2022年12月20日 (火)

Img_4133 終局直後の様子。このあと両者にインタビューが行われた。

Img_4148 勝って2勝2敗に追いついた加藤女流三段。

【加藤桃女流三段の談話】
―― 一局を振り返って。
「受けに回る展開になるので、難しいかなと思って指していました」
――(49手目)角切りから二枚換えになった辺りの手応えはいかがでしたか。
「振り飛車側から手がなければ成立していそうな気がするのですが。ただ、そんなに自信があったわけではないです」
――終盤の感触はいかがでしたか。
「受けて勝つプランだったので、自玉が見えなくなってからは攻めに専念できたかなと思います」

Img_4156 敗れて追いつかれた里見女流王座。

【里見女流王座の談話】
―― 一局を振り返って。
「攻め方があまりよくなかったかもしれないです」
――攻め方というのは、二枚換えのあと△6九角(56手目)の辺りでしょうか。
「そうですね。ゆっくり指すなら……うーん、ちょっとあまりよくなかったかと」
――形勢が悪くなったと思われたのは。
「純粋に駒損なので、悪いかなと思っていました」

Img_4166 インタビュー終了後に感想戦が始まった。

Joryu_ouza202212200101109図の局面で里見女流王座が投了しました。終局時刻は16時35分。消費時間は、▲加藤桃2時間15分、△里見2時間39分。
勝った加藤女流三段はシリーズの対戦成績を2勝2敗とし、フルセットに持ち込みました。第5局は12月23日(金)に東京・将棋会館で行われます。

2022122081_215時35分頃の局面。
△8五金と8筋を手厚くした後手に対して、加藤女流三段は▲7七桂と金取りに跳ねました。△8七桂に▲8九玉と逃げる手も用意しており、この手が絶好手です。控室では「決め手級と言っていい」、「紛れがなくなった」など、先手が大きくリードを広げたと評価されています。

202212207715時の局面。
図の▲5五馬が攻防に働く絶好の位置で、先手が順調にリードを広げていると評判です。ただ、後手玉もまだ耐久力があるので、寄せ切る構図までは見通せていません。決め手を繰り出すまでは、まだまだ油断はできない局面のようです。

Img_4006 加藤桃女流三段が差を広げている。

14時を回り、両対局者に午後のおやつが出されました。メニューは両者ともに「バスクチーズケーキ」。飲み物は加藤女流三段が「京都府産一番茶使用 贅沢抹茶ラテ」、里見女流王座が「青森県産りんごストレートジュース、アイスココア、アイスロイヤルミルクティー」です。

Img_4130 加藤桃女流三段の注文。

Img_4124 里見女流王座の注文。

2022122067図は13時50分頃の局面。
控室では後手が勝負に持ち込む手段が検討されていますが、思わしい順が見つかっていません。「これは、すでに先手優勢と言ってもいいと思います」と野月八段。最終局決戦にもつれこむ可能性が高まっているようです。

Img_4121 控室では清水市代女流七段も検討に参加している。

202212206012時、図の局面で加藤女流三段が8分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲加藤47分、△里見55分。昼食の注文は加藤女流三段が「うな重セット、肝吸」(ふじもと)と「ホット宇治抹茶豆乳ラテ」、里見女流王座が「なべ焼きうどん」(ほそ島や)と「ホットロイヤルミルクティー」。対局は13時に再開します。

Img_4089 うな重セット、肝吸。

Img_4086 なべ焼きうどん。

Img_4091 ホットロイヤルミルクティー(左)、ホット宇治抹茶豆乳ラテ。

202212205611時20分頃の局面。
控室では立会の野月八段と新聞解説の瀬川六段が検討しています。
「形勢はまだ何とも言えませんが、先手は成銀を作ったのが手厚く、これは加藤さん好みの展開だと思います。いま打たれた△6九角は手厚くされる展開を嫌って勝負にいった手です。少し無理をしている感じがするので、先手がこの角にうまく対応できれば、というところだと思います」(瀬川六段)

Img_4080 検討の様子。