2025年12月

2025年12月16日 (火)

五番勝負の日程は下記の通りです。
第1局 2月8日(日) 愛媛県松山市「道後温泉ふなや」 第2局 2月21日(土) 石川県金沢市「北國新聞会館」 第3局 3月1日(日) 新潟県新潟市「新潟グランドホテル」 第4局 3月15日(日) 栃木県日光市「日光きぬ川スパホテル三日月」 第5局 3月29日(日) 鳥取県鳥取市「有隣荘」

本日の中継は以上で終了となります。ご観戦いただき、ありがとうございました。

(紋蛇)

Dsc_1784_1513(囲み取材を受ける増田八段)

【増田八段の囲み取材の談話】

――棋王2期連続挑戦を決めた、今のお気持ちを聞かせてください。

2年連続はなかなか難しいかなと思っていたんですけれど、今期はトーナメント全体での中終盤が安定していたので、そこはすごくよかったのかなと思っています。

――前期の五番勝負を振り返っていかがでしょうか。

序盤戦がすごく消極的な指し方になってしまって、そこは悔いが残ったところなので、今年は序盤から主導権というか、有利な展開に持っていきたいと思います。

――今年の藤井棋王の印象は具体的にいかがでしょうか。

王座戦で伊藤さん(匠二冠)に取られていましたが、ほかのタイトルは全部防衛されていたので、今まで通りとても強い状態なのかなとは思います。ただ、伊藤さんが勝たれたので、こちらとしてもそれに続かなければという気持ちはあります。

――伊藤匠二冠の王座戦での戦いぶりは参考になりますか。

先手番のときの戦い方が、相掛かりで2勝されていたと思うんですけれど、序盤にリードというか、藤井さんだけ研究がない、研究を外れた指しやすい展開にうまく持っていっていたので、そういう展開を作った伊藤さんがうまかったのかなという気がしますね。自分もそういった展開に持っていきたいなと思っています。

――第1局に向けてどういった調整をしますか。

 やっぱり序盤の準備ですかね。藤井さんといえども相手の序盤がしっかりしていると、王座戦とか見てもかなり苦労されていた印象があるので、そういった指し方をできるように準備をしたいなと思います。

――今回の五番勝負の第1局は、愛媛県松山市で10年ぶりの開催となります。全国各地も転戦することとなります。地元のファンに向けてメッセージをいただけますでしょうか。

前期は3連敗であまり見どころがなかったんですけれど、今期は序盤から勝てるような将棋にしたいと思うので、楽しんでいただけたらなと思います。具体的には、伊藤さんが王座戦で指したような将棋というか、先手番の指し方をもっと、藤井さんが苦しむような展開にしなければならないですね。

――去年、タイトル戦に出場されて得られた経験などがあればお聞かせください。

タイトル戦で初めて和服の対局で、経験できたことが貴重でした。今回は和服を自分で着られるようにしたほうがよいのかなと思ったので、そのあたりを改善していければなと思います。

――棋王戦の後、藤井棋王が2手目に△3四歩と指すようになりましたが、対局者としては研究に変化などはございますか。

多分、自分に対してはやってこないので(笑)。(2手目△3四歩は)角換わりとかを嫌がっているのかなと思います。自分は(角換わりを)やらないと思うので、そうなると△8四歩の将棋になるのかなと思います。

――去年と今年の違いは、ご家族がいるということだと思いますが、何か違いは感じて臨まれるでしょうか。

いや、去年も別にいたので(笑)。でも確かに、今年は一緒に暮らしているので、そこは違うと思います。今年の9月くらいから他棋戦でも勝てるようになってきたので、そういった部分では支えというのは大きいのかなと思います。

――消極的な指し方というお話がありましたが、前期の第3局は千日手など工夫が見られたと思います。その指し直し局のような指し方ではない、ということでしょうか。

後手番の作戦はまずまずだったと思うんですけれど、先手番の作戦が消極的だったのかなと思います。王座戦を見ていると、伊藤さんは先手番しっかりと勝たれていたので、そうしないと勝つのは難しいのかなと感じていますね。

――先手番で消極的になってしまったのは、どういった理由でしょうか。

藤井さん相手にどう指してよいのかよく分からなかったので、無難な指し方になってしまったのが原因ですね。王座戦で伊藤さんが勝たれていた将棋とかも見ていたので、そういったイメージでいければ、もっとよくなるのかなと思います。研究をぶつけるというよりは、相手が苦しむ展開を見つけて、それをぶつけていきたいなと思います。

――昨年に挑戦された際、好調の要因に詰将棋を挙げられていましたが、今年は去年と比べて何か変わったところはありますか。

今年は詰将棋をやっていないんですよ。序盤の作戦ですよね。あとは中盤以降を粘り強く戦うということですね。最近は逆転勝ちもかなり多くなってきているので、そういったところはかなり変わったのかなと思います。研究にAIとかも取り入れながら、ただ研究会はほぼやっていないので、自分独自の方法でやっていますね。

