2025年2月

2025年2月21日 (金)

【両対局者に花束贈呈・インタビュー】

Img_5690 プレゼンターは鈴木和空さん(奥側・小学校5年生)と佐田悠真さん(小学校2年生)。
鈴木さんは、石川県新春将棋大会ジュニア級優勝者。佐田さんは、同大会の初心者の部で優勝した。

Img_5696 記念撮影。

Img_5703藤井棋王へのインタビュー

── 震災で被害に遭われた方へのエールを。
藤井 1年経ったいまでも復興は道半ばだと思いますし、その後も豪雨被害があって大変な思いをされている方も多くいらっしゃると思います。1日も早い復興を願っています。そういった中で棋王戦の金沢対局を開催していただいて、石川の多くの方々に応えられるよう、私自身も精いっぱい頑張りたいです。

── 3連覇に向けての意気込みを。
藤井 第1局を指して増田八段の強さであったり、自分自身の課題というのも見えてきたところがあったので、それを生かして、しっかり集中して、よりよい内容の将棋を指したいと思っています。

Img_5721 増田八段へのインタビュー

── 震災で被害に遭われた方へのエールを。
増田 昨年の能登半島地震により、被害に遭われた皆さまに心からお見舞い申し上げます。私としましては、明日いい内容の将棋を指して、石川の皆さまに勝利をお届けできればと思います。

── タイトル奪取への意気込みを、
増田 第1局は初めてのタイトル戦でしたが、序盤は自分が想定していた展開にはできたと思っています。ただ、中終盤の難しいところでミスが出てしまい、差を感じたので、明日はその辺りを修正して、勝って、奪取できるように頑張りたいと思っています。

Img_5747 両対局者は明日の対局に備えて、ここで退室した。

(八雲)

【乾杯】

Img_5679 井原康宏・株式会社共同通信社 代表取締役専務
「明日の対局が、どういう戦いになるのか楽しみであります。私は以前、名古屋に勤務にしてまして、ちょうど藤井棋王が華々しいデビューを飾られた頃で、盛り上がっていたのを覚えております。増田八段は名前が同じ『康宏』で他人とは思えません(笑)。共同通信は棋王戦の開催を通じて、将棋文化の伝承、発展に貢献してまいりたいと思っております」

Img_5687乾杯の様子。

前夜祭の料理を一部紹介します。

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(八雲)

【挨拶】

Img_5629 砂塚隆広・北國新聞社 代表取締役社長
「明日の対局では、昨年の1月1日に起きた能登半島地震で倒壊した、将棋連盟石川県支部連合会の塩井一仁さんの家屋の下から奇跡的に見つかりました盤と駒を提供していただいております。明日は被災地、能登の皆さん、復興に向けて支援をしていらっしゃる皆さまの励みになるような対局になればいいなと思っております」

Img_5641森下卓・日本将棋連盟常務理事
「金沢の地には何度訪れたか分からないほど随分とお世話になっております。ただ、今回はちょっと趣が違っておりまして、藤井棋王に挑戦するのが弟子の増田八段ということで、いつも対局者には『皆さまのご声援に応えるように素晴らしい対局を見せてください』と言っているのですが、今回はどっちかに勝ってもらいたいような(笑)、複雑な立場になります。藤井棋王と増田八段には棋王戦の50年の歴史に残る対局を見せてもらえればと思います」

Img_5660 新保博之・金沢市副市長
「記念すべき第50期の棋王戦第2局が、ここ金沢で開催できますことを本当にうれしく思います。日本全国のファンが注目をされていると思いますが、ここ石川も将棋を志す子どもたちがたくさんいますし、明後日23日(日)には『北陸ジュニア棋王戦』という大会が開催されます。藤井棋王と増田八段に金沢に起こしいただいて、今日のファンの皆さまとひと時を過ごしていただけるということで楽しみにしております」

Img_5668 谷川浩司・十七世名人(特別ゲスト)
「今年は阪神・淡路大震災から30年の節目の年で、毎年1月17日には追悼行事があるのですが、今年、神戸三宮の東遊園地で、灯篭によって形取られた言葉が『よりそう』でした。復興支援のやり方はたくさんありまして、金沢で棋王戦が行われることもそうですし、こうして前夜祭、大盤解説会に大勢の方にお越しいただくことも復興支援のひとつだと思っています。対局者のおふたりには熱戦、名局を見せていただき、それを北國新聞や共同通信、棋譜中継などで報道していただくことが、全国から石川、能登に目を向けていただくことにつながると思っています」

(八雲)

17時半頃から対局室の検分が始まりました。

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藤井聡太棋王。

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挑戦者・増田康宏八段。

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Img_5586 特に問題なく、検分は10分ほどで終わった。

(八雲)

