時刻は14時を回り、53手目▲２五桂まで進みました。この桂跳ねは△同桂とタダで取られますが、▲２六歩と打てば取り返すことができます。棋士室の畠山鎮七段は「（先手は）２五の歩があると勝ちにくいと見た、決断の一手ですね」と話しています。

（私物のノートパソコンで観戦しながらコメントを寄せる畠山鎮七段）

（３階の棋士室には村田女流二段の兄の村田智弘六段が姿を見せている）

（練習将棋の合間に本局の進行を確認する女流棋士ふたり）

（長谷川優貴女流二段）

（北村桂香女流初段）

（両者とも再開10分前には席に戻っていた）

（41手目▲５九角の局面）

（両者の残り時間）

（村田女流二段は再開の合図を聞くとすぐに△２四歩を指した）

図の41手目▲５九角の局面で12時になり、昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲谷口女流二段47分、△村田女流二段１時間12分。昼食の注文は村田女流二段がハンバーグ＆海老フライ盛り合わせ（サービスランチ）、谷口女流二段が玉子とじうどん。対局は12時40分から再開されます。

まだしばらく駒組みが続くかと思われた矢先、村田女流二段が△７五歩▲同歩△７二飛と動きました。直前に先手が▲２七銀と上がり、４九の金が離れ駒になっています。その一瞬の隙を突いた仕掛けです。

（対局開始前の様子）

11時15分、局面は33手目▲２七銀まで進みました。互いに玉を堅く囲う持久戦になっています。このあと、どちらが先に仕掛けるかに注目です。

（得意の中飛車に振った谷口女流二段）

開始から30分が経過しました。谷口女流二段の中飛車に対し、村田女流二段は角道を開けないまま左美濃に組んでます。

（序盤から工夫を凝らした作戦を見せる村田女流二段）

10時になり、対局が始まりました。振り駒の結果、先手は谷口女流二段です。

（対局開始の一礼）

（先手番の谷口由紀女流二段）

（後手番の村田智穂女流二段）

（▲７六歩△８四歩の出だしだった）

第８期リコー杯女流王座戦は二次予選が進行中。６月11日（月）は、村田智穂女流二段－谷口由紀女流二段戦（第３ブロック）をお送りします。

対局は、関西将棋会館「芙蓉の間」で10時開始です。持ち時間は各３時間（チェスクロック使用）で、使いきると１手60秒未満の秒読み。先後は振り駒で決定します。

【棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/kifu/8/joryu_ouza201806110101.html

【１】清水市代女流六段－中村真梨花女流三段
【２】上田初美女流四段－磯谷祐維奨励会員
【３】村田智穂女流二段－谷口由紀女流二段
【４】鈴木環那女流二段－長谷川優貴女流二段
【５】山口恵梨子女流二段－伊奈川愛菓女流初段
【６】岩根忍女流三段－山根ことみ女流初段
【７】中井広恵女流六段－伊藤沙恵女流二段
【８】藤井奈々女流２級（本戦進出）
【９】竹俣紅女流初段（本戦進出）
【10】甲斐智美女流五段－山田久美女流四段
【11】和田あき女流初段－石本さくら女流初段
【12】本田小百合女流三段－井道千尋女流二段

本局の中継は夏芽が担当します。よろしくお願いいたします。

――本日の将棋を振り返って、勝負のポイントをお願いします。

竹俣　序盤は少し苦しかったですが、そこからは難しい局面が続き、66手目△６六歩と突き出せて少しよくなったかと思いました。80手目△５五銀～△５四銀が受けすぎで、そこはいろいろ手があって迷ってしまって、結果として悪い手を選んでしまいました。それで微妙になってしまいましたね。ただ、自玉が堅かったので、ここから頑張れば持ち直せるかなと思いました。最後は△２七飛成からの詰みが見えて勝ったと思いました。

ーー本戦入りを決めた感想と意気込みをお願いします。

竹俣　本戦入りはできるとは思っていませんでした。リコー杯では初めての本戦入りなのでとてもうれしいです。本戦の雰囲気に負けず、自分の力を出しきるようにしたいです。

ーーありがとうございました。最後にファンの方に向けてメッセージをお願いします。

竹俣　ハイレベルな将棋は指せないですけど……でも、ちょっとでも自分の将棋を見て面白いなと思ってくださったらうれしいです。ありがとうございました。

別室でインタビューをしました。

※写真の撮影には、リコーイメージング株式会社のPENTAX K-3 を使用しております。