対局開始前
本日のスケジュール
本日のスケジュールです。
9:00 対局開始
10:00 おやつ
12:00 昼食休憩
13:00 対局再開
13:30 現地大盤解説会
15:00 おやつ
(琵琶)
おはようございます
前夜祭(5)
参加棋士が第2局の見どころを語りました。
◆森内俊之九段(立会人)
「渡辺さんとは彼が10代のころからタイトル戦で対戦していますので、かなり深く理解しているつもりなんですけど、千田さんについてはまだ対局も2局しかやっていないですし、ほとんどお話ししたことがないのですが、今日一日で、非常に几帳面な人だなと感じましたね。対局前の検分で揮毫ですね、サインする時間があったんですけども、一文字一文字非常に丁寧に書いていて、渡辺棋王の3倍くらい時間をかけて書いていましたので、すごい慎重で几帳面だなと感じました。将棋では千田さんは変わった序盤を得意にしていまして、相手からすると作戦が読めないタイプです。力戦形になるのではないかなと思っています。お互いに中終盤の力に定評がありますので、最後まで目が離せない熱戦になるのではと期待しています」
◆青野照市九段(日本将棋連盟専務理事)
「先ほどあいさつの中で、『元タイトル保持者』といった瞬間に、あれっ、右にも左にもいるぞ、と思いまして、まずいことをいったぞと思ったんですけども。森内さんがいったように、未知というか、そういう怖さがあるんですね。タイトル戦に出た人の将棋というのはだいたい並べていますから。どういう将棋を指すかだけでなく、この人はピンチのときに焦るタイプかとか、そういうことが千田君はまったくわからない。自分の指し手を限りなくコンピュータに近づけていくことが上達法と思っている、いままでの棋士とは違うタイプの棋士なんですね。ですから渡辺さんもいままでとは違う相手だなと感じていると思います。今回は五番勝負がどうなるのか、明日渡辺さんが負けると、ずるずるっと千田さんがタイトルを取ることもあるなと。戦型は居飛車、角換わり系か横歩取りかどちらかだと思います」
◆広瀬章人八段(大盤解説会解説役)
「私は棋王戦のトーナメントの最初のほうで千田六段に敗れてしまっていて、その前から対戦があったんですが、年々少しずつ変化をしているなと感じています。結局その将棋は完敗だったんですけども。明日の将棋の内容がどうなるか、予想はできないですね。渡辺棋王は年下とのタイトル戦というのが数が多くない。年上よりも年下のほうがやりづらさがありますし、より気持ちが入ると思うんですが、第1局で星を落としてしまったので、ここで負けたらまずいという正念場だと思います。戦型予想をしてみたいんですけど、両者居飛車党で、渡辺棋王は先手番のときは定跡形に持ち込むことが多いんですが、後手番の千田六段が力戦形に誘導する構図になるのではないでしょうか。矢倉模様の力戦形かなと思います。最初から見どころ満載で、大盤解説会は井道さんと頑張りますので、1人でも多くの方にお越しいただければ幸いです」
◆井道千尋女流初段(大盤解説会聞き手)
「渡辺棋王ですが、金沢に来る際、移動の席が隣でして、サッカーの雑誌を読まれていたんですね。ですので先手番ということを生かして、動きの早い戦いになるのではないかと思います。千田六段は棋譜を見たところ、初手から常識にとらわれない手を指すことがありまして、初手に注目して、対局を見ていきたいと思います。大盤解説会もありますので、今日だけでなく、明日も足を運んでいただけたらうれしいです」
※本日の更新は以上で終了です。明日の対局開始は9時になります。
(撮影=琵琶、書き起こし=文)
前夜祭(4)
前夜祭(3)
両対局者にインタビューが行われました。
――お互いの印象を聞いてみたいと思います。
渡辺「千田君とは第1局が初めての対局だったのですが、若いのに落ち着いていて、タイトル戦も初めてですが、落ち着いて指されたなと思いました。第1局は手数が長く大熱戦になったので、第2局以降もそういう将棋で、タイトル戦らしいところを見せていければと思っています」
千田「渡辺棋王は非常にまっすぐとされた方でして、物怖じしないといったら変ですが、堂々とされています。私が見習うべき存在だと思います」
――金沢の印象についてうかがいます。
渡辺「金沢での対局は7~8回目だと思うんですが、昨年ここでやって初めて負けてしまいまして。それまで一度も負けたことがなくて日本でいちばん相性がいい土地だったんですが、ランクが下がりましたね。今回、どんどん下がらないように、踏みとどまれるように頑張りたいと思います」
千田「金沢は初めてです。観光するところが多く、1日いただけでは深さがまったくわからないな、何日かいてようやくグッと印象づく土地だなと思いました。
――明日の対局への意気込みをお願いします」
渡辺「金沢での棋王戦は何度も経験させていただいています。北國新聞さまには20年以上にわたりましてこの棋王戦を主催していただき、本当にありがたく思っております。例年、土曜日ということで大盤解説も多くのお客さまがお越しになられますし、その期待に応えなくてはいけないと思っています。明日は全力で頑張りたいと思います。第1局を取られて苦しいスタートになりましたが、番勝負は始まったばかりですので、巻き返せるようにやっていきたいと思います」
千田「金沢の地では短手数かつ早い終局時刻の将棋が続いておりまして、今回の対局は非常にスリリングなものになるのではないかと思っております。明日は皆さんが楽しめる将棋になるのではないかと思っております。頑張りますのでよろしくお願いいたします」
(撮影=琵琶、書き起こし=文)






















