の長考。対して、佐藤九段も呼応するかのように△7三桂に39分を費やし、ここで、昼食休憩となりました。序盤からの超急戦に双方頭を抱えて読みに耽る展開となっています。

今回の対局で使用されていますのは、掬水作 水無瀬書です。流麗な筆運びと漆の盛りが絶妙の一品です。
尚、久保棋王、佐藤九段共に、昼食は、ルームサービスでのチャーハンでした。
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2010年5月1日から10月31日まで上海万博が開催されます。目標入場者数7000万人、なんと北京オリンピックの約10倍とも言われる大規模なイベントです。現在、上海市内は、万博に備えての工事があちらこちらで急ピッチで行われており、現代的な建築物が建設中であったり、交通機関の整備も同時に行われています。

昨日4日に、対局者一同、空港からホテルに向かう途中で、万博開催予定地を見学。そして、浦東エリアの東方明珠塔で記念撮影。
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Dsc_0250 午前のおやつが対局者に運ばれました。佐藤九段は、ティラミスを注文。一方の久保棋王は、なしでした。が、序盤早々から、手将棋模様で緊迫しているためか、佐藤九段はティラミスをキャンセル。運びはしましたが、遠慮したとのことでした。佐藤九段にしては、珍しいことです。
さて、そのティラミス(右写真)ですが、下げて、冷蔵庫に保管中とのことです。

Dsc_0227 記録係りを務める中村太地四段が久保棋王側から「歩」五枚取り上げ、振り駒をしました。その結果、タテに立った駒が2枚、重なった駒が2枚、歩が一枚となりました。
中村四段が「歩が一枚です。」久保棋王の先手となりました。これは、立った駒、重なった駒が無効となるためです。

立会人の青野照市九段が「定刻になりましたので、久保棋王の先手でお願いします。」
いよいよ、対局が開始と思いきや、数十秒後に久保棋王が、駒が重なったことが判別しにくかったせいか、立会の青野九段に「私が先手ですよね?」と自分を指差して確認しました。確認後、久保棋王の初手は、▲7六歩。

関係者一同が控え室に戻ると、振り駒の話題に。やはり、一瞬勘違いして、佐藤九段の先手と思った人もいました。
「対局者の久保棋王が確認したくらいですからね。我々が勘違いしても無理はないです。」しかし、さすがに対局する本人は、まずそうだろうと思っても、ちょっとでも疑わしきは確認をしたほうが安全。
「上海まで来て、開始早々反則では、洒落にならないですからね。」
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Dsc_0208 第35期棋王戦五番勝負第1局が中国・上海市レキシントンプラザホテルで午前9時から始まります。昨年は、お互いの立場が逆で、佐藤康光棋王に久保利明八段が挑戦する、という構図でしたが、そのシリーズで久保が棋王のタイトルを奪取。従いまして、今回は、佐藤康光九段が挑戦者として久保利明棋王に挑みます。

午後6時20分から、対局会場と同じレキシントンプラザホテルの4階で、前夜祭が開催されました。
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上海支部の許建東氏(上左写真)の挨拶から始まり、共同通信社 編集事業部 田中章部長(上右写真)の挨拶。
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今回、立会を勤める青野照市九段(上左写真)、そして久保利明棋王(上中写真)、挑戦者の佐藤康光九段(上右写真)と挨拶を行いました。
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挨拶が終わったあと、両対局者に花束贈呈、そして、記念撮影が行われました。  
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