2025年3月 2日 (日)

日が沈んですっかり暗くなりました。夜景が美しい時間帯です。新潟グランドホテルから信濃川を挟んで向かい側には高層ビルの新潟日報メディアシップがあり、20階の展望フロアが無料で開放されています。

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棋王戦五番勝負で千日手が成立した例は過去に2回あり、今回は3回目です。1993年の第18期五番勝負第1局▲羽生善治棋王-△谷川浩司棋聖戦は19時11分、1998年の第23期五番勝負第2局▲郷田真隆六段-△羽生善治棋王戦は17時44分に千日手が成立しました(肩書は対局当時、以下同様)。

森内九段は前期の五番勝負第1局でも立会人を務めています。藤井棋王に伊藤匠七段(現叡王)が挑戦したシリーズですが、この第1局が持将棋になったことで話題を呼びました。棋王戦五番勝負での持将棋は、1988年の第13期五番勝負第3局▲高橋道雄棋王-△谷川浩司王位戦以来となる2回目でした。

千日手はタイトル戦でも通常の公式戦と同様、基本的には即日指し直しになりますが、タイトル戦での持将棋は無勝負として引き分けで1局と扱われる点に違いがあります。

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(前期五番勝負第1局の終局直後の様子)

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指し直し局は角換わり模様の立ち上がりから藤井棋王が角道を止めて変化し、増田八段は矢倉、藤井棋王は雁木に組みました。矢倉は増田八段の得意戦法。角換わりに比べてじっくりした戦いになるため、長期戦が予想されます。

大盤解説会には森内九段が出演しています。千日手成立直前は千日手と確信が持てるまで対局室の手前で待機し、成立後すぐに対局室に入れるようにしていたと、舞台裏を明かしていました。

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対局室には先に増田八段が戻り、数分後に藤井棋王が入室しました。一礼して再び駒を並べ、16時31分に森内九段が指し直し局の開始を告げます。増田八段は残り時間が約2時間で藤井棋王より1時間多く、さらに先手番を得て有利な状況になりました。藤井棋王は決断よく指すことが求められます。

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千日手が成立して藤井棋王が駒を片づけると、記録係の吉田三段が指し直し局の開始時刻と残り時間を両対局者に伝えました。藤井棋王と増田八段はいったん対局者控室で休み、指し直し局に備えます。

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Kiou20250302010196棋王戦第3局は16時1分、96手で千日手が成立しました。消費時間は、▲藤井3時間10分、△増田2時間2分(持ち時間は各4時間)。

指し直し局は30分後に行われます。先後は入れ替え。藤井棋王が残り1時間になるように、両者の残り時間に10分が追加されます。

【指し直し局の中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/50/kiou202503020102.html

(牛蒡)

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15時半過ぎ、控室がざわめきました。検討陣は桂得の後手がペース握っていると見ていたため、図から△3四飛▲3五歩△3三飛▲4四角成△4一歩▲5五歩△4三飛▲5四馬△同金▲同歩という順を検討していました。森内九段は「後手がいいとは思うんですが、▲4四角成の局面でいい手が指せるかどうか」。森内九段が示した△4一歩の底歩は飛車を切る順に備えていて、決戦になれば生きてきます。

しかし、実戦は増田八段が図から△4一飛と引きました。これは▲2六角成△4四角▲同馬△同飛▲7一角……と進むと千日手模様です。森内九段はすぐに関係者に声をかけて対局規定を確認し始めました。

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