2012年6月29日 (金)

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(感想戦で笑顔を見せる西山朋佳2級)

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(インタビューを受ける西山朋佳2級)

--本局を序盤から振り返ってください。
西山朋佳・奨励会2級「居飛車穴熊で来られると思ってはいたのですが、序盤はゆっくり指しすぎた感じがあり、昼食休憩のあたりでは自信がありませんでした。△8九角成(94手目)は勝つとしたらこれしかないと思った勝負手で、勝ちになったと思ったのは130手目に△7七成桂と金を取ったところです」

--一次予選では四間飛車と三間飛車でしたが、今日ゴキゲン中飛車にしたのは。
西山朋佳・奨励会2級「師匠(伊藤博文六段)には四間飛車を勧められたのですが、練習での成績が良くなかったので、急遽ゴキゲン中飛車に変更しました」

--持ち時間3時間の対局は初めてでしたが。
西山朋佳・奨励会2級「やる前は長いと思っていたのですが、指してみたらあっという間でした」

--本戦に向けての抱負をお願いします。
西山朋佳・奨励会2級「また強い相手と対戦することになりますが、今日のように序盤を失敗しないよう、対局当日までしっかり勉強しておきます」

本日もご観戦いただきありがとうございました。

(翔)

_136第2期リコー杯女流王座戦二次予選▲村田智穂女流二段-△西山朋佳2級戦は16時21分、136手で西山2級の勝ちとなりました。投了図の先手玉は即詰み。西山2級は検討陣も予想していなかった素晴らしい見切りで寄せきりました。西山2級は初の本戦進出となります。

(翔)

_119図の▲6五桂が、後手の攻めを遅らせる犠打で妙手と言われています。以下△同角に▲6三歩成△同玉▲7三金△5三玉▲6二金。

_125▲6二金の局面、後手玉は打ち歩詰めで逃れていますが(▲6三飛△4二玉▲3三飛成△4一玉に▲4二歩が打てない)、先手玉を寄せるには駒を渡さなければなりません。現局面は先手が勝っていると見られています。

(翔)

_116
先手の攻めは切れない形ですが、後手の△6七成桂が次に△7七成桂▲同銀△6九飛の詰めろを見て、迫力のある攻めになっています。△6七歩成では角が受けに利いてきたところでした。攻め合いは後手に分があると言われています。先手に工夫が求められます。棋士室では後手が優勢と言われています。

(翔)

_104西山2級が強手を放てば、今度は村田女流二段の番。図から▲6三馬△同金▲6四歩とたたみかけていきました。

_109図は後手の金の処置が悩ましい局面になっています。△6二金は▲6三金とかぶせられます。ここで手が止まった西山2級ですが、しのぎ切れるでしょうか。

(翔)

_91昼休明けには、棋士室に西山2級の師匠である伊藤博文六段が訪れていました。一次予選で40分の持ち時間を使いきらなかったほどの早指しの西山2級に、しっかりと時間を使って考えるようにとアドバイスをしたそうです。

_94さて局面ですが、上図から西山2級が△3六銀▲5七飛△8九角成と強手を放ちました。以下▲同玉に△6五桂と飛金両取りをかけます。午前中に「駒がぶつかってからが強い」と評されていた西山2級の本領が発揮されてきました。

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(再開時、考えている村田智穂女流二段)

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(西山朋佳2級)

(翔)

_72図の△5四桂は、△6六歩▲7七金寄△6五桂の攻めを狙った手です。しかし、ここから▲2二歩△同飛▲8六角とぶつけたのが好手順と言われています。

_75▲8六角は▲6八金引の余地を作ったものです。▲2二歩△同飛と飛車を吊り上げたことによって、角交換後に▲3三角が生じています。村田女流二段は残り1時間を切りました。

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(対局再開時の西山2級)

(翔)

_5913時40分頃、村田女流二段が▲4五歩と仕掛けました。

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その後、ノータイムで左図まで進みました。西山2級が飛車交換に応じるかどうか、考えています。

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(再開直後、村田女流二段が右手の指を指揮棒のように小さく振って考えていた。村田女流二段と研究会で指すという奨励会員によれば、これは攻めを読んでいるときに出る癖だという)

(翔)