2025年3月 2日 (日)

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藤井棋王が残り10分を切り、対局室に秒読みの声が響いています。控室では図の▲5五歩から△同金▲4六角△同金▲5四歩△2六角▲5三銀△同金▲3二飛成△4二歩▲5三歩成△同玉▲4六歩△4三銀という変化を調べていました。駒損でも飛車を成り込んで攻め、先手玉の堅さが生きそうな展開にも思えます。

実戦は藤井棋王が△6四金とかわし、▲4六角に△4七銀成と切り返して大決戦になりました。以下▲5四歩△3八成銀▲5三歩成△同金▲6四角△同金と進んでいます。

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先手は玉の堅さを生かして、うまく攻めをつなげられるかどうか。後手玉は非常に薄く心もとない形ですが、藤井棋王は第2局でも終盤で強靭な受けを見せて勝利を手にした実績があります。

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大盤解説会では飯島八段と武富女流初段が積極的に意見を交わしていました。図の▲5五歩は武富女流初段が「元気な手」として予想していた一着です。スクリーンに映る対局室の映像からは増田八段の高い駒音。藤井棋王は△8五歩と攻め合って決戦が見えてきました。互いに残り時間が少なく、スリリングな終盤戦になりそうです。

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指し直し局開始から2時間がたちましたが、じりじりとした展開でようやく序盤を抜けたような状況です。先手陣は堅さ、後手陣はバランスがそれぞれ主張。現代的な価値観に沿っているのは後手といえますが、薄い玉は一つのミスが致命傷につながりやすく、実戦的な苦労がつきまといます。森内九段は「わかりやすい攻めは△8五歩ですが、攻めきれないと自爆になってしまいます。すぐの攻めがうまくいかなければ、△3三金や△3三桂と手を入れる感じでしょうか。難しくて時間があればあるだけ考えたいですね。見どころは最後の一分将棋のたたき合いです」と話しています。

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日が沈んですっかり暗くなりました。夜景が美しい時間帯です。新潟グランドホテルから信濃川を挟んで向かい側には高層ビルの新潟日報メディアシップがあり、20階の展望フロアが無料で開放されています。

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棋王戦五番勝負で千日手が成立した例は過去に2回あり、今回は3回目です。1993年の第18期五番勝負第1局▲羽生善治棋王-△谷川浩司棋聖戦は19時11分、1998年の第23期五番勝負第2局▲郷田真隆六段-△羽生善治棋王戦は17時44分に千日手が成立しました(肩書は対局当時、以下同様)。

森内九段は前期の五番勝負第1局でも立会人を務めています。藤井棋王に伊藤匠七段(現叡王)が挑戦したシリーズですが、この第1局が持将棋になったことで話題を呼びました。棋王戦五番勝負での持将棋は、1988年の第13期五番勝負第3局▲高橋道雄棋王-△谷川浩司王位戦以来となる2回目でした。

千日手はタイトル戦でも通常の公式戦と同様、基本的には即日指し直しになりますが、タイトル戦での持将棋は無勝負として引き分けで1局と扱われる点に違いがあります。

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(前期五番勝負第1局の終局直後の様子)

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指し直し局は角換わり模様の立ち上がりから藤井棋王が角道を止めて変化し、増田八段は矢倉、藤井棋王は雁木に組みました。矢倉は増田八段の得意戦法。角換わりに比べてじっくりした戦いになるため、長期戦が予想されます。

大盤解説会には森内九段が出演しています。千日手成立直前は千日手と確信が持てるまで対局室の手前で待機し、成立後すぐに対局室に入れるようにしていたと、舞台裏を明かしていました。

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対局室には先に増田八段が戻り、数分後に藤井棋王が入室しました。一礼して再び駒を並べ、16時31分に森内九段が指し直し局の開始を告げます。増田八段は残り時間が約2時間で藤井棋王より1時間多く、さらに先手番を得て有利な状況になりました。藤井棋王は決断よく指すことが求められます。

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