2024年2月 4日 (日)

15時のおやつは、藤井棋王が加積りんごジュースとアイスティー、伊藤七段がいちご大福と温かい緑茶を注文しました。魚津市は富山県を代表するりんごの産地。加積りんごはりんごの栽培地としては南に位置するため樹上で熟す期間が長く、味、香り、食感のバランスのよさが特徴です。

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藤井棋王の玉が五段目に到達しました。入玉までもう少しです。互いに入玉して詰ます見込みがなくなると、大駒を5点、小駒を1点として数え、双方24点以上を確保できる場合は持将棋になります。通常の公式戦は千日手と同様に指し直しますが、タイトル戦は引き分けとして扱われます。

棋王戦で過去の五番勝負をさかのぼると、1988年に行われた第13期五番勝負第3局が持将棋になっていました。第13期五番勝負は高橋道雄棋王に谷川浩司王位(肩書はいずれも当時)が挑戦したシリーズ。熱戦は第6局にもつれ込み、挑戦者の谷川王位が3勝2敗1持将棋で棋王復位を果たしています。

藤井棋王は公式戦で持将棋の経験がなく、伊藤七段は1回経験があります。相入玉の将棋は玉を詰ますのではなく点数勝負に変わるため、異様な戦いになることがほとんど。特殊な技術が求められます。例えば、大駒と金銀の2枚換えは金銀を持つ側が駒得で有利になるのが定説ですが、点数勝負では5点と2点の交換で大損になってしまいます。現状は先手25点、後手29点で後手の点数が多いため、先手が24点を確保できるかがポイントになります。

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13時から現地の大盤解説会が始まっています。村田顕六段は魚津市出身、服部六段と野原女流初段は富山市出身。広いホールは多くの来場者で埋まっていました。本局の注目度がうかがえます。

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対局室には藤井棋王、伊藤七段の順に戻りました。盤側に並んでいるのは、昨日3日に行われた大会「ミラたん杯こども棋王戦」の小学生低学年の部、小学生高学年の部、中学生の部それぞれの上位2人。緊張の面持ちで両対局者の様子を見守ります。13時に記録係から再開が告げられると、伊藤七段は少し間を置いてから盤上に手を伸ばしました。

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昼食は藤井棋王が魚津産紅ずわい蟹のスパイシーカレーオムレツのせ、伊藤七段が松花堂弁当を注文しました。松花堂弁当にはバイ貝を使った炊き込みご飯「バイ飯」、深海魚「げんげ」の唐揚げと、紅ずわい蟹と同じように地元の名物が使われています。

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20240204_85図の85手目▲6七金右の局面で伊藤七段が23分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲藤井1時間22分、△伊藤44分。対局は13時再開です。(銀杏)