永瀬七段が勝ってフルセットに 棋王戦五番勝負第4局は永瀬七段が勝ちました。終局時刻は19時31分。消費時間は▲永瀬3時間58分、△渡辺3時間59分。二転三転の大熱戦を制したのは永瀬七段。シリーズ成績をタイに戻し、五番勝負は2期連続のフルセットにもつれ込みました。第5局は3月30日(金)、東京・将棋会館で行われます。(文)
もつれる 図は18時40分過ぎの局面。優勢の先手が決め手を繰り出せないまま手数が進み、現局面はかなり難しくなってきていると検討陣。△1九竜の時点で残り時間は▲永瀬5分、△渡辺24分。「残り時間を考えると、勝負はまったくわからなくなったと思います」(佐々木勇気六段) 外はすっかり夜のとばりが降りている。夜戦を制するのはどちらか。(八雲)
先手優勢 図は16時45分頃の局面。▲1六角と打ったところから、先手が快調に攻め続けています。控室の検討陣は、はっきり先手優勢の見解を示しました。現在は、後手がどう粘るか、という視点で検討が続いています。 紀尾井町にある赤坂プリンス・クラシックハウス。(八雲)
紀尾井町 対局場の都市センタービルがある紀尾井町は、江戸時代に紀伊徳川家、尾張徳川家、彦根井伊家の御三家の屋敷があったことから、その頭文字を取って名付けられた町名です。江戸城を守る赤坂見附(城門)の隣接する要所で、現在も当時の濠や石垣が残っています。 弁慶濠と弁慶橋。 橋の向こうが紀伊徳川家屋敷跡。 赤坂見附付近の石垣は福岡藩主黒田忠之が築いたもの。使われている石には現在も黒田家の家紋、裏銭紋が刻まれています。 弁慶濠のサクラがほころび始めていた。 弁慶濠の全景。(八雲)
勝負どころ 時刻は16時を回りました。図の▲3四歩は控室でも予想されていた手で、△3四同銀なら▲1六角が受けにくいと見られていました。以下△3三金右に▲2六桂と駒を足していく要領です。この攻めの成否によって、形勢に差がつく可能性があります。対局は勝負どころを迎えました。 控室は棋士が集まって賑やかになってきた。 飯島七段の差し入れ。地元、門前仲町の和菓子店「伊勢屋」のものだそうだ。(八雲)