2013年12月 4日 (水)

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以上で第3局の中継を終了いたします。
ご観戦誠にありがとうございました。

第4局は12月13日(金)関西将棋会館で行われます。
どうぞお楽しみに。

Img_3760終局直後の様子。

Img_3770勝って2勝1敗と王手をかけた里見女王・女流名人。

【里見女王・女流名人インタビュー】

――本局は居飛車を採用されましたが、これは予定でしたか
「そうですね」

――序盤は、どのような展開を予想されていましたか
「横歩取りになるのかなと思っていました」

――序中盤の構想はいかがでしたか
「▲5五歩(27手)と突いたあたりが……。そこから角を打ちあって、相手の銀も使えないのかなと思ったのですが、動かす駒が意外に難しくて」

――△1六歩を突かれたところはどうでしたか
「そこは悪いと思います」

――終盤はいかがでしょうか
「終盤もずっと苦しかったと思います」

Img_3780逆転で敗れた加藤女流王座は後がなくなった。

【加藤女流王座インタビュー】

――本局は一手損角換わりから好調な展開に見えましたが
「▲5五歩を突かれたことがなかったので、3六歩を取ったらどうなるのかなとずっと考えていたのですが、本譜の展開なら少しいいかと思いました。でも最後は、ちょっと悪い手を指してしまいました」

113「あれ?」
「これはちょっと……」
「寄せが決まっていない」

前図から控室では△8九馬でまだ手数がかかりそう、と言われていましたが、加藤女流王座は△7八金の強手で決めにいきました。ところが数手進んだところで、決め手が見つからず、控室では、後手の寄せを懸念する声が連続してあがりました。

深浦九段に「後手変調ですか?」と聞くと、「いや、これは……変調を通り越していますね」とのこと。決めにいって決められなかった加藤女流王座。流れは一気に先手に傾いてしまったようです。

103図の局面で時刻は18時を回りました。里見女王・女流名人は91手目で残り1分となっています。加藤女流王座はその時点で残り5分でしたが、現局面で時間を使っているため、こちらも間もなく1分将棋に入りそうです。
Twitter解説の阿部四段は、見切りよく後手勝勢と判断しました。控室の深浦九段は、「後手優勢は間違いないですが、もう少し手数はかかりそうなので、勝勢一歩手前としておきます」とのことです。

84加藤女流王座は取れる銀を取らずに△4六馬と引いて寄せを狙いました。図の△8六桂は寄せの手筋です。しかし「▲8六同歩△同歩に▲7九桂で頑張りますね。そこで早い寄せがないと、先手からも▲8二歩△同飛▲2一竜として、銀が入れば、というプレッシャーを後手に与えることができます。先手は頑張りがいがある局面ですよ」と深浦九段。

76時刻は17時を回り夜戦に入りました。図の△8一飛はTwitter解説の阿部(光)四段も推奨していた一手で、形勢評価もこの手を境に後手優勢と一歩進められています。

Img_3756外はすっかり夜のとばりが下りた。

60図の△6五歩は控室で近藤六段が検討していた手。予想される進行の一例は▲6五同歩△同桂▲6八銀△8六歩▲同歩△8五歩▲6六馬△8六歩▲8三歩△同飛▲8四歩△8一飛(近藤図)。

72この展開は△6九角や、機を見て△3七歩成と桂を補充する手があって攻めが続くようです。
実戦は△6五歩に▲同歩△同桂▲5七金△4七角と進んでいます。残り時間は▲里見29分、△加藤27分。

Img_374016時30分頃の控室。近藤六段を中心に検討が行われている。

54図の△3六歩は控室で近藤六段が推奨していた手。
「△3六歩は"金は斜めに誘え"ですよね。▲3六同金は△4七角と打っておいて、先手が金取りを受けたときに△5六角成が自玉頭を手厚くして好手なんですね。先手は歩得していますが、駒の効率が悪すぎて駒損しているのに等しい状態です」(近藤六段)

実戦は図から▲2四歩△同歩▲2三角と進んで、残り時間は▲里見39分、△加藤43分。