2020年12月 9日 (水)

Photo_38(西山女流王座は逆転でカド番をしのいだ)

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Photo_40 (里見香女流四冠は優位に立っていたが、決めきれず)Photo_41

Photo_42(感想戦は30分ほど行われた)

終局直後、インタビューが行われました。
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【西山女流王座のインタビュー】

――一局を振り返っていかがでしたか。
西山女流王座 難しい将棋でしたが穴熊に囲われてしまって。陣形差が出てくると思って動きましたが、強引気味な仕掛けをすることになってしまいました。
――途中、控室では千日手かといわれていましたが
西山女流王座 間合いをはかっているつもりだったので、千日手のつもりはありませんでした。
――最後はどこで勝ちになったと思いましたか。
西山女流王座 ▲9五香と打って、受けがないのではと。
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【里見香女流四冠のインタビュー】

――一局を振り返っていかがでしたか。
里見女流四冠 途中少し指せていると思いましたが……終盤、▲7四銀打と打たれて苦しくしたように思います。

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20201209a_3西山女流王座が第4局を制し、カド番をしのぎました。後手玉は△7三同桂▲9三金△8一玉▲9二金△7一玉▲6二成桂までの詰み。終局時刻は17時56分。消費時間は▲西山女流王座2時間53分、△里見女流四冠2時間59分。第5局は12月14日(月)、東京・将棋会館で行われます。

20201209g 西山女流王座の攻めが止まらず、一気に後手玉を寄り形に追い込みました。先手玉も妙に安全で、逆転模様と見られています。

20201209e やや苦しいと見られていた西山女流王座ですが、図の△4二金に対して▲7三銀成△同玉▲7四金△6二玉▲6四銀(下図)と、一気に攻め込みました。

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先手の攻め駒もかなり迫っており、猛追の雰囲気。控室でも「これは怖い……」「(上記の手順中の)△7三同玉が危ないのでは」という声があります。際どい戦いになってきたようです。

Photo_33(里見女流四冠は先手の攻めを呼び込む)Photo_34(西山女流王座はひっくり返せるか)

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図は16時40分での局面。里見香女流四冠は先攻を許したものの、穴熊から玉を出て迎え撃ちました。これが好着想で後手がリードを奪ったと見られています。先手は▲9三香成は権利になっていますが、△同香のあと△9八香成が発生するので忙しくなります。図の局面での残り時間は西山女流王座が33分、里見香女流四冠が29分です。

20201209b58手目△6三角以降もにらみ合いが続いていましたが、15時30分過ぎ、とうとう▲7四歩から西山女流王座が仕掛けました。以下(1)△同角には▲7五銀、(2)△同歩には▲8六角が予想される進行です。先手は先攻したものの、自陣が薄いので駒を渡すと反動が厳しいのがネック。成否は微妙なところのようです。

Photo_32(西山女流王座が先攻。残り時間は双方とも1時間ほどだ)

Photo_28(鳩森神社。紅葉が散っており、冬の到来を感じさせる)

Photo_29(鳩森神社の敷地内にある将棋堂)

Photo_30(社殿)Photo_31(本日、両者が昼食を注文した「ふじもと」。東京将棋会館から徒歩5分ほどで着く)

20201209c_2 千日手の可能性が高いと見られていましたが、里見香女流四冠は△6三角と打って動きを見せました。模様よしと見ての打開でしょうか。次は△3六歩▲同歩△同角を狙っています。実戦は△6三角以下▲8五歩△9三銀▲6九玉(下図)と進行。西山女流王座は玉の引っ越し作業にかかっています。20201209d

Photo_27(里見香女流四冠。自陣角は功を奏するだろうか)