2025年2月 2日 (日)

13時、対局再開。増田八段は△7五歩と反発しました。対局再開には、先月行われた本局の開催記念となる高知こども棋王戦の上位入賞者が入室しました。小学生低学年、同高学年、中学生の各クラス優勝、準優勝の副賞として、再開の様子を見学できる権利を獲得しています。 
Img_6358(対局再開時も、先に部屋に入ったのは増田八段)
Img_6365(やや遅れて藤井棋王も入室した)
Img_6385(対局再開から間を空けて着手した)
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(武蔵)

本局で使用された盤駒は、21年前の第29期第1局でも使用されました。どちらも県内のアマチュア強豪である小野憲三さん所有のもので、盤は本カヤ7寸盤の逸品です。

Img_6349(昼食休憩時の局面)
Img_6350(本局の使用駒は金井静山師作、水無瀬書)
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(武蔵)

2025020255上図の局面で増田八段は20分を消費して12時となり、昼食休憩に入りました。消費時間は▲藤井2時間3分、△増田28分。昼食のメニューは藤井がビーフカレーと山北みかんジュース、増田が土佐あかうしローストビーフ重、リープル。リープルは高知県民のソウルドリンクといわれる乳酸菌飲料。対局は13時から再開されます。
Img_6347(藤井棋王はビーフたっぷりのカレーを注文)

Img_6342(増田八段はビーフ重に多くの小鉢が並ぶ)

(武蔵)

佐藤天九段、黒田尭之五段、島井咲緒里女流二段ら大盤解説会を務める解説陣は、午前中は指導対局を行っています。
Img_6328(指導対局は2階四国銀行ホールのロビ-で行われた。ホールで午後から大盤解説会が開かれる)
Img_6324(8面指しが計3か所)
Img_6314(佐藤天九段)
Img_6316(黒田五段)
Img_6320(島井女流二段)

(武蔵)

棋王戦は共同通信社と契約する新聞社の21紙で、予選から五番勝負までの観戦記を配信しています。高知新聞社は今年で創刊120周年を迎え、その記念事業として本局が行われます。今日の高知新聞の観戦記は、挑戦者決定トーナメント準々決勝▲近藤誠也八段-△三浦弘行九段の一戦が掲載されています。中盤の難所を両者の感想を交え、津江章二さんが執筆されました。
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(武蔵)

2025020233第1局の戦型は角換わりになりました。後手の6筋の位取りを急ぐ進行について「△4二玉と▲5六銀が入った形で△6五歩と伸ばす将棋は多いが、本譜は△5二玉の含みを残していて欲張った指し回し」と佐藤天九段は解説します。実戦は上図▲3五歩で藤井棋王が仕掛けて、戦いが始まりました。しばらく進んで下図。

2025020250△3一角は▲4四角のとき、金取りと▲5三桂成を同時に先受けして手堅い反面、▲7三角成△同金に▲4三桂の王手角取りが生じます。ただ、実戦は激しい変化を好まず、▲4四角△4三歩と進みました。歩を回収して、後手との角の働きの差を主張する狙いのようです。
Img_6335(継ぎ盤を眺める森九段。駒を動かすのは関三段。大盤解説会のPC操作を担当する)

(武蔵)

1997年11月4日生まれの27歳、東京都昭島市出身。森下卓九段門下。2014年、四段。2024年、八段。棋士番号は297。タイトル戦登場は1回。棋戦優勝は2回。
四段昇段後、第5期加古川青流戦準優勝や、新人王戦2連覇など新人時代から実績を残しています。昨年3月には順位戦A級昇級とともに八段に昇段しました。初タイトル獲得に向けて五番勝負を戦います。
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(武蔵)