2022年12月13日 (火)

A7303149(終局後は主催紙インタビューが行われた)

A7303182_2【勝った里見女流王座の談話】

――一局を振り返って
里見「序盤で調子よく攻める展開にできたかなと思います」

――途中で清麗戦第2局と同じ局面になりました
里見「難しいと思いますが、こちらの方針が分かりやすいという気がしていました」

A7303248【敗れた加藤女流三段の談話】

加藤「攻められる展開は覚悟していましたが、途中で見落としがありました。その前に修正するか、駒組みの段階で考えなければいけなかったかもしれません」

――見落としというのは、▲5三歩(55手目)のことでしょうか
加藤「そうですね。痛すぎました」

Joryu_ouza20221213010197▲里見-△加藤桃戦は16時10分、97手で里見女流王座が勝ち、シリーズ成績を2勝1敗としました。消費時間は、▲里見1時間31分、△加藤2時間57分(持ち時間は各3時間)。第4局は12月20日(火)に東京・将棋会館で指されます。

20221213_72控室では直前の▲4一竜で後手が投了してもおかしくない、と言われていましたが、加藤女流三段が根性の粘りを見せました。△2一飛は▲3一竜に△同飛を用意した意味。簡単には土俵を割らないという精神力がないと指せない一手です。

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20221213_59図は2五に桂を打った局面。控室で検討している真田八段と杉本和五段の見解は先手優勢で一致しています。△2三金寄なら▲5二歩成△同飛▲4三歩成で技が決まります。加藤女流三段は56手目△3三桂に36分使っていましたが、この局面でも40分ほど手を止めており、苦慮していることがうかがえます。

14時になり、両対局者に午後のおやつが出されました。メニューは両者とともに「パリパリチョコミルクレープ~アーモンド風味~」。飲み物は里見女流王座が「青森県産りんごストレートジュース、アイスココア、アイスロイヤルミルクティー」、加藤女流三段が「京都府産一番茶使用 贅沢抹茶ラテ」です。

A7303147(里見女流王座のメニュー)

A7303136(加藤女流三段のメニュー)

A7303130(奥は立会人の真田八段。継ぎ盤の前に座っているのは……)

A7303126(日本経済新聞観戦記の解説を担当する杉本和五段)

A7303121_2(継ぎ盤で▲5三歩が示されたあと、実戦もそのように進んだ)

20221213_4312時、この局面で加藤女流三段が24分使って昼食休憩に入りました。消費時間は☗里見51分、☖加藤49分。昼食注文は里見女流王座が「なべ焼うどん」(ほそ島や)とホットロイヤルミルクティー、加藤女流三段が「うな重セット(肝吸付き)」(ふじもと)とホット宇治抹茶豆乳ラテ。対局は13時に再開されます。

A7303036(なべ焼うどん)

A7303046(うな重セット)

20221213_32戦型は里見女流王座の5筋位取り中飛車に、加藤女流三段の居飛車穴熊。
図の△4二銀で、今年7月に行われた第4期大成建設杯清麗戦第2局の将棋と合流しました。
前例は図から▲1七桂に△3二金としましたが、本譜は△2四歩。以下、▲2六歩△3二金▲4五歩△同歩▲2五歩(第2図)と先手が上部から猛攻を仕掛けていきました。

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