――永瀬拓矢九段は藤井さんと伊藤さんの相性に言及されていて、伊藤さんのような藤井さんに勝てるタイプに変えたいという意気込みをお話されていましたが、そのあたりはいかがでしょうか。

どうなんですかね。伊藤さんの中終盤が正確だったので、相性ではないのかなと思います。あとは序盤戦がしっかりしているのが、伊藤さんが持っているところなので、自分も開幕までは近い存在になれるように頑張っていきたいと思います。

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(紋蛇、書き起こし=駒町)

Dsc_1739_1502(増田八段は快勝で2年連続の挑戦を決めた)

Dsc_1742_1503(斎藤明六段。2年連続で増田八段に屈した)

Dsc_1747_1504(インタビューの模様)

【増田八段のインタビュー】

――序盤は珍しい出だしでした。

相早繰り銀は結構珍しいかなと思ったんですけど、△7三桂と跳ねた手があんまり……。他の手のほうがよかったかな。序盤はやや作戦負けかなと思っていました。

――中盤の形勢はどのように思っていましたか。

△4五歩を突いてから7七の金取りが受けにくいので、その辺りで難しくなったかなと。

――決め手と思ったのは?

よくわからなかったんですけど、最後に△3七桂と打った手です。▲1五角の王手桂取りは△3三桂で受かるので。3七の桂を取れないようでは、受けにくいのかなと思いました。

――一局全体を振り返っていかがでしょう。

前例のない将棋でよくわからなかったんですけど。中盤以降はうまく指せたのかなと思っています。

――これで2期連続棋王挑戦ということになりました。五番勝負に向けての抱負をお聞かせ願います。

前期の将棋はかなり消極的な将棋が多くて、今度はもっと主導権を取れるような将棋を指していきたいなと思います。

――去年と五番番勝負で藤井聡太棋王と戦って以降、藤井棋王の戦いぶりはいかがですか。

そうですね。ほとんどのタイトルを防衛されているので、やはり変わらずとても強い方なのかなと思っています。

 

【斎藤六段のインタビュー】

――序盤は積極的に指されましたが、いかがでしたか。

結構、手将棋模様の将棋かなとは思っていました。▲7七角からよい形で6四銀・7三桂に反発していける形を作れたので、主導権を握れそうかなとは思っていましたが、その後の指し方がかなり難しくて。結構悩ましい時間が続いていたんですけど。終盤で△8五竜を見落としてしまっていて、そこから逆転されてちょっと苦しい展開になっています。終盤はちょっと足りない感じが続いていたのかなと思います。

――2期連続で挑戦者決定戦に進まれながらも結果は残念でしたが、今期の棋王戦を振り返っていかがだったですか。

そうですね。今期の当たりは研究会とかでもよくお世話になってる方々と多く戦うこととができて、その中で割と充実した内容で指せていたのかなto

思います。

――来期に向けての抱負をお願いします。

総合的にやっぱり力が足りてないので実感しました。中盤以降の指し手の精度がどうしてもいまひとつのところがあるので、そのあたりを来期は重点的に伸ばしていきたいなと思ってます。

(紋蛇)

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挑戦者決定二番勝負第1局は、80手で増田八段が勝ちました。終局時刻は19時14分。消費時間は▲斎藤3時間59分、△増田3時間50分。本局を制した増田八段は、2期連続の棋王挑戦を決めました。藤井聡太棋王との五番勝負は、2026年2月8日(日)愛媛県松山市「道後温泉ふなや」で開幕します。

(駒町)

2025121663斎藤六段は△4四角に▲5五桂の勝負手を放ちました。△5五同歩なら▲6三とで攻めをつなげます。後手は△5五歩ではなく△2九飛成も考えたいところです。

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(紋蛇)

2025121645急転直下で形勢が動きました。図の▲7七同金に△4五歩が好手です。▲同銀は△5五角が両取りなので▲同角と応じましたが、△4四角の金取りが絶品です。

2025121648▲7八飛に△8五桂でつながります。斎藤六段は積極的な指し回しを見せていましたが、どうも空中分解してしまったようです。増田八段が2年連続の挑戦に近づいています。

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(紋蛇)

2025121637急に局面の流れが激しくなりました。△8六歩と飛車先交換を目指した手に対し、斎藤六段は▲7五歩と反発しました。以下△8七歩成▲同銀△8六歩▲9八銀と進んでいます。

20251216418筋に拠点を作られて端に銀を凹んだのは悪形ですが、先手は桂頭攻めに期待しています。△8四飛と受ければ、▲7四歩△同飛▲6四歩△同飛▲7四歩と攻めるつもりです。増田八段は▲9八銀に△8五桂とさばきました。いよいよ戦いの始まりです。

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(紋蛇)