2016年3月21日 (月)

070_270手目は51分の長考で△3三同玉でした。戦場になりそうな5筋からは遠ざかっています。ただ、後手玉が露出したことで、先手が攻め、後手が受ける展開が続きそうです。


A970 (17時10分ごろの控室)

A972 (検討されている変化図のひとつ。後手玉は1二まで逃げている)

(牛蒡)

069 16時15分ごろ、渡辺棋王は角を切りました。猛攻を予感させる一手ですが、まずは後手がどう応じるか。△3三同玉と△3三同金はどちらもありそうです。


A713 (昼食休憩明け直前の渡辺棋王)

(牛蒡)

054図の局面。西村九段は▲7四歩△6四角に▲4五桂打を検討していました。▲4五桂打に代えて▲6五桂は△8四桂がぴったりとのこと。本譜は図から▲4五桂打△4一桂▲7四歩△6四角と進んでいます。これも検討手順とほぼ同じで、以下(1)▲3三桂成△同桂▲4五桂打なら千日手のコースですが、渡辺棋王は(2)▲3三桂成△同桂▲6五桂で打開しました。「渡辺さんは自分が少しいいと思っているのでしょうね」と西村九段。


A951 (控室の様子。西村九段と大杉二段が検討中)

(牛蒡)

05151手目▲8五桂。渡辺棋王は桂を跳ねました。8八角の利きを通して▲4五桂の狙い。本格的な戦いが始まりそうです。現地大盤解説会では、図の局面で次の一手クイズが出されました。候補手は△1二香、△8三銀、△5四飛、△7三桂。本命視されているのは△1二香です。


A948 (現地解説会では長谷部三段が登壇している)

(牛蒡)

049_2 49手目の局面。ここ数手は端歩を突き合うなど、じっくりした展開が続いています。控室の森内九段に話を聞きました。


森内九段「似た前例(今年1月20日の▲屋敷伸之九段-△永瀬拓矢六段戦)がありましたが、▲7七桂でそれとは別の将棋になりました。部分的にはあまり見ない形です。特に2筋ですね。そこがどれだけのポイントになるのか、その見極めが重要だと思います。もっと早くに戦いが起こるのかと思っていましたが、じっくりした展開になりましたね。いまは間合いをはかっている状況です。ただ、駒組みもそろそろ煮詰まってきますので、どちらもチャンスがあれば動いていくでしょう。桂の働きがカギを握りそうです」

A888 (西村九段の検討を眺める森内九段)

(牛蒡)

A749 (現地解説会の様子)

A767 (解説は戸辺六段)

A814 (本局の解説が一段落した後、森内九段の自戦解説が始まった)

A837 (森内九段が解説しているのは第31期第4局。棋王獲得の一局だった)

第31期棋王戦五番勝負第4局
 平成18年3月11日 於・石川・金沢ニューグランドホテル

 持ち時間 ▲名人 森内 俊之
 各4時間 △棋王 羽生 善治

▲7六歩  △3四歩  ▲2六歩  △3二金  ▲7八金  △8四歩  
▲2五歩  △8八角成▲同  銀  △2二銀  ▲3八銀  △3三銀  
▲4六歩  △7二銀  ▲4七銀  △6四歩  ▲7七銀  △6三銀  
▲6八玉  △4二玉  ▲5八金  △5二金  ▲7九玉  △7四歩  
▲6六歩  △5四銀  ▲3六歩  △1四歩  ▲1六歩  △3一玉  
▲3七桂  △9四歩  ▲9六歩  △4四歩  ▲5六銀  △7三桂  
▲4五歩  △同  歩  ▲3五歩  △4六歩  ▲8八玉  △4三金右
▲1五歩  △同  歩  ▲4五銀  △3五歩  ▲5一角  △8五桂  
▲7三角成△4二飛  ▲6四馬  △3六歩  ▲同  銀  △7七桂成
▲同  金  △4七銀  ▲同  銀  △同  歩成▲同  金  △3六歩  
▲同  金  △3九角  ▲2九飛  △5七角成▲3五桂  △4七馬  
▲2六飛  △6九馬  ▲7八銀  △7九銀  ▲9八玉  △6八馬  
▲2八飛  △9五歩  ▲9一馬  △9六歩  ▲8六歩  △3四金  
▲4六香  △4五歩  ▲8七玉  △4六歩  ▲4三歩  △4一飛  
▲6四馬  △4七歩成▲2四歩  △同  銀  ▲3三歩  △同  金引
▲2五桂  △4三金寄▲同  桂成△同  銀  ▲3三歩  △同  桂  
▲5三馬  △2二玉  ▲3三桂成△同  銀  ▲4五桂  △9二香  
▲3三桂成△同  金  ▲9六香  △同  香  ▲4二銀  △同  飛  
▲同  馬  △9五歩  ▲9七歩  △同  香成▲同  桂  △9六銀  
▲9八玉  △9四香  ▲8七銀  
 まで、117手で森内 俊之名人の勝ち。
(消費時間=▲3時間59分、△3時間59分)

(牛蒡)