第43期棋王戦五番勝負第3局
渡辺明棋王に永瀬拓矢七段が挑戦する第43期棋王戦五番勝負(主催:共同通信社)。第1局は渡辺棋王、第2局は永瀬七段が制しました。第3局は2018年3月11日(日)に新潟県新潟市中央区「新潟グランドホテル」で行われます。
第3局の先手は渡辺棋王。対局開始は9時。持ち時間は各4時間。立会人は屋敷伸之九段、記録係は関矢寛之三段。現地大盤解説会には佐藤紳哉七段と中村桃子女流初段が出演。観戦記は内田晶さんが執筆します。(棋王戦観戦記の掲載紙はこちら)
中継担当は銀杏(棋譜コメント)と牛蒡(ブログ更新)です。よろしくお願いします。
【共同通信社】
https://www.kyodo.co.jp/
【新潟日報社】
http://www.niigata-nippo.co.jp/
【第3局棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/43/kiou201803110101.html
(牛蒡)
北陸ジュニア棋王戦
対局翌日の25日(日)、北國新聞会館では第22回北陸ジュニア棋王戦(北國新聞社・富山新聞社・日本将棋連盟石川県支部連合会主催、金沢市特別協力、金沢市教育委員会・北陸放送・テレビ金沢・エフエム石川・ラジオかなざわ・ラジオこまつ・ラジオななお・金沢ケーブルテレビネット後援)が行われました。参加者157人は昨年の120人を上回る大会史上最多人数となりました。参加者は渡辺棋王、永瀬七段、木村九段と握手をして楽しいひとときを過ごしたことでしょう。
【久保幸男・北國新聞社取締役事業長】
多くの方にご参加いただき、ありがとうございます。今日は例年を超える160人近くの方にエントリーしていただきました。いま将棋が熱いです。若い力が大挙して、機運が高まっているということでしょう。
【山田啓之・金沢市教育委員会教育次長】
藤井聡太さんの29連勝や史上最年少六段昇段、羽生善治竜王の国民栄誉賞など、いま将棋界には熱い視線が注がれています。裾野が若い人にまで広がっていますね。今日は日頃の練習の成果を発揮してください。
【渡辺明棋王】
今年は本当に人が多くて、将棋の流行を実感します。今日はサッカー選手の本田圭佑さんの言葉を紹介します。本田選手はここから4、5キロの場所にある星稜高校の出身です。本田選手は大きな夢を持ってくださいとはいうけれど、それか叶うとはいわないそうです。向き不向きや才能はみんな違うけど、目標に向かって努力し、頑張るのが大事ということなんですね。今日は緊張するかもしれないですが、普段の実力を発揮してほしいです。将棋だけでなく、学校の勉強や家のお手伝いをすると完璧ですよ(笑)
【永瀬拓矢七段】
石川県に来るのは今回が初めてでした。将棋をやると記憶力が上がると思います。また、年齢にかかわらず、プロになる道が開かれています。将棋は才能が関係ない競技です。今日はたくさん負けるかもしれないですが、明日は勝とうという意欲を持つのが大事だと思います。
【木村一基九段】
勝ちたい人ばかりだと思いますが、今日は負けるのは恥ずかしくないことを知ってほしいです。強くなるためには、なぜ負けたかを振り返る。相手によい手を指されたら、それを覚えてください。将棋はわからないことを考える、切り開いていくことが多いです。もしお子さんが失敗しても、一生懸命考えていたら親御さんは褒めてあげてください。
(琵琶)
感想戦
両対局者が大盤解説会場へ
終局直後の談話
【勝った永瀬七段の談話】
――序盤は先攻されていたように感じましたが、実際はいかがでしたか?
「先攻できればと思ったんですけど、あまり自信がなかったです。形勢が五分ならいいなと思いました」
――自分のペースになったと思ったのはどの辺りですか。
「最後の▲7三歩成(119手目)で、こちらの玉に詰みがなければと思いまして」
――▲9八玉(59手目)と寄った手はいかがでしたか。
「他の変化が自信なかったので、消去法で仕方がないかなと」
――終盤は角2枚でうまく攻めることができたのではないですか。
「間違えている気もしたので、もう少しいい手があったのかなと思いました」
――1勝1敗になりました。第3局の抱負をお願いします。
「いつもどおり頑張りたいと思います」
【敗れた渡辺棋王の談話】
――序盤はペースを握っていたように感じましたが、いかがでしたか。
「一局の範囲かなと思いました」
――どの辺りから形勢が悪くなったのでしょうか。
「▲9八玉(59手目)と寄られて、そこで思わしい対応がなかったので。そのあとは苦しかったです」
――最後はあと一歩足りない感じでしょうか。
「ずっと駒損なので足りないと思います」
――1勝1敗となり、第3局は山場になると思いますが、いかがでしょうか。
「月も変わるし年度末になるので、残り3局を精一杯やりたいと思います」
(琵琶)
永瀬七段がタイに戻す
図の局面で渡辺棋王が投了しました。終局時刻は18時42分。消費時間は、▲永瀬3時間53分、△渡辺3時間41分。
勝った永瀬七段は、シリーズ成績を1勝1敗のタイに戻しました。第3局は3月11日(日)、新潟県新潟市「新潟グランドホテル」で行われます。
(紋蛇)