対局者と関係者一行は、15時前後に金沢に到着しました。

Img_5541 16時過ぎから関係者の顔合わせ会とスケジュールの打ち合わせが行われた。

Img_5545 両対局者も無事に到着している。

Img_5536 金沢の街の様子。本降りの雪だ。

このあとは17時半頃から対局場の検分、18時半から前夜祭が行われる予定です。
(八雲)

藤井聡太棋王に増田康宏八段が挑戦する、第50期コナミグループ杯棋王戦五番勝負は、藤井棋王が先勝して第2局を迎えました。対局は2月22日(土)石川県金沢市「北國新聞会館」で行われます。持ち時間は各4時間。先手番は増田八段です。
対局は9時開始。12時から13時まで昼食休憩。おやつは10時と15時に供されます。
第2局の立会人は青野照市九段、記録係は山口裕誠三段(伊藤真吾六段門下)が務めます。現地大盤解説会は、解説を村山慈明八段、聞き手を貞升南女流二段、PC操作を伊藤明日香女流初段が務めます。また、特別ゲストに谷川浩司十七世名人が登場します。 

【第2局主催:北國新聞社】
https://www.hokkoku.co.jp/
【主催:共同通信社】
https://www.kyodo.co.jp/
【主催:日本将棋連盟】
https://www.shogi.or.jp/
【特別協賛:コナミグループ】
https://www.konami.com/ja/
【協賛:Calorie Mate】
https://www.otsuka.co.jp/cmt/

本局の中継は、棋譜コメントを夏芽、本ブログを八雲が担当します。
どうぞよろしくお願いいたします。

2025年2月 2日 (日)

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Img_6487(感想戦終盤には、解説者ふたりも加わった)


以上で、第1局のブログ更新を終了します。ご観戦、誠にありがとうございました。

(武蔵)

Img_6423(先勝した藤井棋王)
□勝った藤井棋王のインタビュー
―― 序盤は時間を使って慎重に指されていた。午前中の進行について。
藤井 ▲3五歩(33手目)から仕掛けていって、こちらの攻め方と後手の受け方はどちらも複数の手段がありそうで、一手ずつ時間を使いながら指していました。昼食休憩前の▲5八金(55手目)が甘く、直後に△7五歩と突かれて苦しくなったような気がしました。そこで違う手を考えるべきだったように思います。
―― 午後に入っても難しい中盤戦が続いた。
藤井 桂を取られて、進んでみると厚みを作るのも難しく、形勢は苦しい時間が続いていたように思います。
―― 形勢がよくなったと感じたのは。
藤井 終盤は秒読みに入って、分からないまま指していました。こちらが攻めていく形になって、▲5四桂~▲4四桂(119手目~121手目)として攻めがつながりそうになったかなと思いました。
―― 一局を通じて。
藤井 桂を取られる形になってからは少し苦しめになっていたかと思いますので、その手前で少し工夫が必要だったと思います。
―― 高知での初対局について印象に残ったことは。
藤井 食事もおやつもおいしくいただきました。対局場の設営も丁寧に行ってくださり、集中して対局に臨めました。
―― 次局に向けて。
藤井 時間配分を含めていろいろ課題があったと感じているので、しっかり振り返って第2局以降に生かせたらと思います。


Img_6424(増田八段は初陣で白星とはならず)
■敗れた増田康宏八段
―― △6五歩(32手目)からテンポよく指されていた。
増田 穏やかに指すと若干先手が損なので、仕掛けられるのは嫌でしたが、対策はしていました。後手としてまずまず戦えるのではないかと思っていました。
―― 午後に入って桂得になった。中盤戦はどのように感じていたか。
増田 桂得になりましたが、こちらは壁金の悪形ですし、先手陣の厚みもありますので、模様の取り方が難しかったです。ただ、△5二銀(72手目)は感触がよかったのでよくなった気がしましたが、△8七歩に▲3九飛(75手目)を軽視していました。そこで差が思ったように広がらず、動揺してミスが続いたように感じます。
―― 一局を通じて。
増田 中盤くらいまではかなり戦えているかと思いましたが、終盤は差がついてしまったので、藤井棋王との差を感じました。
―― 高知の印象は。
増田 高知の方々は優しく接してくださって、自分としては気持ちよく将棋を指せて感謝しています。
―― 次局に向けて。
増田 中終盤のあたりで差を感じました。次局までは期間が空くので、その差を埋められたらいいなと思います。


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Img_6445(インタビュー後、対局者は大盤解説会場で一局を振り返った)

(武蔵)

Kiou202502020101_127五番勝負第1局は127手で藤井棋王の勝ちとなりました。終局時刻は19時18分。消費時間は▲藤井3時間57分、△増田3時間59分。五番勝負は藤井棋王が先勝。第2局は2月22日(土)、北國新聞会館(石川県金沢市)で行われます。

(飛龍)