リコー杯第13期女流王座戦就位式が2月14日に帝国ホテル東京で行われました。そちらのダ模様を動画でご覧いただくことができます。以下からご覧ください。
共同記者会見
感想戦終了後、対局室で防衛を果たした里見女流王座にインタビューが行われました。
――シリーズ全体を通して印象に残っている対局はありますか。
里見 第3局は不甲斐ない将棋でしたので、今日はそういうことがないようにという感じで臨みました。
――今シリーズは全局、中飛車でした。
里見 はい。全局、微妙に違う形で、いろいろな将棋を指すことができたと思っています。
――西山朋佳女流四冠とタイトルを分け合う状況が続きます。どのように受け止めていますか。
里見 女流王座戦が今年最後のタイトル戦でした。防衛できて、ひとつ結果を出すことができてよかったと思います。タイトル戦での課題もあるので修正したいです。
――どのような課題ですか。
里見 本局は力戦形に持ち込まれたなと思っていて。しっかり腰を落とさないといけないところや勝負どころで間違うことが多かったので、自分の甘さを痛感したところはあります。
――今年のタイトル戦を振り返っていかがでしょうか。
里見 女流王位戦から始まって、夏場からタイトル戦が重なって忙しいところもあったのですが、戦っていく中で出来不出来が目立っていたかなという気がするので、不出来の将棋を極力、なくせるようにコンディション作りをしていきたいなと思っています。
――西山さんとタイトルを4つずつ分け合っている状況です。来年はどういったことを目指しますか。
里見 いっぺんにダメにしてしまう将棋が多かったような気がするので、反省の残る1年だったかなと思います。タイトルの数は大事なのかもしれないですが、自分の欠点をなくせるように将棋を指していけたらと思っています。
――先を見据えて長いスパンでやっていくことを考えていらっやるのですか。
里見 タイトル戦が終わったので整理する時間が確保できると思うので、そのあたりを今後は考えていき、対局が増えてきたら対局に集中するようにできたらと思います。
――振り飛車をメインにやっていますが、別の戦型など戦法の面でテーマとすることは考えていますか。
里見 時間ができればいろいろな形を研究したい気持ちはあります。時と場合によるかなと思いますが。
――今シリーズで苦しい場面はどういったところでしたか。
里見 第1局では勝負どころでふいにしてしまいましたし、第3局は一方的な内容になってしまって反省が残りました。
――よかった点は。
里見 第3局から切り替えて本局に挑むことができたのはよかったかなと思います。
――3連覇して。
里見 女流王座戦は年の最後のタイトル戦です。それがまた来年も同じ形で将棋が指せるのは幸せなことかなと思っています。
――年が明けたら女流名人戦が始まります。抱負をお願いします。
里見 年明けに女流名人戦でタイトル戦が戦えることはすごく幸せなことですし、何かひとつでも得るものが多いようなタイトル戦にできればと思います。
以上で本局の中継を終了いたします。ご観戦ありがとうございました。
第14期もどうぞお楽しみに!
終局直後
――本局を振り返って。どんな将棋でしたか。
里見 加藤さんのほうから動かれて。こちらが駒得だったので少し指しやすいかなと思っていたのですが、具体的に優勢に結びつけるのは……。迷いが生じてしまって一手一手、時間を使いながらという感じでした。
――優勢を意識したのはどのあたりですか。
里見 最後のほうです。△6八竜(100手目)と角を取って、そのあと駒得が回復したのでいいのかなと思っていました。
――女流王座3連覇です。シリーズ全体を振り返って。
里見 苦しい将棋が多くて。前局は不甲斐ない将棋だったので、しっかり反省して次に生かせたらなと思います。今期は勝負どころで間違えることが多かったので、課題の残るシリーズだったと思います。
――本局を振り返って。どのような将棋でしたか。
加藤 中盤以降、見落としが何度かあって、ずっと苦しくて……。自分にとって大一番なのに情けない将棋を指してしまいました。
――昼食休憩前に角を切って、△4五角(56手目)と両取りを掛けられたあたりの局面をどう見ていましたか。
加藤 そのあたりは自信がないです。
――見落としは具体的にどの局面ですか。
加藤 △3四飛(52手目)と回られた局面です。
――シリーズ全体を通しての感想をお願いします。
加藤 難しい将棋が多かったなと思っていて。内容がよかった将棋もあれば本局のようなあまりよくない将棋もあって。もっと勉強してまた戻ってきたいです。
里見女流王座が防衛
リコー杯第13期女流王座戦五番勝負第4局は、142手で里見女流王座が制しました。終局時刻は17時14分。消費時間は▲加藤2時間56分、△里見2時間26分。これによりシリーズ成績は里見女流王座の3勝1敗となり、タイトル防衛(3連覇・通算7期目)が決まりました。